好きなもの 番外編 「スカート」
私は人生のある一定の期間中、スカートの着用を封印していました。
履くのをやめた日についてはよく憶えていませんが、再びスカートを履いたのは昨年のことなので、それははっきりと憶えています。
今では平気でスカートを履けるようになりました。昔の私からすると、これはすごいことです。
だって、スカートですよ?布をペラッと巻いてるだけですよ?下から見たらパンツ丸見えですよ。風が吹いてもパンツ丸見えですし、もし転んだらパンツ丸見え、階段登ってる時も角度によってはパンツ丸見え。まるで綱渡りのように、ちょっとしたアクシデントで命取り(パンツ丸見え)になるという危険な衣服です。
それを履いて普通に生活してる人たちって、すごい勇気の持ち主だなぁと思っていました。私には到底無理なことだとすっかり諦めていました。
だけど今は、スカートが大好き。
だって、女の子だもん。(殴っていいですよ)
私は15年ほど前に、あるバンドの大ファンになり、ライブに通いつめるようになりました。バンドの音楽性だけではなく、異性としてあるメンバーのことがめちゃくちゃ好きだったので、ライブの時にはかなり気合いを入れてお洒落して出かけました。(誰も見てないのに)
ファンレターを出したり、出待ちしてプレゼントを渡したり(おもに和菓子)、なんかもう今考えると恥ずかしいくらい、フォーリンラブだったなぁ。
当然のように、その恋は実りませんでした。バンドマンと、ただのファンです。ライブ中にあっ今目が合ったかも、とかプレゼントもらってくれた、うれしい!とか出待ちしてたら1回だけ話しかけられたことがあって大興奮したり(自慢)、それはそれは楽しい日々でしたよ。
こんな風に過去形で書いてはいるけど、もちろん今でもそのバンドは大好きです。その人のことも大好き。ただもう、あの頃のようなギラギラ感がなくなっただけです。地元でライブがあれば、必ず観に行きます。
バンドマンに恋をするというのは一種の回避行動ですよね。ステージと客席、その間には決して壊れることのない頑丈な壁があります。実際に触れることはできないから、何も起こらないから、私のガラスのハート♡が傷つくことは絶対にない。とにかく安全が最優先です。
まぁ人生いろいろあって、私は「守り」に入るようになり、スカートを履かなくなりました。とにかく身体のラインが出ない服装をするようになりました。そしていつしか、スカートを履いた姿を想像することさえ出来なくなってしまいました。
しかしたまたま昨年、劇的な環境の変化があり、私は再びスカートを履くようになったのです。
平たく言うと、失業して、ハローワークに行き始めたら、その隣にGUがあり、そこで思わずワンピースを買いました。もちろん安全も大事なので、ファッションセンターしまむらで、スカートの下に履く膝上のスパッツも買いました。
そして昨年、久しぶりに友達と会った時に、そのワンピースを着て行きました。実際に着てみると、スパッツを履いていることもあり、まったく平気でした。
無職だけど、スカートが履けるようになったよ!無職にならなかったら、絶対履けなかったと思う。人間万事塞翁が馬。
今や私は、パンツ丸見えを怖れない、勇敢な戦士たちの一員となったのです。下にスパッツを履いてることは、これを読んでいるあなたしか知らないから大丈夫。(信じてるよ)
ちなみに、どうせスパッツで隠れるからという理由で、私はよく紐パンやTバックやスケスケパンツを履いています。もう自分でも何がしたいのかよく分かりません。
昔、スカートの下はパンツ一丁だという知人に「風でめくれたりしないんですか?大丈夫ですか?」と聞いてみたことがあります。
彼女は笑顔で、「大丈夫大丈夫、気にしすぎだよ」と答えてくれました。
自意識過剰って一生治らないんだろうな。だけどそれでもいいんじゃないかな。だって、スカートが履けるようになっただけで、めちゃくちゃうれしいんだもん。
ところで、KoЯnのジョナサン・デイヴィスはライブの時にキルト・スカートを着用していますが、その下に何を履いているのかめちゃくちゃ気になっています。民族衣装としてはノーパンで着用するのが正式だそうですよ!もしご存知の方がおられましたら、ご一報下さい。
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