急性虫垂炎(盲腸)&腹膜炎で入院した話
6月6日(土)〜6月17日(水)の12日間、急性虫垂炎と腹膜炎で入院しました。
もしかしたら誰かの役に立つかもしれないので、記録を備忘録として残しておきます。
急性虫垂炎ってどんな病気?
「盲腸」って言ったほうが分かりやすいですね。
腸内の「虫垂」と呼ばれる場所に炎症が発生し、右下腹部に強い痛みが起こる病気です。
僕の場合は発見が遅れたため、腹膜炎も発症し、体内に膿が広がってしまいました。
おかげで入院が長引きました……。
虫垂炎については、こちらのサイトが分かりやすかったです。
急性虫垂炎について(https://nakanohp.com/hospital/sick-topics/entry-262.html)
ここからは、入院生活を振り返ってみましょう。
6月5日(金)入院前日
自宅でリモートで仕事をしていたのですが、午後から腹痛と腰痛を発症しました。
仕事中に休みを入れたり、仕事が終わってからはご飯を食べて寝転がったりしていたのですが、体調はどんどん悪化。
トイレに何回も行ったり、吐いたりしました。
症状は深夜まで続き、家族からは食あたりを疑われたり、前日に結構飲んだのが悪かったのではないかと言われたりしました。
この時点では、家族全員が症状は大したことないだろうと気楽に考えていました…。
6月6日(土)入院初日
朝になっても症状がまったく良くならなかったため、病院へ行くことにしました。
ここで救急車を使えば良かったのですが、ただの体調不良だと楽観的に見ていたこともあり、最寄りの総合病院まで歩いて行きました。
この時は、まさか入院して10日以上家に帰れないとは思いませんでしたね。
病院は思ったより混んでいて、2時間半くらい待たされたと思います。
待っている間に、腹痛や気持ち悪さといった症状はどんどん悪化していきました。
先生に呼ばれた時には、悪寒で震えが止まらないという状態に…。
診察に入ると、すぐに「虫垂炎かも」と言われました。
レントゲン・CTを撮ると、どうもやはり急性虫垂炎で、腹膜炎も発症しているようだ…とのこと。
手術が必要なものの、「現在外科が満席で手術ができない」という理由で、転院先を探すことになりました。
その間、病院のベッドで寝ていたのですが、本当に辛い時間でしたね…。
■人生初・救急車に乗る
1時間以上待たされたでしょうか。
あまりにも待たされるので先生に相談すると、「ごめん、一個病院空いてたんだけど、個室しか部屋がないからちょっと高いんだよね。そこにしちゃう?」という返答が。
こっちは辛いのに随分のんきだなあと思いつつ、一刻も早く治療して欲しかったので、「すぐ転院したいです!」とお願いしました。
生まれて初めて救急車に乗り、転院先の病院に搬送されることになりました。
16時頃、救急車で転院先の病院へ移動しました。
救急車は、初めての経験でしたが、意外と縦揺れ・横揺れがあり、その度におなかに振動が来て辛かったです。
また、救急車の人には「今、10段階評価で痛みはどれくらいですか?」と聞かれました。
「8」と答えましたが、今から考えるとどう考えても10です。
なぜ見栄を張ったのか…。
■手術、そして入院へ
病院に着いたあと、搬送用のベッドに寝かせられたまま、軽い診察がありました。
転院先でもレントゲンとCTを撮り、血液検査をして(この辺記憶が曖昧です)、正式に「急性虫垂炎で、腹膜炎を併発した」と診察されました。
見舞いに来た家族にも病状が告げられた後、17時30分から手術をすることに。
病状を告げられた途端に妻が泣き出し、「泣きたいのは俺なのに…」と思いました。
(退院後の診察で、妻は泣いたことを主治医にイジられていましたw)
ちなみに、この時初めて知ったんですが、最近では虫垂炎を治療する場合、抗生剤を使って虫垂を切らずに治療することもあるんだそうです。
僕の場合、症状が酷すぎて手術しないと無理、ということでした。
全身麻酔をしたため、手術中のことは全く覚えていません。
虫垂炎の手術は、順調だと2時間くらいで症状が酷いと4時間ほどかかるそうですが、僕の場合は腹膜炎による炎症が内臓に広がっていたため、3時間かかりました。
腹膜炎の炎症が肝臓の方まで広がっていたらしく、水を3リットルも使って臓器を洗ったんだそうです。
