逃走のロマン
住んでいるアパートの近くは、昼時になると下校中の小学生の声が聞こえてくる。彼らは下校中でもごっこ遊びや、おしゃべりに余念が無い。
「おれ今日隊長だから!今日の作戦は、、」
ヒソヒソとバレバレの作戦会議である。
先日、きゃっきゃと叫ぶ声が聞こえてきたのでふと目をやると、何人かで追いかけっこをしていた。
なぜだが今見ると楽しそうという気持ちより、車とか大丈夫かなと不安な気持ちの方が先に出てくるのだが、ふと思った。
そういえばしばらく「逃げてない」。
鬼ごっこなんて最後にやったのはいつか思い出せないし、前に何かに追いかけられたのなんて大学時代にスペインでガラの悪い地域に迷い込んで、なぜか現地のヤンキーたちに追っかけ回された時くらいだろう。
逃げることは一般的には卑怯で、弱虫のすることだと思われているが、逃走にもドラマがあるだろう。
50-60年代にかけてアメリカの若者たちがロード(路上)に出て、自分を探したのも一種の逃亡だった。
今、どういう逃走ならドラマになり得るだろうか。
今日も小学生たちの作戦会議に聞き耳をたてるのであった。
photos by Yutaka Maeomichi
K
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