theDANNの設立とウェブ業界への憤り01
はじめまして、theDANNの井本(@kota_inomnoto)と申します。
今月4月1日にtheDANN株式会社を設立いたしました。個人事業主の期間を含めると独立してから約1年半ほど経ち、今後やるべきことが明確になってきたので、今回初めてnoteを書くことにしました。
この記事では、独立するまでに考えていたことと、今後のtheDANNの方向性について話していきたいと思います。少し長くなってしまったので、今回は前編として学生時代から楽天を退職するまでを書きます。後編は来週あたりに配信します。
1.独立するまでに考えていたこと(学生時代)
大学2年生の少し寒い冬の時期に、浪人時代の先生で当時はマッキンゼーで働かれていた恩師に、六本木の東京タワーで「すごい豆まき」というイベントをやるから学生スタッフとして手伝って欲しいと言われました。
東京タワーの近くにあるイベント会場に入ると、現在Yahoo!で執行役員をやられているO氏やK氏、社会人ボランティアの方々で賑わっていました。社会人ボランティアは楽天の方が多かった印象です。
話すと長くなるのですが、イベントに参加されている楽天卒の経営者や社会人ボランティアの方々の仕事に対するマインドが素敵で、漠然と楽天に就職したいなと考えていました。
2.独立するまでに考えていたこと(楽天時代)
社会人生活への憧れが当時はかなり強かったので、バイトのない日は図書館に籠もってTOEICの勉強をし、なんとか楽天に入社するスコアをとることができました。
楽天に入ってからは、当時急成長だった楽天カードのウェブマーケティング部門に入り、GoogleやYahoo!の広告担当として楽天カードを担当しました。数年経つと広告予算の使い方や効果的なマーケティング手法や運営方法が身につく中で、効果のない広告も明確に見えてきました。
ーお金を払っているのに効果がない?
少し大筋とずれますが、今後の話に関係してくるのでウェブ広告について少しお話させてください。ウェブ広告の根深い問題についてです。
アドフラウドという言葉を皆さんはご存知でしょうか?ウェブ広告を出稿し、媒体のコンバージョンが出ているのにもかかわらず、申し込みの実績と合わせると売り上げが出ていなかったり、大量のクリックが発生する、インプレッション(広告の表示回数)が出ることを、アドフラウド(不正広告)と言います。
アドフラウドという言葉の認知度は低いですが、近年欧州で注目されてきており、P&Gなど大手メーカーは、ウェブのマーケティング予算を抑える方向に進んでいます。
ニューヨークの広告調査会社メディアレーダー(MediaRadar)の推計によると、前年比でP&Gが41%、ユニリーバが59%のデジタル広告費を削減している。(中略)「広告主は代理店、メディア、アドテク企業に対して、より一層の透明性を求めている。FacebookやYouTubeに対しても同様だ。この要求は、ここ数カ月でさらに大きくなっている。当社のデータによると、大手広告主の一部に、デジタルメディアへの出稿を減らし、デジタル広告費を削減する動きが出ている」とメディアレーダーの共同創業者兼CEOトッド・クライゼルマン(Todd Krizelman)氏は語った。Jun. 28, 2017, 07:00 AM TECH INSIDERより
ウェブ広告の効果が実際にあるか不明瞭なまま、投資し続けた大手メーカーが調査に乗り出したところ、懐疑的な部分が多かったためウェブ広告費の削減に踏み切ったというのが、大枠の話になっています。
欧州では早くもネットの広告予算を抑える会社が出ているものの、日本のネット広告の利用額は前年比でハイペースに伸び続けているのが現状です。
インターネット広告費は新設項目を加えて2兆1,048億円、前年同様の推定方法の場合、1兆9,984億円(前年比113.6%)と6年連続で二桁成長。テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)の1兆8,612億円(前年比97.3%)を超える結果となった。 宣伝会議 編集部 2020.03.11 より
もちろんスマホの高速通信が可能になってから、YouTubeなどの動画配信サービスの広告が活気付き、広告単価が上がっているのは間違いないですが、広告費がハイペースで伸びていることと、スマホの保有率、接触時間には限界があることを事業会社の広告担当者が常に気に留めていなければなりません。
また、大手広告代理店が予算を故意に消費しているケースもあります。例えば、電通が不正に広告費を請求していたのも記憶に新しいでしょう。
一連の不正が発覚したきっかけは、広告主であるトヨタ自動車の指摘(7月)だったという。「広告を出稿したにも関わらず、その効果が出ていない」といった指摘を受けて電通が調査すると、故意もしくは人為的なミスにより、間違った時期に広告が掲載されていたり、掲載されていなかったり、広告の運用状況に虚偽の報告が含まれていることがわかったという。東洋経済 2016/09/24 4:30より
P&Gやユニリーバ、トヨタがアドフラウドや虚偽報告に気がついた共通項はなんでしょうか?3社とも、広告担当者や事業会社側がウェブ広告に効果が出ていないことに自ら気がついたことから、問題が発覚しています。
広告サプライヤーや広告代理店の話を鵜呑みにせずに、事業の広告担当者が責任を持って効果の測定をすることが非常に大切です。
アドフラウドに広告費を投下せずに、成果の出るウェブ広告に資金をしっかりと投入すれば、売り上げがきちんと伸びるのではないか?と薄々感じていたのですが、楽天の場合は先進的な取り組みが多く、あらゆる施策をやり尽くしていたので、自分が考えていたことをベンチャーでしっかり試していきたいと思うようになりました。
このことが3年半働いていた楽天をやめ、オフィス仲介とオフィス家具販売を手掛ける47ホールディングに入社したきっかけになりました。
3.独立するまでに考えていたこと(47時代)
ーアドフラウドを排除し、効果のある広告を常に意識して、ベンチャーで広告運営するとどうなるか
楽天を退社し、47ホールディングス株式会社に入社した後の話を後編でいたします。楽天で学んだ広告のノウハウをベンチャーで全部出し切った時に、売り上げがどう変化するかを書く予定でなのでお楽しみに。
後編は、こちら→ https://note.com/thedann/n/ne8050bf3c377
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