「炎症が酷かったよ、相当我慢しちゃったんだね〜」とのことですが、あんまりそういう自覚もなく…。
また、起きたら点滴や酸素用の管、ドレーン、尿道カテーテルなどなど体中に色々付けられていてびっくりしましたね。
「まるで俺、病人みたいだな」と思いました(いや病人なんですけどね…)。
そのまま、転院先の病院に入院することになりました。
とにかく体を動かすのが辛かったですね…必要なものを家族に持ってくるよう頼んだり、職場に入院したことを伝えるために連絡をするのが、とても大変でした。
6月7日(日)入院2日目
鼻についていた管と、尿管カテーテルが取れました。
鼻の管は胃まで届いてたということで、話を聞いただけで気持ち悪くなりました。
とにかく何をするにも身体が痛く、辛かった記憶しかありません。
また、トイレにも1人で移動できないのでトイレに行きたくなったらナースコールで看護師さんを呼ぶなど、今までできていたことが何もできず、ストレスも溜まりました。
熱も常時38℃以上あり、内臓の調子も良くなかったので、昼夜問わず眠りながら過ごしました。
地味に辛かったのが、水を飲めないこと。
まだ胃や腸に何も入れてはいけないため、喉が渇くとひたすら水でうがいをしていました。
「点滴をしているから水分不足ではないはず。水でうがいしてください」と言われましたが、喉は常に渇いていたのでキツかったですね…。
それと、この日から数日間困ったのが、内臓がちゃんと動いていないため、吐いたり下痢して漏らしたりすることでした。
何も食べていないのに、緑色のゲロや下痢が出てくるのが非常に嫌でした。
なお、これは余談なんですけど…。
僕は競馬が好きでよく見ていますが、この日はG1レースの安田記念がありました。
前々から楽しみにしていたため、入院中にも関わらず、頑張って馬券を購入。
レースはリアルタイムで見れず、結果だけを見ました(当たっていました)。
その後、無限に馬が走ってくる夢を見てうなされましたが、間違いなく天罰だと思います。
6月8日(月)入院3日目
この日から水を飲んでもよくなりました。
まだご飯も食べられないので、冷やした水を飲むのが数少ない楽しみでした。
体調はあまり改善の兆しが見られないらしく、「入院が長引くだろう」と言われました。
内臓に炎症が残っているらしく、血液検査の数値が思わしくないんだそうです。
熱も38℃以上常にある感じで、氷枕を常備してもらっていました。
ゲロや下痢は前日ほどではないものの、まだ続いていました。
妻に「体液が緑色の、ウルトラマンの怪獣みたいだ」と言ったらめちゃくちゃウケたので、複雑な気持ちでしたね。
6月9日(火)入院4日目
この日は、入院している病室が変わりました。
一番大きかったのは、「スポーツドリンクを飲んでいい」と言われたことですね。
早速、ポカリを飲みまくりました。
美味しかったですね~ポカリ、一生忘れられないと思います。
スポーツドリンクが解禁されてから、ご飯が食べられるようになるまでは、ほぼスポーツドリンクだけが楽しみでした。
また、1人でトイレに行っても良くなりました。
そうそう、トイレで毎回尿の量を測るんですよ。
最初は面白いなと思いましたが、最後の方はひたすら面倒くさかったですね。
あとは、「内蔵を動かすために歩くように」とのことで、ちょっとずつ歩くようにしていました。
6月10日(水)入院5日目
それなりに回復してきたのか、朝のうちは熱が37.5℃くらいまで下がるようになりました。
ただ、夜になると熱が上がるんですよ。
この日は長い距離を歩いてみようということで、隣の病棟にある売店へと歩いてみることにしました。
ところが、売店目前というタイミングで、自分がいるフロアの看護師さんに話しかけられました。
何でも、点滴の管に血が逆流しているから、一旦戻ったほうがいいとのこと。
売店目前での期間命令…。
ショックのあまり、病棟に戻って点滴を直してもらい、そのまま寝ました…。
この日、また漏らしたので、大人用おむつを使うことにしました。
32歳にして、31年ぶりのおむつ生活です。
吐くことはなくなったものの、意図しないタイミングで下痢をして漏らすことが多かったです。
それと、僕は4人部屋に入院していたのですが、向かいのベッドにクレーマーおじいさんが入居してきて、辛かったですね…。
6月11日(木)入院6日目
昼間は36.3℃まで熱が下がりました。
