2019年ライブ総括 〜ダメな自分を一緒に楽しもう〜 / 連載 : タイライム
46 年間生きてきてこんなにライブ( コンサート)に行ったのは 2019 年が初めてだ。以前夏フェス総括の記事でも書いたが、2019 年後半も多くのライブに行った。
その中で、今年の最大の学びは、アーティスト自身が意識しているいないに関わらず何かが欠けていて、それを初期衝動としてアーティスト活動を行っていて、その思いが表現の源泉になっていることだった。そして、ファンはその欠けている所に自分の欠けている所を重ね合わせている。
今さら何を言ってるの?と言われそうだが、それを脳ではなく肌身を通して腹落ちできたというのが今年の最大の発見であり、学びだった。この学びを通してスタートアップの経営者として、自覚が足りなかった感性を取り戻せた気がした。
信頼関係を築いていく上で、その人のことを心から理解することは本当に難しい。そして、これから会社を成長させていく上で、多くのメンバーと信頼関係を築いていくこと最も重要なことの 1 つであるに違いない。
では、欠けている所を自覚する、そして、それを感じるにはどうしたらいいのだろう?
誰しもが「 俺って( 私って )、ダメだなぁ 」って思うことが沢山あるんではないだろうか?
僕自身もいちいち思い出せないくらい思って、毎回なんとも言えない気持ちになる。表面上はなんともないフリでクールな表情をしているけど、すぐに顔や態度に出てしまうので周りに気づかれてしまっているようだ(笑)。
そんな状態を「 ダック・シンドローム(アヒル症候群)」と言うらしい。
「 ダック・シンドローム(アヒル症候群)」
アヒルは、池にのんびり浮かんでいるように見えて、水面下では必死で足を動かしています。全てがうまくいっているように見えても、心の中で悩んでいたり、コンプレックスを抱えたりしている状態。
「 ダック・シンドローム 」はスタンフォード大学 心理学者 スティーヴン・マーフィ重松が指摘している。スタンフォード大学の学生のようにエリート中のエリート学生のほとんどが潜在的に心を病んでおり、その状態を説明するために提唱している。
僕はそんなエリートではないが、多くの人が同じような状態にあるんじゃないかとここ最近思うことがある。それは、プライドやメンツや社会的立場が理由で「 ダメな自分 」をおおっぴらにさらけ出せずにいて、水面下でもがいている。
今まではずっとそれを取り繕って隠していこうとしていた。しかし、「 ダメな自分 」を自分でも認めて、皆にもしょーがないよなぁってポジティブに受け入れてもらえられたら、他者との繋がりは深まると最近感じる。どうやってそんな「 ダメな自分 」をさらけ出して、そして楽になるか?
僕が実践したことをまとめてみる
1. 自分のダメなとこをよーく知る、フィードバックもらう(客観視する)。
2 . 自分のダメなところが強みでもあることを知る(自己批評する)。
3 . ダメな自分を知っている家族や友達に改めて知ってもらう(共有する)。
4 . 知ってもらったダメなとこをもっと知ってもらう(拡散する)。
小難しく書いたが、要するに信頼関係を作るだけだ。
自分も含めて家族・友人・同僚で「 完璧な人 」なんて出会ったことがない。その人のことを知れば知るほど、その人自身も「何かが欠けている」と思っている。それを受け入れた上で、信頼できるのが友人や同僚だ。もっと自分にだけでなく、自分以外の人の「ダメな自分」に興味を持とう。そうすれば、もっと人間関係もスムーズになるし、冒頭に書いたアーティストの世界観も、アーティストの「ダメな自分」を通して表現していることが痛感できるはずだ。
平良真人( @TylerMasato )
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