自信満々にふるまい、自信過剰にならない
自信をもって行ってこい!
なんて言われたこと、
皆さんも多々あると思います。
試合前、監督やコーチから、
試験に向かう玄関先でお父さんから、
営業に行く前に上司から。
いろんなシチュエーションが浮かびます。
舞台にあがる芸人たちも、
ほどよい緊張感の中、
今までやってきた努力を信じて
自信をもってネタを披露します。
自信をもつことは、
心理学的にも
その効果が認められている。
気合系の経営者が
戦略も道筋も立てずに
「いいから自信をもっていけ!」
なんて言っているのをみると
ちょっと怖くなったりもしますが、
意外と的を得たアドバイス
(まれに「骨は拾ってやる」というのが続く)
なのかもしれません。
■自信をもって
発言したり振る舞ったり助言したり。
組織のリーダー
に選ばれるような人は、
リーダーになる前から
そんなイメージありますよね?
将来のリーダーを選ぶ
経営陣からすると、
記憶に残らないような人は
リーダーに選びたくても選びようがありません。
人は馴染みのあるものに対して
好意を感じるといいます。
iPhoneのアプリをつかって
反転加工したAさんの顔写真と、
加工なしの写真を、
Aさん本人と
友人に見せて
好きな方を選ばせると、
Aさんは反転写真を、
友人はあるがままの写真を選ぶ
という実験結果があります。
普段みているAさんの顔は、
友人にとっては
加工なしの写真であり、
Aさんにとっては
毎日鏡で見ている左右反対の顔。
■過去に
接したことがあるものに
好感をいだく人間の反応を利用しているのが
「広告」
であり、単純接触効果といわれる戦略は
広告効果をたかめるイロハのイです。
会社とか
スポーツでもいいのですが、
社長や監督から
「選ばれる」ことについても同じことが言えて、
自信ある行動は
周囲に自分の存在を知らしめ、
ブランドを確立して
「あいつに次のプロジェクトをまかせよう」
といった好意的な決断
を引き出す可能性を高める。
要するに
「目立つこと」
はいろいろ役に立つ
ということです。
■これはいわゆる
「確証バイアス」の話で、
人は見たいものだけを見る傾向がある
という認知心理学のひとつ。
第一印象が長続きするのも、
この確証バイアスで説明できるそうです。
「自信がある」
という強い印象は、
それと一致しない情報を排除し、
一致する情報だけを選択させるみたい。
リーダーを決めずに討論させたとき、
リーダー役を務めるようになるのは
ナルシスト度の高い人、
という論文もあったりします。
自信がハッタリであると分かってすら、
周囲の人はその人の能力を過大評価したがる
という実験結果もあるほどです。
クライアントの前で
自信満々にプレゼンするからこそ、
その人の信用度が増して
営業が成功しやすくなるわけですね。
(気合系社長の激励は意外とバカにできない)
■ところが、
という話なのですが、
こんなおもしろい研究結果があります。
1.成功確率20%で、5億の利益
2.成功確率50%で、2億の利益
3.成功確率80%で、1億の利益
起業家と一般のサラリーマンを対象にした
「どの事業をやってみたいか?」という質問で
起業家が(3)を選ぶ確率が
一般の人より明らかに高い
ということがわかっています。
また、起業するときに、
本業をやめるべきか否か、という問いに対しては、
本業を続けたまま起業した人は
本業をやめた起業家より
失敗の確率が33%低い
といった結果もある。
つまりどういうことかというと、
起業を志すような人は
往々にして「自信満々」
というイメージに反して
意外とリスク回避型であり、
不安や自己不信と戦っている
という事実。
作曲した曲のなかで
もっとも気に入った作品が、
後世に演奏されたり、
録音されたりした作品とは異なる、
という、
自己批判的だったベートーベンが
傑作を見誤っていた
という話は有名ですが、
起業家たちは、
自分のアイデアの
長所ばかりに意識がいって、
欠点を過小評価する傾向、
いわゆる
「確証バイアス」について
強く自覚している
ということでしょうか。
自分自身を評価するときは、
自信過剰になりがち
という社会科学の研究もあって、
大学教授の94%は
自分が平均以上の働きをしていると評価し、
自分のパフォーマンスが
会社の上位5%に入る
と答えたエンジニアは
4割にも及ぶ。
■表面的には
自信をもって仕事をしたり
プレーしたり。
それは周囲に
ポジティブな印象を与え、
活躍するチャンスを拡大させますが、
内面は不安を感じながら、
冷静に、慎重に行動する。
自信満々であり、
自信過剰にはならない。
モノゴトをうまく進める人は
そんな、
「大胆かつ緻密に」
という態度で生きつつ、
「行動しまくる」
ことも特徴的です。
発明家のエジソンが
1000を超える特許
を出願したように、
(使える特許は片手で数えられるほど)
確証バイアスによって
事前に自分の成果を予見できないのであれば、
数で勝負するしかありません。
■今、
あたらしいプロジェクトが始動し、
自信満々に行動してきたおかげ?で
プロジェクトリーダーに選出してもらって、
鼻息荒く
ガシガシ動いているところですが、
自信過剰にならず、
ですが
「失敗することより、やらないことの後悔」
を胸に秘めてこれからも
数多く手を打っていく。
その前に自戒を込めて、
今日の投稿をまとめてみた次第です。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます!
それではまた明日。
おつかれっした!