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京都 一乗寺フェス 2019 レポート後編

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京都、一乗寺の音楽フェス「the Day of Pleasure」。
5周年を迎えた今回は、初の2日間開催となりました。

私は、大学在学中からこのフェスにスタッフとして参加しており、「SUKIDARAKE MAFIA」というバンドで毎年出演もしています。
今回は、東大路通に面する「Cafe Norwegianwood」でライブをさせていただきました。
こちらのお店は10席ほどの小さなバーでありながら、音楽好きのマスターのこだわりによって、音響設備はかなり充実したものになっています。(イベントの際はテーブル等が外され、最大約40名が入ります)

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しかし普通のライブハウスのような一段上がったステージはなく、ミュージシャンがいるスペースのギリギリまで、客席が迫っています。
私たちのライブでも、お客さんが笑顔で音楽にノってくださっているのが見えて、ますます楽しく演奏することができました。
特に、小学生くらいの女の子が、お父さんと見にきてくれていて微笑ましかったなぁ…。

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実は、このフェスのほとんどの会場が、同じようにステージを設けておらず、お客さんは至近距離でライブを楽しむことができます。
これは、大きな野外フェスではなかなか実現できないことでしょう。


●5年目にしてついに、ミュージシャン楽屋が誕生!

続いて出演者目線でお伝えしたいのは、今回から設置された楽屋についてです。
お洒落なカフェのような内装、各会場店舗のご厚意で集まったケータリングの数々…。
私たちSUKIDARAKE MAFIAも、温かいカレーやおでんをいただきながら、楽しいひと時を過ごしました。


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他のミュージシャンの方からの評判も上々。
スタッフのおもてなしの心に触れ、「また来年、このフェスに帰ってきたい」と思っていただけたのではと感じています。


●一乗寺が、DOPカラーに染まる!?

さてここからは、お客さんと一緒にフェスを体験し、感じたことをお伝えします。

「the Day of Pleasure」は、書店、喫茶店、居酒屋、美容室といった、普段なかなか音楽ライブが行われないお店を会場にしているのが面白いところ。
そしてそれらのお店は、一乗寺駅を中心にあちこちにあるので、目当ての会場を行き来するうちに、自然と一乗寺の街を歩き回ることになります。
他のお店も気になって、ついつい寄り道してしまう方もいるのでは…。

そんな街ブラをしていると、私は、このフェスがライブ会場の中だけに留まらず、街全体を巻き込もうとしていることに気がつきました。

その一つの要素が「ストリートピアノ」です。

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「ストリートピアノ」とは、街角や駅、空港、商業施設等に、誰でも自由に演奏することができる”公共の”ピアノを設置するプロジェクトのこと。
知らない人同士が足を止め、会話を始め、コミュニティが生まれるきっかけづくりを果たしています。

「the Day of Pleasure」実行委員会は、そのプロジェクトに深く賛同し、一乗寺の街に常設のストリートピアノを置く計画を進めていました。
そして今回ついに、ご近所の方から昭和1-2年製造のアップライトピアノを譲り受け、フェス期間中、ライブ会場の前に設置することができたのです!
通りすがりの方が足を止めて音を鳴らしていたり、ミュージシャンがピアノの周りに集まってストリートライブを始める光景を何度も目撃しました。

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このピアノはフェス終了後、先述の「Cafe Norwegianwood」前に設置されています。
誰でも触ることができるので、一乗寺にお越しの際は是非足を運んでみてください。

その他にも、ライブ会場の軒先にはフード屋台が並び、実行委員会お手製の提灯が吊るされました。
お祭り感をいっそう盛り立てます。

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街を歩く人々の表情も、心なしかいつもよりウキウキとしていたような!


●初企画「イチジョウジ大学」が始動!

続いては、フェス立ち上げから5周年を記念し、「イチジョウジ大学」という企画が始まったということで、その一つに参加してきました!
「イチジョウジ大学」とは、【∞まなび・あそび・くらし∞】をテーマに、大人も子どもも考えながら楽しめる、参加型ワークショップです。

私が参加したのは、「JUNGLE JAM by Aya Sekine」講師の関根綾さんによる「サワルカナデルstage」。(関根綾さんHP https://www.ayasekine.net)

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ジャズピアニストである関根さんが、アフリカ音楽のコール・アンド・レスポンスやジャズの即興演奏の考え方をもとに、”他の人が出す音を聴きながら、自分も音でそれに応える”ということを実践を通じて教えてくださいました。

私も音楽をやっている身ではあるのですが、即興演奏はすごく苦手で…。
皆さんの足を引っ張るのではないかと心配でしたが、タンバリンやオタマトーンなど、シンプルに音を出すことができる楽器を選べたことが、そのハードルを下げてくれました。
そして他の参加者の方が、私の出した音に合わせてくれるという安心感もあり、とても楽しい合奏になりました。

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このワークショップは、初めて会った人といきなり演奏をしてみることで、参加者の方々にとって、普段何気なく見ていたミュージシャンの演奏中の動き、アイコンタクトなどを意識し始め、音楽の聴き方が変わる機会になったのではないかと思います。


●スタッフの”一乗寺愛”溢れる、手作りフェス

私は今回このフェスに参加し、「the Day of Pleasure」は既に単なる音楽フェスではなく、音楽が人と人とを繋ぐ、街ぐるみのイベントになったと感じました。
今後も、ライブを見にきてくださる方々のみならず、一乗寺で暮らす方々が、「今年もDOP(Day of Pleasureの略)の季節がやってきたか」と思うようなイベントへと、成長を続けていくのではないでしょうか。

最後に手前味噌ではありますが、どうしてもお伝えしたいのが、このフェスが大勢のボランティアスタッフによって支えられ、運営されていることです。

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フェスの準備は約1年前から始まり、各企画のサポート、装飾作り、当日の来場者や出演者の対応など、スタッフの力なしでは実現しないことばかりです。
その多くが近隣大学の学生ですが、フェスに関わった経験は思い出深く、大学を卒業した後、京都を離れても、年に一度は一乗寺に帰ってきて参加する者もいます。(実は私もその一人…!)

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フェス期間中は、そんなスタッフの頑張りにも目を向けていただければ幸いです。

それではまた、一乗寺の街でお会いしましょう!

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文章:熊沢 紗世 (the Day of Pleasure スタッフ / SUKIDARAKE MAFIA)
写真:大谷大学写真部、河野星香、髙橋良平

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