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大動脈解離と共に生きる episode3

「病院に到着するまでに60%が死ぬ」

2023年12月17日②
救急車は京都市立病院に到着。
大動脈解離が恐ろしいのは、病院に着くまでに60%の患者さんがお亡くなりになると言う事である。私の場合は救急隊の到着が早かった事、病院が近かった事も運が良かった。しかし、この時は後の一大事を知る由もなかったのだが、、、

到着すると院内には緊張感が走った。
テレビで見た「救急救命24時」の一刻を争うあの雰囲気である。幸い意識がハッキリしてくれてたお陰で、お医者さん達と意思疎通ができた。この病気は痛みが尋常ではないため意識を失う方も多い。その場合、原因の特定が大きなタイムロスとなり致死率が上がる病気でもあるのだ。

先生方はすぐに色んな検査をして下さり、大動脈解離であるという事が判明した。漠然と恐ろしい病気である事は知っていたが、この時はまだピンときてない。

すぐに緊急手術が必要な状態だと知らされる。

しかし・・・

「ウチに手術できる先生がいないんですよ」

思わず耳を疑った。

オペ中でいないのか?
元々いないのか?
手術が難しいからできないのか?

そこまで確認できる余裕は無かったが、京都でも有数の大病院であっても手術ができない事実を突きつけられた。

すぐに、先生は転医先を探すために京都中の大病院に電話して下さった。しかし、一件目、二件目、、、カーテン越しから聞こえてくる通話の文脈から、それはお断りの返事である事は明らかであった。

電話を待っている間に血圧はみるみる下がっている。ピコピコ鳴っている機械の音とともに看護師さんの「血圧の上が50」という声も聞こえてきた。
その間も私が不安にならない様に、先生や看護士さん達は万策をつくしてくれた。定期的に手を握って、優しく落ち着いた声で「寒くないですか?」状態を確認してくれる。メガネの優しい男性の先生の事はよく覚えている。

「あぁ オレはこのまま移送先が決まらず、ここで死んでしまうんやなぁ」

不思議とそこに焦りは無かった。
病院に到着して2時間ぐらいが経ったのであろうか?冷静な諦めモードに入っていた時に一本の電話がかかってきた。

「転医先が決まりました!」

宇治の徳洲会病院です
宇治市?
京都市から片道1時間ぐらいかかる
そこまで命はもつのかと不安がよぎる

救急車での移動中に激しく揺れたりすると大動脈が破裂して亡くなっしまう可能性があるので、絶対安静で移動させて下さい。という指示もあり、宇治市の病院から執刀医の先生が直々に救急車に同乗してお迎えに来て下さる事になった。

一時間もしないうちに救急車は来て下さった。

そこで印象的な場面がある。
お世話になった京都市立病院の先生、看護師の皆さんが

「里山さん気を確かにね!頑張るんやで!」

ベテランの女性看護師、先程のメガネの先生、皆さんが総出で見送ってくれた事だ。ドラマのワンシーンの様に今でもよく覚えていて、とても勇気を頂いた。

私は再び救急車に運ばれ、先生、家族とともに宇治の病院まで搬送された。

epidode4へつづく

大動脈解離について
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