夢を追い叶える 明けない夜はないと信じて
スペインに来て25年余。いつの日か私が思い描くようになった夢。それは私のフラメンコにインスピレーションを与えてくれ、育ててくれるグラナダの尊敬するアーティストたちとフラメンコを愛する日本人のアイデンティティーを持った私にしかできない舞台を作るということです。
その夢の第一歩は、魂の旅巡業と名付けた私たちの活動の第一弾として2020年1月にALMA CARAVAN Vol.1 The Flamenco TSUNAGU 【CERRAR LOS OJOS... 目を閉じて…】でやっと歩き出すことができました。
民謡とフラメンコは、共に口承伝承で、労働や、庶民の生活の喜怒哀楽から生まれた芸能です。一見、異なる、三つの表現方法(フラメンコ、舞踏、民謡)は、それぞれの文化性を保持しながらも、感情、日常、人生など言葉がいらない奥深い部分で理解しあい融合しました。
日本では無名でアウェイの私たち。お客さんを集めるのも一苦労でした。
でも見に来てくださった方々に、気づかないうちに涙がこぼれおちた、歌詞の内容はわからないけど胸が熱くなったという嬉しい感想を聞いた時、その苦労は一気に吹き飛び、次はスペインでも同じ公演をやりたい!と動き出しました。
が…
2020年、世界的パンデミックが始まった年。スペインは海外渡航はおろか、家からも出れない長い日々が続きました。そして多くの方が亡くなり、私の身近なところでもご家族を亡くされたり、長い間老人ホームに入居している親御さんに会えない、そして何よりもフラメンコという芸では生活が出来なくなってしまう仲間の姿を見ることになりました。
誰か特定の人たちだけが苦しかったのではありません。世界中の人たちが辛く苦しい思いをしました。そしてまだ苦しんでいる人たちもたくさんいます。
このことで、私は世界が平穏でなければ、個人の幸せはないことを痛感しました。
暗いトンネルの中で、私達の胸の奥にあった共通の想いは、【祈り】。祈りをテーマにした作品を作りたいと考える用意なりました。
2022年から2023年にかけて、第一回公演の映像を観て声をかけてくださる方もいて、それを信じて準備してきたものの、突然話がなかったことになったり、メンバーが泣く泣く脱退したり… パンデミック後も中々順調な船出はかないませんでした。
公演を実現させるのに立ちはだかるのは、そう資金の問題。
まだ解決はしていませんが、もう夢を叶えるなら今でしょう!と場所を予約して自力で前に進むことを決めました。
今日の朝日と夕日、今夜の月を明日も見たいという願い。
希望を見いだしながら、次世代に夢を繋いでいきたいという想い。
日常。当たり前で尊いもの。 悲しみや苦しみを経験し、親しい人たちと一緒に笑い、食べ、踊り、唄い そんな日常がとってもありがたく感じる。
そんなことを表現する内容に仕上がってきています。
どんな世でも国でも、宗教も関係なく、人々は心の中で祈ってきたのだと思います。
祈りは、特別な習慣なのではなく、私達の生活や心と深く密接している想いなのだと思います。
【Cierra los ojos… 目を閉じて】から【ORATIO 〜祈り〜】へ
自分にとって一番大切なモノ 祈り 公演を観に来てくださった方々が立ち止まってご自身に問いかける そんなきっかけになればうれしいです。
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