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Don’t think, feel. Lee先生と海外赴任 ; 航海日誌 No5

 記; QC星人
航海日誌; 西暦2022年02月26日
投稿 No.5)Don’t think, feel. Lee先生と海外赴任
 
No4で、品質不祥事サイクルが2巡目に入った印象と記した後、失われた30年との言葉が頭をよぎった。概ね平成とも重なる時期であるが、私には、日本の品質停滞期と思える。
海外赴任期間中、日本をマザーと言う割に、品質面ではスタッフに新たに教える手法や事例は少なかった。更に、日本の国内顧客は、海外顧客よりも品質に厳しいと聞かされていたが、赴任中、日本での経験と比較しても、品質要求に差は感じなかった。唯一感じたのは、若干、市場返却品が少ないことだが、製品の良し悪しに関係なく、市場で廃棄されるのだろう。
 
海外生産品の品質は、日本製に近づいている。生産ラインの自働化率は、その国の人件費も関係する。その自動化率を考慮すれば、既に、差は無いのかもしれない。
赴任先の日給約7倍の日本だが、日本へ行った不良対応と、日本から来た不良対応の回数は同じだった。同等ならば、安かろう良かろうである。日本が劣化したのではなく、停滞している間に、近づかれたと思いたい。失われた平成30年に、上記を感じる。
 
そんな認識をする前の赴任初期から肌感覚で、“マザーと思うな、グランマと思え、今を好機と捉え、日本の品質を抜こう!”とスタッフへのベクトル(品質意識)合わせをしていた。
そんな状況が数年経過して、日本品質同等が見えても、先生と呼ぶスタッフには、“先生は、自分自身の心の中にしかない。繰り返し考えろ!一緒に考えよう!と言って、日々OJTをした。
 
赴任前、年配の方から、“第六感とは、エスパーの能力では無い。業務を真面目に長年 積み重ねると、一瞬で解を出せるようになる。素人からは、勘のようだが、本人すら考えた自覚が無い一瞬で考え解を出す。指先で面粗度(μm)が解る人なども同じ。長年の経験による勘だ。”と聞いたことがあった。第六感、職人技と受け止め納得した。The Sixth Sense.
 
それもあって駐在中は、”Think Think Think ! Die hardのBruce Willisだ !”と言いながら、スキルアップすれば、楽が出来るぞ!と諭し、目指していたのは、Don’t think, feel.
日々繰り返し品質を考えさせる事で、品質業務への勘を育てようと思っていた。
品質手法の1つに、ナゼナゼ分析がある。海外でもWhy Why analysisとして知られている。思考を深める方法だ。似た話題である。Bruceが2人。3人目に成れずに帰任したのは残念だった。
 
 
投稿 No.6)技術力と品質不祥事
 
V社が、車載PC(ECU)で、排ガス量を偽装しクリアーさせたのは技術的である。他の品質不祥事が、あまり聞こえて来ないのは、海外だからと思いたい。日本での品質不祥事は、データ改竄、データ計測環境など、偽装方法は色々あるが、どれも力技。双方とも品質不祥事ではあるが、腕力と技術力の差を感じ、日本は技術立国だったのでは?と微妙に寂しい。

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