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スタートアップに適切な役員(取締役)任期は2年。長過ぎるリスクは?

ベストプラクティスまとめ

本記事の結論は以下になります。

  • 設立時の役員任期は2年前後

  • 取締役は会社の成長とともに変化しうる

  • 任期が長すぎると最悪のケースのデメリットが大きい


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取締役任期とは

取締役の在任期間を何年にするかという設定で、設立時に定款に記載します。

取締役は単なる会社内での肩書ではなく、従業員とは扱いが異なるポジションなので設立時に登記が必要になりますし、任期が来たら再度登記する必要があります。

取締役任期の期間は、最長で10年まで伸ばすことはできますが、長くするメリットとデメリットや、スタートアップに適した取締役任期があります。

任期を長くするメリット

次の任期でももう一度取締役を担う「重任」の場合、重任登記が発生しますが、長くすることでその手間と登記にかかるお金を抑えることができます。

取締役の任期を1年にすると、取締役は変わらないのにわざわざ毎年登記をする必要が生まれてしまいます。

取締役任期を長くするデメリット

一方で取締役任期を5年、10年と長くしてしまうと取締役を重任しないことが当たり前になってしまい、手続きを忘れたりといったことがありえます。

ただこれはどちらかというと手続き上の些末な話で、任期の残っている取締役を途中で解任する場合が重要な問題。

取締役の解任そのものは、正当な理由がなくても株主総会の決議によってできますが、正当な理由がなければ、解任された取締役にその残任期間についての役員報酬の損害賠償を請求されてしまう可能性があります。

10年任期、役員報酬1,000万円で5年目で解任すると、単純計算で5,000万円相当の損害賠償がありえます。

適切な役員(取締役)任期と考え方のポイント

設立時のオススメの役員(取締役)任期は2年

上記で述べた任期を長くするメリット・デメリットを踏まえた上で設立時のオススメの役員(取締役)任期は2年です。

1年でも良いですが、登記の手間などが初期には重荷であるため設立時は2年が適切でしょう。それ以上長くしてしまうと、人材が入れ替わったり後から優秀な人が入ってくる傾向にあるスタートアップにおいては柔軟性が失われてしまいます。

それは変化の激しいスタートアップにとっては致命的です。短くするデメリットはせいぜい登記の実務・金銭コスト程度なので、最悪のケースのメリット・デメリットを考慮すると、1-2年ほどの任期に設定しておくことが合理的でしょう。

取締役は会社の成長とともに変化しうる

設立時から全てを予測、計画して会社を設計するのは不可能ですが、会社の成長とともに取締役が変化する可能性があることは念頭においておく必要があります。

創業者持株比率の記事でも書いたように、初期のメンバーが会社の成長とともに取締役の役割に対してベストな存在であり続けられるかは分かりません。

むしろ能力だけでいえば優秀な人は後からの方が入ってくる傾向にあるため、その場合の選択肢を残しておくためにも取締役任期を10年など長くしすぎることは避けましょう。

もちろん揉め事なしに、任期の途中であっても合理的な説明で辞めることを納得してもらえるメンバーと一緒にやることが理想ですし、そういう方を取締役にしたいものではありますが、いざそのポジションが奪われる時にどういった反応をするかは未知数です。

したがって特別な理由がない限りは、設立時は適度な長さの役員(取締役)任期にしておくことがベストだと思います。

まとめ

「スタートアップの適切な役員(取締役)任期」を考えるにあたって重要な観点は以下の3つになります。

  • 設立時の役員任期は2年前後

  • 取締役は会社の成長とともに変化しうる

  • 任期が長すぎると最悪のケースのデメリットが大きい


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