
絆創膏の勇者たち
今日の出来事。
仕事の配達に自転車で出かけた帰り道。
ギャン泣きの子供とそれを囲む工事現場のお兄さんたち。
ふと、足を止めて話を聞くと、学校帰りの小学生が友達と鬼ごっこをしていてコケたらしい。
小さな彼の顔を見ると、おでこに見事なタンコブと鼻の頭のすり傷。。
おまけに両膝から血がたら〜っと・・・。
これはまた、なかなか見事なコケ方だなぁとある意味感心。
そこへ、四方八方から体より大きなランドセルを背負った少年たちが次々と現れた。
なんと、一緒に鬼ごっこをしていた子供たちが一旦、各自宅へ帰ってきたらしい。
息を切らして戻ってきた少年たち。
自信満々な顔、心配そうに見つめる顔、傷口を見て泣きそうな顔、さまざまな顔で彼を見つめる。
その手には、さまざまな大きさの「絆創膏」。
なんと、少年たちは家に絆創膏を取りに行ったのだった。
差し出したその手には、握りしめて走ったのかグジャグジャの物もあったが
5枚の絆創膏が集まった。
そんな光景を目の当たりにし、その場にいた大人たちは一気に笑顔に変わる。
全員思っただろう。
「最高の光景」
だな、と。
怪我をした彼のために集まった5枚の絆創膏。
ただただ心配そうな少年たちの顔。
彼を笑わせようとする少年たちのはしゃぐ声。
最高だろ。
とりあえずの処置として5枚の絆創膏をなんとか貼って、工事現場のお兄さんにお礼を言い、少年たち全員とで彼を自宅まで送る。
自宅までは200mもない距離。
「お母さんに怒られる」から帰りたくないとブツブツ言っていたがなんとか家まで送り届け、全員でお母さんに事情を説明し、最後に・・・
「最高の光景を見せていただきました笑」
と、こっそり付け加え、全ての任務完了。
それぞれ帰宅する少年たちのちょっと誇らしげな後ろ姿を見送りながら、
なんだか勝手に笑顔になってしまう。
子供というのは、本当に偉大で、言葉にならない感情を思いもよらず湧き起こしてくれる。
私含め多くの大人が無くしてきたもの。
なにか一つの為に走ること。
しがらみも邪念も利害関係も全く関係の無い世界で
たった一つの思いの為に走ること。
子供たちには当たり前のこと。
なんか、明日も頑張れそう!
記している今も笑顔になってしまう、「最高の光景」。
最高の気持ち良さをありがとう。
絆創膏の勇者たち。