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自分が自分であることの勇気

ユダヤ系カナダ人のGabor Mate(ガボール・マテ)さんは、イスラエル政府のパレスチナの人々への抑圧にも長年反対をし続けているので、知っている人もいるかもしれません。

ガボールさんの両親は第二次世界大戦中の収容所を生きのびますが、赤ちゃんだったガボールさんの命を守るため、ガボールさんを見知らぬ人に数か月預けざるを得なかったそうです。その後、ハンガリーにとどまるものの、今度はハンガリーでの独裁政治下での弾圧により、他の多くのハンガリー人同様、家族でカナダへと避難民として移住せざるをえなくなります。

ガボールさんは、トラウマを専門としていますが、このヴィデオの中で、自分自身とコネクトしていることの大切さを語っています。
では、自分自身とコネクトしている、とはどういうことなのでしょう。

ガボールさんは、大事なこととして、Attachment(アタッチメント/愛着関係)Authenticity(オウセンティシティー/真正であること)を挙げていました。

ガボールさんのいうアタッチメントは、赤ちゃん・子供の頃に母親/保護者と二つの身体がくっついて一つになっている状態で、人間が小さいうちは、これは生きるためにどうしても必要なものです。

Authenticity(オウセンティシティー/真正であること)は、自分が何を真に感じているかということを知っていて、それに基づいて行動を起こすことができることを指します。

自分自身とコネクトしているためには、この二つは必須です。

社会の仕組として、子供の頃、(正当で当然な)健康な怒りを表現したときに、親や周りの大人が、その健康な感情を受け入れられないこととして罰することがよくあります。
そうすると子供たちは、両親や保護者の庇護や愛を失うと生きていけないので、本能的・無意識に自分の気持ちを抑え込むことを学び、それは、Authenticity(オウセンティシティー/真正であること)を犠牲にすることになります。
子供の頃、ただ単に存在しているだけでいい、あなたがあなたであるだけでいい、という基盤が築けなかった場合、成長してから、どんなことにでも周りから承認を勝ち取りたいと感じるようになるでしょう。

でも、自分の気持ちをいつも抑え込んでいて、ある役割をいつも演じていることは、とてもストレスフルです。
これは恐怖にかられた行動で、慢性的に疲れている状態となります。
その上に、社会的に孤立していると、身体の免疫機能が落ちて、病気にもなりやすくなります。
自分自身の感情を抑え続けていることは、私たち自身を孤独に感じさせます。(=自分と自分の心が分断されているから)
友達や周りの人の「怒ってる/ストレスがあるみたいだね。一緒に話そうか」という一言だけで、私たちの神経はリラックスします。

たくさんの友人をもっていることは重要ではありません。
相互関係が重要で、周りの人々が、本当にあなたのことをみて、聞いていて、その人たちの心の中であなたがホールドされていると感じられることが大切です。
もし、私が、私が誰であるかということを抑え込んでいると、誰も私を見ることができません。

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