使い捨ての天使に成り果て
十年の記憶を思い出す。
私が望んでいた未来、希望。
縋りついた夢が檻になって私を囚えた。
使い捨ての天使になるのが怖くて自ら枷を付けた。
私は、君を思うとき死を、破壊を、暴力を、総じてタナトスを想っていた。
君を私の孤独を埋める人形に仕立て上げた。
死、破壊、暴力、それらは私の棺桶の中にはじめから埋め込まれていた。
使い捨ての天使に成り果てた私が、タナトスを、死をこれからは纏うのだ、一人で……
完成された、欠落者の私の元に、今日も希死念慮を抱く人間が集まる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?