![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167163833/rectangle_large_type_2_0aa3f3c5a1ae254cd869436eaf38386c.png?width=1200)
2025年春に「相続センター」を設立!誰もが簡単に手続きが出来るインフラを創る【EAJ、成宮正一郎社長に聞く】
エスクロー・エージェント・ジャパン(EAJ)は、2025年から相続分野の手続きについてDX化を実現し、金融機関と相続人双方の事務負担を大幅に削減していく考えだ。「あらゆる人々が、時間や場所の制限なく、簡単に相続手続きが出来る社会インフラになる」——。成宮正一郎代表取締役社長に2025年の展望を聞いた。(金融ジャーナル編集部 2025年1月号掲載 AD)
相続分野の手続きの事務負担を大幅軽減する
——EAJグループが2025年に解決を目指す社会課題は何でしょうか。
EAJグループは、2025年3月から新中期経営計画をスタートします。私たちはこれまで銀行や地域金融機関、そして司法書士・行政書士などの専門家と連携し、不動産売買や住宅ローンに関連する手続きと決済のDX化を実現し、取引の効率性・利便性・安全性向上に取り組んできました。
2025年からは、日本の大きな社会課題である「相続分野の手続き」について金融機関や相続人の事務負担を大幅に軽減する新たな社会インフラ機能、ソリューションを提供していきたいと考えています。
——日本の相続手続きには、どのような課題があると認識していますか。
日本の相続手続きは、金融機関と相続人双方にとって極めて複雑で専門性も高く、スムーズに処理することが難しいのが現状です。“大相続時代”と言われて久しいですが、高齢化が進む日本では毎年150万人が亡くなっており、その数はこれからも増えていきます。
近年は所有者不明土地の増加も課題であり、2024年4月から相続登記が義務化されるなど正確で迅速な対応も求められています。
一方で、多くの相続人にとって相続手続きは人生で初めての経験となるため、「何から手を付ければ良いのか、誰に相談すれば良いのか分からない」という状況に直面します。
ご家族が亡くなって日が浅く、心身ともに落ち着かないなかで“複雑、煩雑で期限のある手続き”(相続放棄は相続開始後3カ月以内、相続税申告は相続開始後10カ月以内の手続きが必要)が求められ、対応に苦慮する“困りごと”となるケースが多くなっています。
——金融機関ではどんな課題がありますか。
金融機関では、窓口を訪れた相続人が「本人かどうか」の確認から始まり、戸籍収集、相続関係図作成、法定相続人や相続割合の確定など多くの事務作業が必要になります。
特に、戸籍情報の不足部分(不足戸籍)の把握や収集は大きな負荷となっており、相続人や自治体とのやり取りは紙・郵送手続きがほとんどで、時間と手間暇も非常にかかります。
そして、相続業務に携わる行職員には戸籍謄本を読み解く専門的な能力、経験が必要です。現役職員だけでは足りず、戸籍を読み解く知見のあるOB、OGを活用しながら処理しているケースも多くなっています。
——実際にどう対応しているのでしょうか。
地域金融機関の多くは人手不足に見舞われていますが、相続手続き自体は増えているケースが大半です。そのため、相続資産が多い富裕層にはしっかりと対応するものの、そうでない場合は対応が後手に回らざるを得ないケースも出ているようです。
そして、事務負担は大きい一方で、相続人となるご子息たちは首都圏や都市部に居住し、相続預金はメガバンクやインターネット専業銀行に流出してしまうといった事例もよく見られます。
遺産を巡っては親族間の衝突である“争続”が生じるケースも少なくありません。そのため、多くの金融機関では、「相続業務は“コストセンター”と認識されてしまっている」という、まさに社会課題になっています。
相続センターを設立し、戸籍収集や相続関係図を作成
——EAJが2025年からどのように解決していくのか。教えて下さい。
私たちは金融機関と相続人双方の相続業務負担を大幅に削減する体制を整備していきたいと考えています。具体的には、新たな社会インフラとなるべく2025年春に埼玉県内に『相続センター(仮称)』を設立予定です。
そこでは、相続手続きに不可欠な被相続人の戸籍収集と相続関係図の作成を安価、スピーディーに提供したいと考えています。
現在のイメージとしては、金融機関に相続手続きが必要な顧客をセンターに連携してもらい、私たちが対応窓口となり、不足戸籍や相続関係説明図などを含めて戸籍関連書類をそろえ、金融機関と共有します。金融機関はその書類をもとに相続手続きを進めることが出来るようになる仕組みです。
相続センターにはAI機能も活用したコールセンターを設け、相続人からの照会・相談を24時間・365日で受け付け、相続だけではなく、名義変更や死後事務も含めて司法書士、行政書士、弁護士、税理士などの専門家と連携して、ワンストップにて解決出来るようにしたいと考えています。
「あらゆる人々が時間や場所の制限なく、簡単に相続手続きが出来る社会インフラになる」という思いを形にしていきます。
——戸籍収集や相続図の迅速な提供は可能になるのでしょうか。
私たちは特許技術を活用して戸籍謄本をAI-OCR機能で解析し、相続関係説明図や遺産分割協議書等を自動作成する相続財産管理システム「AI相続 ミツローくん」(弊誌2024年12月号掲載)を構築しています。
不足戸籍の“見える化”も出来るため、事務手続きを迅速、効率的に進めることが可能になります。
既に複数の地域銀行と連携して試行的に始めていますが、順調に推移しています。まずはこれらの業務を新たなセンターに集約することから始め、順次センターの規模を広げていければと思っています。
私たちに相続業務をお任せ頂くことで、金融機関は経営資源を捻出することが可能になり、その分相続預金の流出防止につながるような前向きな取り組みにシフトして頂ければと思っています。
(本記事の複写、転訳載・磁気媒体等への入力、要約を弊社の許諾なく行うことを禁じます)
掲載されているのはこちら。
2025年1月号の目次です!
— 金融ジャーナル社 (@TheFinancial_J) December 20, 2024
「2025新潮流 時代の変化を読み解く」の総特集です。
トランプ2.0、2025年の崖、AIの最新動向などについて、
北尾吉孝SBIHD会長、井村俊哉Zeppy社長、Sakana AI、みずほFG、白石正和日本経営HD社長、チェンジウェーブグループ佐々木裕子社長などにご登場頂いております! pic.twitter.com/1QrW3cjTCT