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品質は、Rockだ!; 航海日誌No13

 記; QC星人
航海日誌; 西暦2022年04月17日

忖度は、ゴミ箱に蹴り込め!

30年ほど昔、前職での会議中、役員の品質評価への言動に、品管課長が立ち上がり、役員の前まで行きテーブルを蹴った。この時は、驚いた。話の内容は、課長が正しく聞こえたし、そこに耳を傾けない役員は、今ならコンプライアス意識の欠如だろうが、蹴りは不味い。
会議後、質問した処、正しい事を貫き、職を失っても、家族を食わせていけると断言された。

そこにRockを感じた。

燃費偽装や排ガス偽装などの報告書を読むと、上からの開発目標達成へのプレッシャーにより、偽装に手を染めた経緯が伺える。パワハラと呼ぶか、忖度と呼ぶか、そこは捉え方だと思うが、体制に品質が屈した事になる。品質問題なのに、原因は、論理的ではなく、精神的な問題や、個人の損得勘定である。前職の課長に似た方が複数人いれば、防げたかもしれないが、M社2000年の内部告発は、蹴りよりも、企業へのダメージは大きい上に、不祥事自体は防げていない。
品質部門が自社を守る為には、反体制となる気概が必要なのかもしれない。

ならば、品質部門に必要なのは、Rockの精神だ。

企業の第一は、組織の維持(その為の収益確保)や継続性であり、それらは商品品質やサービス品質と同等以上に大事だろう。企業規模縮小や、倒産での供給停止は、最悪の品質だ。従って、収益を極端に圧迫する過剰品質も問題だ。そんな時は、品質部門への苦言も必要だ。
企業内には、色んな部署が存在し、各部署は、その存在目的への最大限の努力をする。故に部署間で、苦言を出し合う事は、企業、組織としての自浄作用に必要だろう。

それも、またプロセスマネジメントだ。

前述の組織都合より、品質部門が、清濁併せ吞む場合もあるが、品質不祥事は、ノーマネージ状態で起きる事。そんな時、品質部門が、上や他部署に黙っては、歯止めがかからない。

だから、品質への自浄作用には、Rockが必要だ。

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