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DeFi(分散型金融)レポート-The NEXT-

2020年の仮想通貨市場を支えたある市場を皆さんは知っていますか?

仮想通貨を代表するビットコイン価格は2020年3月12日、歴史的な大暴落を記録しました。今では「ブラックサーズデー」と呼ばれる歴史的な悪夢は、突然として訪れました。

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3月初めに90万円台を推移していたビットコイン(BTC)は、3月12日に突如として暴落。価格は一気に50万円を下回りました。フラッシュクラッシュと言える突如の暴落に市場の投資家やユーザーは、大きな損失を被りました。

ですが執筆時点の現在、ビットコイン価格は仮想通貨の歴史上で2番目の最高値である140万円を突破し、2018年末の最高値を更新する勢いを見せています。


ではなぜ、ここまで仮想通貨市場は回復したのか?

ビットコイン価格の上昇には、MicroStrategy社やSquare社によるBTCの購入が起因していますが、その下支えになったのは「分散型金融(DeFi)」の成長です。

「金融」と「ブロックチェーン」を掛け合わせて誕生した新しい市場ですが、その仕組みは難しく、多くの投資家やユーザーが参加できた市場ではありません。


実際に多くのユーザーが、このDeFi市場の仕組みを理解せず、資産を投資して大きな損失も被っています。

・聞いたことのあるプロジェクトだから投資しよう
・インフルエンサーがオススメしていたから
・流行っているからどれに投資しても変わらないだろう

こんな考えを持って投資した人の大半が、こんな市場のブームを目の当たりにしながら損失を出しています。


◯どのプロジェクトに注目すべきか
◯本当に安全な市場なのか
◯これまでのDeFiの背景を知っているか

少し調べれた出てくるような情報を収集せず投資することは、仮想通貨市場において最も危険な行動であり、今後、新たな市場が台頭した時に同じ間違えを繰り返してしまうことになります。

当レポートでは、これまでのDeFiの歴史を振り返りながら、有名なプロジェクトをはじめ、注目のプロジェクトについて徹底的に解説しています。


それではここから、DeFiの歴史を振り返りながら、0から100までDeFiに関する詳細をお伝えしていきます。



はじめに

2020年後半から大部分の投資家やユーザーに知られ始めたDeFi(分散型金融)は、イールドファーミングやガバナンストークンの登場によって、誕生してからさらに熱を帯び、2020年の仮想通貨市場で最も盛り上がりを見せた市場となりました。


DeFi(Decentralized Finance)は分散型金融と呼ばれ、その名の通り非中央集権かつ透明・検閲体制という特徴を持ち合わせたブロックチェーン技術を基盤とした金融システム・サービスを提供する市場を指します。

従来の中央集型金融(CeFi)と大部分は類似していますが、非中央集権を基盤として様々なプロトコルモデルを採用するDeFiに大きなメリットを感じるの当然です。もちろんその反面、市場の加熱が覚めた際に、一気に市場が崩壊する可能性はあります。

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DeFi市場に参入するユーザーの大半は、各国の法律や規制によってこれまで参加できなかった金融市場に簡単にアクセスし、プロジェクト毎に異なる報酬やガバナンストークンを得られることから、そのユーザー数も劇的に増加しています。


では実際にどのぐらいDeFi市場が成長しているのか。データを基に市場の盛り上がりを見ていきます。

①合計ロック資産額(Total Locked Value/TVL)

合計ロック資産額(Total Locked Value/TVL)は、DeFi市場全体および、各DeFiプロジェクトにどれだけの資産がロックされているかを表す指標です。

現時点(2020.10)で、DeFi市場全体で110億ドルを超える資産がロックされており、Uniswapに最も多くの資産がロックされていることが分かります。

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②DEX取引高が急上昇

イーサリアムなどに関する調査データを提供するDune Analyticsは、分散型取引所(DEX)の活動が2020年6月に大幅に増加していることを報告しています。

このデータによると、DEXにおける6月のボリュームは15億1,000万ドルに到達し、5月の8億9,420万ドルのボリュームと比較すると、70%という驚異的な数値を記録しています。

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また、これまで過去最高記録を更新していた2020年3月と6月を比較しても46%増加していることから、世界的な分散型取引所の認知度が急激に増加していることが分かります。

さらに流動性プールを提供するUniswap(ユニスワップ)とCurve(カーブ)は、以下の市場シェアチャートに示すように、6月の取引量に最も貢献しています。記録された総ボリュームの53%を占めていることが分かります。

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6月のCurveの獲得額は3億4040万ドルで、Uniswapも同様に以前の統計で注目すべき点が多くあります。2020年第1四半期にUniswapトレーダーは、2019年第1四半期よりも225%多く資金をスワップしました。

③イーサリアム手数料(GAS)高騰

大手メディアCeoiDeskによると2020年8月、イーサリアムブロックチェーンの1取引あたりの平均手数料が、過去最高水準に到達しました。これは当然、市場を席巻しているDeFiブームが要因です。

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平均手数料は2020年8月12日時点で6.04ドルに達し、取引手数料の中央値は7月中旬までは1ドル以下で推移していたが、史上最高の3.03ドルになりました。

これらの手数料の上昇は、Uniswapのような人気のDeFiサービスの活発化と一致していることが起因しており、上位の3つのDeFiプロジェクトは、データサイトEtherscan(イーサスキャン)が収集したネットワーク利用率で最も高いサービスとして含まれています。

開発者らは、ネットワークのトランザクション容量を拡大するなどして、手数料を削減するために数多くの技術的な選択肢を検討しているが、修正されるとしてもまだ数カ月先になりそうです。


ここからの記事は、目次にもあるように、これまでのDeFiの歴史を振り返りながら日本における法的観点や、価値の計算DeFiプロジェクトを解説しています!


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