夜になると熱が上がるのですが、お腹が下ることもなくなり、昼間はある程度快適に過ごせるようになりました。
翌日からご飯が解禁ということになり、1日中ご飯を楽しみに過ごしました。
コンビニに向かったところ、迷って30分くらい歩きました。
いい運動になったと思います。
6月12日(金)入院7日目
この日は「食事」と「洗髪」という、2大イベントが開催されました。
あとはCTも撮りました。
■1週間ぶりの食事
入院した土曜日に朝ごはんを食べられなかったため、まるまる一週間ぶりのご飯となりました。
重湯、味噌汁、牛乳というほぼ液体だけのメニューでしたが、食べられるというだけで嬉しかったです。
重湯とはいえ、6日ぶりのご飯だったので、飲み込んだあと胃が動く感覚がすごくありました。
重湯と牛乳との組み合わせが辛かったものの、味噌汁はかなり美味しく感じました。
久しぶりのご飯ということもあり、味覚はいつもより敏感だったように感じます。
1週間ぶりに食べた病院食です。
牛乳と重油の組み合わせがキツい。
洗髪も1週間ぶりで、看護師さんに洗ってもらいました。
看護師さんが僕と同い年とのことで(メッシとか長澤まさみとかと同級生です)、結構話しかけてもらいました。
今回、コロナの影響で家族との面会が基本NGだったんですよね。
だから人と話す機会も少なく、入院期間中に2回あった洗髪はとても楽しい時間でした。
それから、体調も順調に回復し、「来週の水曜日には退院できる」と言われました。
嬉しかったですね~。
後は…、夜にクレーマーのおじいさんが騒いだので軽く注意したら、勝手にカーテンを空けて謝りに来ました。
信じられませんね…病院はいろいろな人がいますね。
6月13日(土)入院8日目
前日揉めたからかは知りませんが、部屋が移動になりました。
窓際の部屋で、眺めもよくて気分もだいぶ明るくなりました。
この日、2本刺さっていたドレーンのうち、1本を抜きました。
お腹から管が出ていたので抜くのは大変なんじゃないかと思っていましたが、自分のベッドで30秒くらいで抜けました。
割とすぐ抜けるんですね。
この日の昼食から、食事が重湯ではなくおかゆに切り替わりました。
感動したのは、おかずに固形のものが増えたことですね。
普通のものを食べられることに感動しました。
この日の晩ごはんです。
おかゆ以外は普通の食事と同じメニューが出ました、結構ボリューミーですよね。
あとは、結構体調が良くなってきました。
・前々日くらいから漏らさなくなったこともあり、おむつ生活が終了
・おしっこを測らなくてよくなった
・点滴が抗生剤のみになり、夕方にはそれもなくなった
急激に体調が良くなったように感じました。
6月14日(日)入院9日目
この日はついに、普通のパンやご飯を食べられるようになりました。
入院していると、楽しみがほとんどないので、ひたすらご飯を楽しみに過ごしていました。
入院中のベスト飯がこれです。
パンが美味しかったですね。
朝に牛乳が付き、昼はデザートが付き、夜が一番質素…という感じでした。
午前中の回診でドレーンが外れ、ついに身体にくっついていた管類が一切なくなりました。
そして、この日から、シャワーに入れるようになりました。
嬉しかったですね。
かなり体調も良くなってきたので、病院の屋上庭園に行ったり、テレビを見たりして過ごしました。
屋上庭園は、いろいろな花が咲いていてきれいでした。
暑かったので、長居はできませんでした。
6月15日(月)入院10日目
先生と相談し、退院が6月17日(水)に決まりました。
病院の売店に行くのに階段を使ったところ、相当疲れてしまい、体力の衰えを実感しました。
入院生活にも飽きはじめ、日中退屈するようになり、Twitterをやりまくったところ、通信制限を喰らいました…。
6月16日(火)入院11日目
会社に連絡したり、入院中の費用について限度額適用認定証が使えることの説明を受けたりと、いよいよ退院に向けて準備をはじめました。
だんだん味覚も戻ってきたため、あれだけ楽しみにしていた病院のご飯を「マズい」と思うようになってしまいました…。
6月17日(水)入院12日目~退院
無事退院しました!!
退院後、速攻食べに行った寿司。
ここからは、入院生活中に感じたことなどを書いていきたいと思います。
なぜ急性虫垂炎になってしまったのか?
