日経平均株価が2万6000円を割り込めば値ごろ感、TOB候補を探す
先週のマーケット振り返り
日経平均株価、TOPIXの動きを見てもわかる通り、調整色を色濃くしています。
日銀が19~20日の金融緩和決定会合で、長期金利の変動幅を従来の0.25%から0.5%に拡大する方針を決めたことから、異次元緩和が終焉と受け止められたことが主因。
為替相場は米国との金利差縮小から円高・ドル安に推移。円安基調に歯止めがかかるものの、住宅ローン金利や企業向け貸し出し金利の上昇により景気を冷やすとの見方が強まり、年末を前に手仕舞い売り優勢となりました。
今後の展開ですが、黒田総裁任期中にもう一段の緩和修正を行うことも懸念されており、全般相場は不安定な動きになると予想されます。
日経平均採用銘柄では年初来の高値を更新する銘柄はないものの、日経平均株価が2万6000円を割り込めば値ごろ感から反発も期待されます。
ただ、【7011】三菱重工業がデッドクロスを示現する等、日経平均採用銘柄で騰勢を強める銘柄がなくなっており、日経平均株価は25日移動平均線が上値抵抗線になることも意識されそうです。
今週の注目テーマと個別株
注目テーマ①:GX(グリーントランスフォーメーション)
注目は、政府が22日、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを検討する「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」を開き、原子力について「将来にわたって持続的に活用する」と明記し、運転期間の延長については原則40年、最長60年とする制限を維持したうえで「一定の停止期間に限り、追加の延長を認める」と盛ったこと。
関連銘柄の【7711】助川電気工業や【6356】日本ギア工業、【6378】木村化工機、【6492】岡野バルブ製造が動意付いており、消去法的ですが、物色難から買いが続く可能性もありそうです。
注目テーマ②:TOB(株式公開買付)
また、個別では【5809】タツタ電線や【9810】日鉄物産が筆頭株主によるTOB発表を機にストップ高と買われており、筆頭株主が20%以上を所有する銘柄等に対する関心が高まると見ています。
次のTOB候補として、神戸製鋼系の【8075】神鋼商事やトヨタ向けが主力の鉄鋼商社【8076】カノークスあたりをマークしておきたい。
※当コラムで掲載されている各銘柄についての見解は執筆者自身が取り組む際の考えであり、売買指示等の投資助言ではありません。あくまで投資はご自身の判断と責任に基づいて行っていただくようお願いいたします。
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