The GraphがWeb3にとって重要な存在となる理由
The Graph Japan
著:Zoltar
Ethereumをはじめとするブロックチェーンの世界は、オープンアクセス、信頼性、透明性、相互運用性による迅速なイノベーションをコミットするものです — DeFiのマネーレゴは、今後の生まれるであろう多くの例の一つに過ぎません。
ブロックチェーン上に保存されている増え続けるデータは表面化されているのはごく一部のみであり、大部分は未だにどこかに隠されています。これらはスマートコントラクトコードで難読化されていたり、各dAppは独自の複雑なロジックを持っていたり、または1つではなく複数のコントラクトで構成されています。
The Graphの登場
The Graphは、ブロックチェーンとストレージネットワークのためのインデックス作成プロトコルであり、この問題に正面から取り組んでいます。既にThe Graphは、DeFi (Uniswap)、DAO (Aragon)、ゲーム (Decentraland)など、あらゆる種類のWeb3プロジェクトへの対応を進めており、サブグラフと呼ばれる3400以上のAPIで月に100億以上のクエリを処理しています。
これらは開発チームや個人、またはアクティブなコミュニティによって構築されています。これがオープン分散型ネットワークとオープンソース開発による力です。
なぜこれが重要なのか
サブグラフは、オンチェーンに広がるデータの構造化を助けるだけでなく、Web3を大衆にもたらすフロントエンドに力を与えるものとなります。
私たちが、日々利用している既存のWebにおけるAPIの重要性を見てみましょう。多くの人は気づいていませんが、日常的に利用しているアプリやウェブサイトのほとんどは、APIがなければ機能しません。よく知られている例としては、GPSデータを処理するためにGoogle Maps APIを使用しているUber、SMS通知のためにTwilio APIを使用しているTwilio、支払い処理、電子メールキャンペーンなどのために他のAPIを使用している多くの組織が存在します。価格比較サイトのような他のサービスは、異なるショッピングデータAPIのアグリゲータのように機能することで、消費者のためにデータを可視化するのに役立ちます。これらは、誰もがよく知ってい例の一部に過ぎません。
ビジネスロジックが本質的にオンチェーンで記録されるWeb3では、APIはさらに強力になります。ブロックチェーンのオープンな分散型アーキテクチャでは、フロントエンドのアプリケーション層は必ずしもプロトコル層の開発に縛られる必要がありません。両者は相互に強化することができ、異なるチームや個人で開発することも可能です。The Graphは、オンチェーンのプロトコルデータを様々なサブグラフでインデックス化することにより、この重要な役割を果たします。サブグラフの開発は誰にでも開放されており、単一のプロトコルに対して複数のサブグラフを見つけることができます。
各サブグラフは、プロトコルの異なる側面に焦点を当てることにより、クエリ層をより汎用性の高い効率的なものにする事ができます。一例としては、ガバナンス、投票、金融などの側面に焦点を当てた多数のアラゴンサブグラフがあります。The Graph explorerを利用して、増加するサブグラフのリストをブラウズし、あなたのニーズに合ったものや新たなアプリケーションを構築するためのインスピレーションになるものを発見する事ができます。
既にCoingeckoやYearn、Chainlinkなどの多くのWeb3アプリケーションは、より良いユーザーエクスペリエンスを提供するために強力なサブグラフを利用しています(出典:https://thegraph.com/blog/flight-path-to-mainnet)
APIの重要性は、Web2開発領域においては長年にわたって知られているものですが、Web3開発にとってもスーパーチャージャー的な役割を持つ可能性があります。Web2のAPIは、ほとんどがデータの発信元であるプロジェクトによって開発・制御されており、中央の障害点が発生するとともにチームにインフラコストをかける存在にもなっています。ブロックチェーンのオープンなアーキテクチャにより、APIをサブグラフとして展開することにより反復サイクルが速くなり、市場の要求に合わせて調整することが可能になるため、高い効率性が期待できます。
グラフのキューレーター は、開発者がアプリケーションのバックボーンとして信頼性の高いサブグラフを使って最高のユーザーエクスペリエンスを提供することに集中できるように、最高品質のサブグラフのステークを介して分析とシグナリングを提供します。
最もエキサイティングなのは、サブグラフとスマートコントラクトを組み合わせた、これまでにないdAppsの出現です。
トロイの木馬
これが私たちが待ち望んでいる未来であるにもかかわらず、何十億人ものWeb2ユーザーのほとんどは、まだブロックチェーンのエキサイティングな分散化された世界への第一歩を踏み出していません。多くのユーザーにとって、サブグラフはブロックチェーン分野に完全に入り込む前にWeb3のコンテンツやユースケースに慣れるための導入要素としても機能します。著名なWeb2サイトやアプリは、サブグラフを介してWeb3データのフロントエンドを豊かにし、Web3とプロトコルの採用を加速させます。
未来は明るい
The GraphはすでにEthereumメインネット以外にも、各種テストネット(Rinkeby, Kovan, Ropsten, Goerli)、PoA、IPFS、Xdaiなど複数のネットワークをサポートしています。Web3空間のミドルウェアプロトコルとして、The Graphは密接に他のレイヤー1及びレイヤー2スケーリングソリューションのトラクションを監視し、必要に応じてサポートを有効化します。
さらに、The Graphは、 分散型オラクルネットワークであるChainLinkと提携しています。Chainlinkとの統合により、データリッチなオラクルを介してサブグラフのデータをスマートコントラクトに中継し、これによりインデックス化されたデータセットに直接アクセスし、分散型アプリケーションの価値を高めることで開発者にとって更に多くの機会を広げる事ができます。
最初の統合の一つとして、The GraphはDEXの流動性データをインデックス化し、Chainlinkによるオラクルがユーザーの取引サイズに応じたスリッページを計算するための基準としてDEXのUIに中継します。更に、スマートコントラクトがChainlinkの分散型オラクルネットワークを介してあらゆるサブグラフデータにアクセスできるようにするユニバーサルAPIの開発も計画されています。
Web3の世界はもう間近に存在し、The Graphはその活気に満ちた分散型の未来のビジョンをサポートします。
WRITTEN BY Zoltar
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