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空き家が変わると、地域が変わる


「大隅地域空家等対策推進地域会議」へ登壇

10月下旬のことになりますが、大隅半島4市5町で構成され、大隅半島の空き家課題対策に取り組む「大隅地域空家等対策推進地域会議」にお呼びいただき、「空き家が変わると、地域が変わる」と題してオンライン登壇させていただきました。

THEDDO./スッドの活動もようやく2年目。
今年はいよいよハード改修に着手しますが、空き家課題は人口減少や少子高齢化、担い手不足をはじめとした地域課題が横断的かつ複雑に紐づいていて法的・人的・資金的課題が山積みであることに私たちもまさに直面しており、地域の方々が「空き家には絶対手を出すな!」と言われる意味を噛み締めてもいます(笑)

登壇風景

空き家の豊かな資源と可能性

オンライン登壇では、普段、"官"の立場から空き家対策に取り組まれている皆さまに対して、"民"の視点や立場から、実際に地域で空き家継承をはじめとした地域の各種課題に対峙するなかでのハードルや課題について、まずはお話させていただきました。
一方で、地域の空き家へ入れば入るほど、ここにしかない先人の生きる知恵や暮らしの軌跡を知ることになり。空き家に潜在する地域の豊かな歴史風土や暮らし、また現代では復興が難しい地域固有の建築資材や建築方法などの豊かな資源と可能性を知ることになりました。
先が全く見えない中でも、まずは掃除や片付けからと、空き家に再び人が通い始めることで、地域の失われたコミュニケーションとコミュニティが回復する過程を噛み締めてもいます。まさに「空き家は、可能性ある地域資源」。少しの掃除が、風景を変え、私たちの視点やビジョンを変えていきました。

とある日の作業風景

大隅半島では現在、高齢となった空き家継承者が「自分が元気なうちに」と保全・利活用など他の選択肢を検討できないまま、取り壊し一択(解体費用は数百万円)となってしまう現状があります。
エリアによっては高齢化率50%を超えるエリアもあるなか、全ての空き家を保全・改修し、利活用などを通じて残すことは現実的ではないものの、大隅半島内外の方々にとって、内部の方へは少しでも取り壊し一択以外の選択肢が増えていくこと、外部の方へは移住や二拠点居住等での利活用が想定できること、などの検討しうる選択肢を増やしていくことが不可欠ではないか。

だからこそこれまであまり着手されてこなかった、ソフト(情報発信や機運醸成)が不可欠であり、結果としてハードや地域の事業者に還元されていく、ということを「空き家が変わると、地域が変わる」と題してお話しさせていただきました。

4市5町の皆さまからは、以下のような点から貴重なお話をいただき、スッドとしては今後も皆さまと連携しながら、活動に取り組んでいけたらと思います。
・普段なかなか知ることのできない自治体の取り組みや展望等について
・今後、スッドのようにDIY人材育成の必要性を感じている(とある町)
・空き家把握が追いついていない現状。スッドが取り組む空き家同様、家主が県外在住のようなケースも多く、情報が把握しづらく浸透しづらいことが空き家の加速を生んでいる。

オンラインからも伝わる皆さまの熱量

空き家が変わると、地域が変わる

鹿児島県は今年、国の調査で「放置空き家率ワースト1位」になってしまいました。大隅半島4市5町の皆さまがそれぞれの視点や立場から、空き家課題とそれを取り巻く地域課題に取り組んでおられる様子を知ることができ、私たちもとても勉強になりました。

会議登壇後、自治体ご担当者が実際に空き家へ視察に来られるよう調整いただいているとのこと。またそこから、双方の多様な知見を持ち合い、空き家対策に取り組んでいけたらと考えています。

とある日の作業風景

今後も連携して、空き家課題をみんなで考えていきましょう🧑🏻‍🌾🧑🏻‍🔧👩🏻‍⚕️👩🏻‍💻

(編集・執筆 THEDDO./スッド ふくどめ)

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