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スタートアップの公告方法は官報がおすすめ

ベストプラクティスまとめ

本記事の結論は以下になります。

  • 決算公告の開示範囲から考えると官報公告

  • 手続きの手間では電子公告が便利

  • コスト面では電子公告が安いが・・・


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公告とは

会社を設立する際に「公告の方法」を決める必要がありますが、そもそも「公告」が何かよく分からない人も多いと思います。

公告とは端的に言うと、株式会社の重要な決定事項や決算の内容を広く知らせることで、具体的には
・減資
・会社の合併や解散
・決算報告
などを知らせることが会社法で決められています。

そしてその知らせる方法を何にするかを選択するのが「公告の方法」を決めるということで、下記のように記載します。

(公告方法)
第○条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。

公告の方法とは

その「公告の方法」は以下の3つあります。

  • 官報

  • 電子公告

  • 日刊新聞紙

ただ、設立当初に選択されるのは「官報」か「電子公告」なので、2つの違い・特徴を比較してみましょう。

官報と電子公告の主な違い

上記のように、官報はお金がかかりますが開示範囲を限定的にできる一方、電子公告は無料ですが全てを開示しなければいけません。

ではスタートアップはどちらを選択するのがベストなのか?

決算公告の開示範囲から考えると官報

決算公告の開示範囲からすると官報の方が少なくて済みますが、具体的な記載内容としては以下の画像のようになります。

法定官報について

電子公告と比較して資産も負債も詳細を開示せずに済み、正直この情報からはほとんど何も分からなくなります。

スタートアップでは、競合へ手の内を伝えないようにしたかったり、新たな参入者を生みたくないため、情報を開示せずに済むことは大きなメリットがあります。

したがって、この点では官報公告にしておくことがオススメです。

手続きの手間、コストから考えると電子公告ではあるが・・・

手続きの手間

決算を知らせる以外にも、減資や合併した際に債権者に対して異議を述べる機会を与える必要があり、「債権者保護手続き」を行わなければいけません。

この手続きが官報公告にすると、債権者全員に郵送やメール等で通知する必要があり手間になりますが、電子公告にすると債権者への個別の通知を省略することができます。

スタートアップでは、会社が成長しステージが進んでいくと融資を受けたり、資金調達を続けていったとあるタイミングで減資を行うことがよくあります。

そのため、この「債権者保護手続き」は発生する確率・頻度ともに高い傾向にあるため、いちいち毎度連絡する必要のない電子公告の方が便利です。

ただ、メールで一斉送信してしまえばいい話でもあるので、そこまで大きな差はないかもしれません。

コスト

また、コストで考えると官報公告は7.5万円かかるため、金銭的コストでは電子公告が良さそうです。

しかし、上記の「債権者保護手続き」では調査機関に調査してもらわなくてはならなく、5〜15万円ほどの費用が掛かります。

となると、結局コスト面ではほとんど変わらなく、もしくは電子公告の方が高くついてしまうケースもあるかと思います。

総合的に考えると官報公告が良い

話が複雑になってしまったためメリット・デメリットをまとめます。

  • 開示範囲:官報公告がメリット大

  • 手続きの手間:電子公告がややメリット

  • コスト:電子公告がメリットだが、場合によっては同等

スタートアップにとっては多少の手間・コストよりも、情報の方が価値が高いでしょう。そのため、これらメリット・デメリットを総合的に考えると、官報公告がベストプラクティスなのではないかと考えます。

※トリッキーな方法として、決算公告だけを官報公告にし、それ以外を電子公告にすることもできますが、設立当初はシンプルな方がよいと思いますので、官報公告が良いと思います。

まとめ

「スタートアップの公告の方法」を考えるにあたって重要な観点は以下の3つになります。

  • 決算公告の開示範囲から考えると官報公告

  • 手続きの手間では電子公告が便利

  • コスト面では電子公告が安いが・・・


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Its' time to build!!

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