マガジンのカバー画像

「あの大鴉、さえも」ができるまで

5
竹内銃一郎作「あの大鴉、さえも」の舞台(?)製作の記録
運営しているクリエイター

記事一覧

20/5/30

20/5/30

壁が気になる。
大ガラスばかり気にしていたが、壁も重要な要素だ。
あの壁はなんだろう。安易に考えれは障壁であり境界であり、人間にとっての社会だったり。乗り越えたいものだったり。
色々な壁がある。

壁で思い出したのが、パレスチナ映画「オマールの壁」だ。原題は「عمر」。
読めない。
調べてみると翻訳は「オマール」だった。そうか「壁」は邦題にのみあるのか。

オマールはパレスチナ自治区の青年。
映画

もっとみる
20/5/29

20/5/29

戯曲を読み直す。
照明、音響、セットの内容が細かく書かれている。
当たり前だが、芸術劇場で上演されたものは、この細かい記載を再現はしていなかった。
それが表現だと言うは容易いが、その必要性がないということだと思う。
この戯曲が書かれてからかなりの歳月が経っている。
世の中は変わり続けているし、価値観も変わり続けている。
シェイクスピア作品がそうであるように、戯曲というのは常に解釈をされて発表され、

もっとみる
20/5/27

20/5/27

思考が別な方向に向かう。
まっさらなところに描いていこうと思った矢先、このリセット願望があの大ガラスを運ぶ者たちにあったらと思い浮かぶ。
途端に不条理を感じてしまわないだろうか。
終わりの見えない運搬作業、しかし運んでいるのは3人、動く方向も上げるも降ろすも1人で勝手には決められない。自分ではどうしようもないことに不条理を感じる。自分以外の2人が世の中の象徴になる。
そこで、始めなければよかったと

もっとみる
20/5/26 A

20/5/26 A

スタートの勢いに任せて予算や日程まで考えたが、いま一旦すべてを削除した。
このコロナ禍の状況において、既成の方法や手順が本当にうまくハマるのか。一度考えてみたくなったからだ。

社会が変われば、その状況に応じてなにか既成概念をぶっ壊して新しいものを打ち立てたいと思ってしまう。
世を見ればそうやって生まれたものが既に動き出している。実際にはそれらの多くは、ボツとなった試みの上にある上澄みで、ある人は

もっとみる
「あの大鴉、さえも」にあたり

「あの大鴉、さえも」にあたり

大鴉はマイムを使うことから上演候補として挙がりはしたものの踏ん切りがつかないでいたものだ。
目的を持たない惰性の上演は自分は陥りがちで避けなければならないと念頭に置いている。
そんな中、芸術劇場で大鴉が上演される、しかも女性キャストで、と知る。
観ることで出来なくなるかもしれないと不安がよぎるがそもそも上演予定がない現状。このまま頓挫しているのは具合が悪いと思い観劇に踏み切った。
結果、素晴らしい

もっとみる