はっきりとした原因は分かりません。
ただ、自分の生活を振り返ってみると、いくつか原因はあると思います。
・ストレス
これが一番の原因じゃないかと思います。
2020年の2月に、コロナで世間が騒ぎ始めたタイミングで会社を退職しました。
その後、無事に転職先が見つかり、4月から新しい職場で働き始めました。
ところが、緊急事態宣言の発令を受け、入社3日目からリモートワークで働くことに…。
また、僕以外の家族が病気になったりもしました。
慣れない仕事、転職に伴う金銭的な問題、家族の病気…。
さまざまなストレスが重なり、虫垂炎になったのかもしれません。
・長時間労働
現職ではないのですが、2016年~2019年頃にかけて、長時間労働をしていた時期がありました。
2018年~2019年頃が一番酷く、平均で月80~120時間くらい、MAXで月150時間くらいの残業をしていました。
定時が9時~18時の会社で、8時~24時くらいまで働いていました…頭おかしいと思います。
営業職だったので、1日中外回りという日もありました。
最後の方は体調も悪く、退職後も体調はあまり良化しませんでした。
直接的な原因かは分かりませんが、原因の一つではあると思います。
ちなみに、残業しすぎて「月50時間くらいの残業ならゼロ残業と一緒」という意味不明なメンタリティをゲットしました…良い子は真似しちゃ駄目よ!
なお今ではおかげさまで正真正銘のゼロ残業です、会社に感謝。
・カフェイン
長時間労働を乗り切るために、カフェインの摂取量は相当多かったです。
当時の1日のカフェイン摂取量を振り返ると…。
・◯月◯日…コーヒー3杯
・✕月✕日…コーヒー2杯、エナジードリンク1本、コーラ1本
・△月△日…缶コーヒー2本、エナジードリンク1本、コーラ1本
……これは体調も悪くなりますわなwww
なお、退院後の診察が7月18日にありましたが、それまで禁酒・禁コーヒー生活を続けました。
禁酒・禁コーヒー期間中にコーラは少しだけ飲みましたが、あまり美味しく感じなかったので、飲まなくなるかもしれません。
入院中あると良いもの
ここからは、入院中あってよかったものを紹介していきます。
・スリッポン
病院に行く時にスリッポンを履いていたのですが、これが便利でした。
病院生活では検査などで靴を脱いだり履いたりすることが多いです。
その時に、すぐ着脱できるスリッポンは大変便利でした。
サンダルより歩きやすいですしね。
・パラマウントベッド
これを考えた人にお礼を言いたい。
これが無かったら、とくに入院しはじめの頃はベッドから降りられたか自信がありません。
自分が寝やすい角度に自由に調整できて、寝心地も良かったです。
家にも欲しくなりました。
・スポーツドリンク
ポカリスエットとグリーンダカラを飲みまくっていました。
入院中の気分転換にはなったと思います。
虫垂炎かな?と思ったら
もし、虫垂炎になったと思ったら、すぐ病院へ行きましょう。
虫垂炎になると、お腹が急にズキズキと痛み出し、吐き気や嘔吐などの症状が出ます。
「虫垂炎かな?」と思ったら、すぐに病院に行ったほうがいいです。
虫垂炎は症状がひどくなければ、抗生剤だけで治療できるからです。
また、手術したとしても、数日で退院できます。
決して我慢してはいけません。
虫垂炎は、我慢しても治りません。
それに、腹膜炎を併発した場合、入院期間が長くなります。
私は手術が遅れたために腹膜炎が重症化し入院も長期化、せっかくの給付金がパーになりました。
カメラのレンズを買おうと思ったお金が……。
退院後について
腹膜炎を発症した場合、退院後も以下の食べもの・飲み物は慎重に摂取した方がいいです(食べないで済むなら我慢するのが無難)。
・コーヒー、カフェイン飲料
・辛いもの
・アルコール
僕は念には念を入れて、主治医の診察まで我慢しました。
1ヵ月我慢しましたが、実際はもう少し早く摂っても大丈夫らしいです。
詳しくは主治医に相談の上、判断するのが安全かなと思います。
また、重いものを持つなと言われたため、子どもをしばらく抱っこできませんでした。
ただ、幼い子どもと暮らしていて、子どもを抱きかかえなければいけない状況はすぐ発生するので、これについては割と破っていたように思います。
おわりに
今回、入院してみて「健康は大事だな」という考えが変わりました。
健康より大切なものなんてありません。
「虫垂炎と腹膜炎を併発すると、最悪の場合死ぬこともある」とお医者さんには言われました。
本当に助かってよかった、と思いました。
好きなものが食べられて、自由に身体を動かせて…これはとても幸せなことなんだと痛感しました。
最後にもう一言だけ……。
今回、コロナ禍で大変な中、治療してくださった医療従事者の方々には、本当に感謝しかありません。
大変な状況がしばらく続くかと思いますし、応援することしかできませんが…。
健康に留意して、皆様のお世話になることがないよう、気をつけたいと思います。
ありがとうございました!
給付金で買うはずだったレンズ……(涙)