デジタルメモ「ポメラ」DM200
KINGJIMのデジタルメモ「ポメラ」DM200を、お金もないのに、衝動買い。
F監督がシナリオ執筆に使っているのを知り、無性に欲しくなったのだ。言わば、昔のワープロ専用機みたいなもので、テキスト編集のみに特化していて、WIFIの邪魔から逃れることができるのだ。さっそく、この文章も試しに書いている。
F監督とは、F監督が某映画祭の審査員をしていた時、私の作品がノミネートされて、初めてお会いした。それまでは、お顔も存じ上げなくて、授賞式の前に、近くの神社でお祓いがあって、隣に座っていらっしゃったのに、その時は気づかなかった程だ。言葉を交わすことはなかったが、その時、F監督は、予言的なスピーチをされた。
「これからずっと映画を撮りたいなら、どうやってお金を集めるかを考えて行かねばならない」
まさに、現在この問題と真っ正面からぶつかっている最中だ。映画を撮るにはお金がいる、という当たり前の事実の前で、立ち往生している訳だ。
だが、生まれついての楽天家なので、無理なことに悩んでいても、時間の無駄だ。
昔、「八月のラプソディー」の試写会に行った時、上映後、黒澤明監督が現れ、若い監督志望の若者達の質問を受け付けていた。
「監督になりたいと言いながら、誰もシナリオを書かない。監督になりたいなら、シナリオを書け。一日一枚書けば、一年で365枚になる」
その言葉を思いだして、ポメラを買ったのだ。因みに、黒澤監督は、藁半紙やチラシの裏に、シナリオを書いていたらしい。
生きているうちに、後一本映画が撮れればラッキ-。撮れなければ、その程度の才能しかない男だったということだ。仕方ない。それが、宿命なのだろう。
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次回作の製作費として、大切に使わせて頂きます。