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ジェントル紳士よ、ありがとう!
メタル大好き、音楽大好きな私は、思えば中学生の頃からライブを観に行くようになり、50代に入った今でも、忘れられない素敵な思い出がたくさんあります。
もちろん逆の思い出もあるんだけどね、そういう嫌なことを忘れさせてくれるような、素晴らしいジェントル紳士、そしてジェントル貴婦人たちのことを書きますね。
ライブと言えば、スタンディングです。狭いライブハウスで、ギューギューの揉みくちゃのおしくらまんじゅうの戦場であります。そこは男も女も、ましてや身長も体重も関係ない、無差別級の肉弾戦であります。
私はライブ参戦っていう言い方はあんまり好きじゃないんですけど、まぁ間違ってはいないですね。最近はすっかり落ち着いたので、揉みくちゃになるようなライブには行かなくなったけど、10代の頃の、ライブハウスにまだ慣れてない時はもう本当に凄まじかったです。
スタンディングライブにおいては、もちろん自分の席はありません。今、自分が立っているその場所が、いわば自分の席というかエリアになります。
前に長身の人がいたら、それはもうしょうがないです。いちかばちかで移動するか(できない時のほうが多い)、我慢するしかないです。
だ・け・ど。ごく稀に、自分の身長を気にして場所を譲ってくれるというジェントル紳士がいるんですよ!もうすごい素敵。抱かれたいわ。
だって、スタンディングライブですよ?みんな我先にと欲望丸出しで、ステージ最前列付近を奪い合う戦場ですよ?
あれは忘れもしない、エレカシのスタンディングライブの開演前のことでした。地方ということもあり、それほどギューギューではなかったので、とりあえず良さそうな場所に立ってみました。
私の前方には、若い男性の二人組がいました。
まだ開演まで時間もあったし、空いていたので特に気にしていなかったんですが、一人の男性が後ろを振り向いて、私やその周りを見渡して、連れの男性にこう言いました。
「これ、俺たちがここにいたら後ろの人が見えないよね」
エレカシのライブには何回か行きましたが、やはり男女比で言うと女性の割合が多かったです。
ちなみに私は157cmなので、当然この男性二人組よりは背が低く、そこにいち早く気づいてくれたジェントル紳士が、なんと本当に場所を移動してくれたのです!
しかも、気づかなくてすみません(汗)みたいな感じで、私に軽く会釈して場所を空けてくれたのよ!すごい!優しいー!マジで?って思いました。
たぶんその日も女性客が多かったので、彼らは一体どこまで後ろに下がったのだろうかと心配になりましたが、ありがたくライブを堪能させて頂きました。
ライブハウスに慣れてない人だったのかな。とにかく、スタンディングで場所を譲ってもらったのが初めてだったので、16〜7年経った今でも、私は彼らに抱かれたいっていうかとにかくめちゃくちゃ感謝してます。
一度あるライブで、入場してすぐ私が立った場所の隣にいた人が「ここ取ってるんですけど」って言ってきたことがありました。たぶんその人のお連れ様の場所だと思われます。平和主義者の私は「すいませーん」と返して、3cm位空けてあげました。(全然空いてない)
基本私は一人でライブに行くので、トイレに行く間とか荷物をロッカーに入れる時とか、フロアから離れたらもうその時点で、私の場所は白紙になると思っています。一人なので、頼れる人はいません。
でもきっとその方は、そうは思っていないんでしょうね。だけどそれと同じように、私は隙間が空いていれば入っていく派なので、入って来られた側の方は割り込みだと思われるでしょう。入られたくないなら隙間を空けるなよ、と私は思っています。
まあこれはまた別の問題というか長くなってしまうので割愛しますが、例えば段差があるフロアの場合、段差の最前列でステージをクリアに観たい派と、低くてもいいからとにかくステージの近くで観たい派(つまり私)がいると思うんです。
そうすると、以外に段差の前に結構な空間ができてることがあって、すごくもったいないと思うので、私はよくそこに入らせて頂いてます。私は背が低いし、後ろの人は段差の上にいるから視界の邪魔にはなってないからヨシ、と思っています。
ジェントル紳士の話に戻るね。
数年前に行った大阪のメタルイベントでの出来事。私はお目当てのバンドだけ集中して観たいので、その日も開場時間過ぎの、すでにお客さんが入っている状況で入場しました。
できれば前の方で見たかったけど、めったに来日しないバンドだし、来れただけでもラッキーなんだと思って、フロアの後方にとりあえず陣取りました。
すると突然、私の前にいた長髪のお兄さんが振り返って、「あっどうぞ、自分の前入って下さい」みたいな感じで(正確なセリフは失念しました)、すぐに場所を譲ってくれたのです!私は突然のことで驚いてしまって、「ありがとうございます」と返すのがやっとでした。たぶん声が裏返ってたと思う。
大阪の人って優しいですね。しかも長髪の長身男性!もっとちゃんとお礼言えば良かった…と今でも後悔してます。(オイオイ、親切にしてくれた方に下心を出すのは厳禁だぞ!マジで!)
