オガールプロジェクト, 岩手県紫波町 / オンサイト計画設計事務所
官民連携の先駆けとして有名なオガールにやっと行くことができたので、感じたことを記録しておく。公共空間らしい堅実さを基調としつつ、ところどこ、オンサイトらしいデザインが垣間見えて、面白いランドスケープだった。
オガールは事業スキームが注目されがちだが、デザイン視点でも面白いところが多い。
一番気になったのは、「オガール地区デザインガイドライン」が策定されたこととその内容。単一の施設であれば、基本構想などとしてその敷地の建物の計画を住民も含めて検討するが、オガールプロジェクトは個人の住宅も含む、段階的に整備するプロジェクトであるため、その後の開発にも適用できるデザインルールをあわせて検討している。このガイドラインによって、その後の空間デザインも一定の質が担保されていると思われる。
個人的にこのガイドラインですごいと思ったのは、事例写真の精度の高さ。実際の空間にかなり近い。この写真の公表資料で使用できていることひとつとっても、オンサイト計画設計事務所のデザインに関するストックの厚みを感じさせる。
予算が潤沢にあったわけではないと思うが、大きな方針からディテールまで、一貫してデザインのこだわりが感じられた。オガールは事業スキームが注目されがちで現地を見に行ってない人も多いかもしれないが、空間としても面白いので、今でも訪れる価値があると思った。
名称:オガールプロジェクト(オガール東広場、オガール西広場、オガール大通公園)
主要用途:公共施設(広場、町役場、図書館、ホテル、体育館など)
竣工:2014年
規模:11,444㎡(オガール東広場+オガール西広場+オガール大通公園)
所在地:岩手県紫波郡紫波町
施主:紫波町
手法:公共事業
ランドスケープ設計:オンサイト計画設計事務所
施工:佐々木建設株式会社、橘建設株式会社