日経平均は小幅もみ合い、需給思惑が増幅する銘柄は市場の関心が高い
先週のマーケット振り返り
政府が、4月8日に任期満了を迎える日銀の黒田東彦総裁の後任人事案について、今月に国会へ提示する方向で検討。10日を軸に衆参両院の議院運営委員会理事会に示す案があることから、その動向を見極めようと日経平均株価は、小幅もみ合いとなっています。
1月の米雇用統計で雇用者数が市場予想を大幅に上回ったことから、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利上げ停止に対する期待感は後退しているものの、英イングランド銀行(中央銀行)が今後の利上げ幅の鈍化を示唆したことから、英国ではFTSE100が過去最高値を更新。英国ではエネルギー関連銘柄が物色されていることは注目されます。
東京株式市場は、相場を先導するような銘柄はなく、指数自体は小動きとなっていますが、日経平均採用銘柄では、今2023年3月期営業利益予想を増額した【6758】ソニーグループが続伸。今23年3月期第3四半期2ケタ増益の【6861】キーエンスが3連騰。今23年3月期純益予想と配当予想を増額した8002丸紅が昨年来の高値を更新する等しました。
これから今3月期第3四半期(10-12月)決算の発表が本格化しますが、今後も業績面でサプライズがあった銘柄や株主還元に対して前向きな姿勢を明らかにした銘柄については市場は好反応を示すと見ます。
このため、10-12月決算の発表が一巡する今月14日前後まで買い意欲はあり、指数自体は底堅く推移すると思われます。
今週の注目テーマと関連株
注目テーマ①:親子上場関連
特筆すべきところでは、【8075】神鋼商事が2月1日に昨年来高値更新したのをはじめ、【6507】シンフォニアテクノロジーが同2日に高値更新、【5660】神鋼鋼線工業が連日高値と買い進まれる等、【5406】神戸製鋼所の系列の上昇が目立ちました。
神戸製鋼所は21年11月に神鋼環境ソリューションを完全子会社化するなど、グループの再編を行い、事業の「選択と集中」を推し進めています。次はどれかという視点から、同社が保有する銘柄に対する市場の関心は高いと感じられますので、折に触れ物色の矛先が向かいそうです。
また、【5802】住友電工による完全子会社化発表でTOB価格にサヤ寄せしている【8249】テクノアソシエの連想では、【4078】堺化学工業が63.98%保有している【9967】堺商事あたりも化学品商社ですから、要マークと思われます。
3月期末を前に需給思惑の増幅するような銘柄はまだ注目と考えます。
注目テーマ②:炭化ケイ素(SiC)半導体関連
そのほか、テーマ株買いでは、炭化ケイ素(SiC)半導体関連の【6521】オキサイドが3日に一時1万円大台を回復していることも見逃せません。9か月移動平均線がサポートする形で上場来高値に肉薄していますから、もみ合い上放れが期待されそうです。
※当コラムで掲載されている各銘柄についての見解は執筆者自身が取り組む際の考えであり、売買指示等の投資助言ではありません。あくまで投資はご自身の判断と責任に基づいて行っていただくようお願いいたします。
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