大阪には何回か行ったことがあり、ネギ焼き屋さんに並んでて知人と新幹線の時間の話をしてたら、前に並んでいた男性が「新幹線乗るなら、お先にどうぞ」と順番を変わってくれたり、皆さんフレンドリーですごく行動力があって素敵です!大阪のジェントル紳士さん、本当にありがとう♡
もちろん、東京とか他の色んな都市のライブに行く度に、たくさんの方に親切にして頂いた思い出があります。
一人旅なので、あとかなりの方向音痴でもあるので、事前にめちゃくちゃ入念に調べてから行ってるのに、やはり現地に行くと迷ってしまい、毎回脇汗全開になってしまう私です。
そんな私を、今までたくさんの方が助けて下さいました。
青森に行った時、めちゃくちゃ寒かったのにわざわざお店から外に出て道を教えてくれたお姉さん。広島でライブを観に行った帰り、夜の街で駅の方向が分からなくて困っていた時、快く教えてくれた路上ミュージシャンのお兄さん。東京の山手線で、目の前の席が空いて誰も座らなかったので、隣の人に座ってもいいかと尋ねたら、笑顔で「むしろ座って下さい」と答えてくれたお姉さん。新宿のどこかの地下鉄の駅で、地上までの長い階段を私のキャリーバッグを持って一緒に登ってくれた駅員さん。
優しくて、心が広くて、親切な方にたくさん出会うことができました。だから私は、できれば性善説で生きていきたいです。
その一方で、私は性別女性なので、痴漢に遭ったり、見知らぬ男性から高圧的な態度をとられたこともあります。そんな時は、自分で自分の身を守るしかありません。
一人で夜ライブに行ったり、一人で旅行するのはやはり緊張感がありますが、それでもライブは最高に楽しいし、旅行も楽しいです。
だから基本は「性善説」だけど、時と場合によっては「目には目を、歯には歯を」で生きていこうと思います。
どうしようもない時は、「人間だもの」と呟いて、好きなBL漫画を読んで(BLは一部の女性にとっては最高のファンタジーだと思っています)、心が晴れたところでザ・ファブルの第一部11巻を読み、鈴木の黒タンクトップ姿を堪能したら完璧です。
私は自分の性格の悪さを自覚しているので、なるべく良い行いをしようと心がけています。そうでもしないと地獄に落ちるんじゃないかと心配になるほど、性格も口も悪いんです。
でもそれで人に親切にできるのなら、この性格に生まれて良かったんだなと思います。もちろん、ご機嫌ナナメの時とか体調が悪い時もあるから、
お年寄りに席を譲れないこともあります。
でも元気な時や仕事の時は、できる限り人に優しくしますので、どうか神さま、私に素敵な長髪長身マッチョの彼氏をお与え下さい。(できれば清潔感があって教養があって経済的に自立していて声が低くて甘い方にして下さい)
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