「デザイン思考テスト」 SSランクの取り方 【決定版】
『デザイン思考テストSSランクの取り方(2023年版)』は、2023年8月に販売を開始しました。多くの方に購入いただきありがとうございました。
私が主催する「商社就活カレッジ」のメンバーがこのコンテンツを参考に、「デザイン思考フェス2023」に挑んだところ、4人が全国Top10入りを果たしました!
この度、そのうちの2人の協力を得て、「決定版」としてアップグレードしました。「2023年版」から追加されたコンテンツは以下の3つです。まだ購入されていない方は、途中まで無料で読んだ上で、ぜひご購入ください。また、今回は「2023年版」を上書きする形でアップグレードしましたので、既に購入された方は、引き続き新しいコンテンツ(「決定版」)を読むことができます。ぜひお読みください。
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このコンテンツをご覧になられている方は、「デザイン思考力を伸ばしたい」「デザイン思考テストで高ランクを取りたい」と考えている大学生(特に就活生)や社会人の方が多いと思います。昨今、多くの企業が、新卒採用プロセスや社内研修に「デザイン思考テスト」を導入していますが、『デザイン思考テスト SSランクの取り方』には、そのテストにおける最高ランクの「SSランク(上位1%)」を取るためのヒントがたくさん詰まっています。
もちろん唯一の正解というものはありませんし、これさえ読めばSSランクを獲得できるというものでもありません。しかし、「デザイン思考力」の本質を正しく理解し、自分なりの思考プロセスや学習方法を確立し、正しい努力を継続すれば、必ずや「デザイン思考力」を習得し、テストでSSランクを獲得できると信じています。このコンテンツがその一助になれば幸いです。
前書き
私は、1997年に伊藤忠商事に入社し、22年に亘り一貫して人事畑を歩んできました。2019年に伊藤忠を退社した後、独立起業し、現在は総合商社への就職を目指す就活生の成長・就活支援を行う「商社就活カレッジ」を運営しています。
伊藤忠を退職する直近2年間は、500人規模の営業組織の人事担当として、国内外の営業現場が抱える人事課題を、営業の方とともに解決する仕事をしていました。
現在もそうですが、当時、ビジネスのDX化が一番の課題でした。DX化を簡単に言うと、デジタルやテクノロジーを活用して、既存のビジネスの効率化(コスト・労力・時間の削減など)や新たな価値を創出、さらには新規事業領域における新たなビジネスを創出することを言います。
DX化を推進していく上でぶつかった壁は、DX化を担う人材が圧倒的に不足していたことでした。商社パーソンは、新規顧客を開拓したり、調整役として利害関係を調整したり、語学力や異文化理解力を武器に海外で活躍したり、会社を経営したりすることは得意です。一方で、デジタルやテクノロジーをビジネスに掛け合わせることには慣れていませんでした。
人事担当としてどうしたらDX人材を育成できるか悩んでいた時に出会ったのが、このVISITS Technologies社が開発した「デザイン思考テスト」でした。最初、「創造力や共感力を客観的に数値化するテスト」と聞いて、「本当にそんなことができるのか?」「不可能ではないか?」と正直思いました。同時に、「本当に実現できるのであれば画期的だし、人材育成に十分に活用できる」と感じました。
実際に導入してみて、このテストの信憑性は高く、大変有益であると実感しました。その後のワークショップと合わせて実施することで、高い学習効果が認められました。また、新たな発見もありました。例えば、従来の評価基準において社内で高い評価を得ていた人が、必ずしもテストの結果が高かった訳ではありませんでした。一方で、社内の評価は必ずしも高くなかったが、このテストの結果は抜群に高い人もいました。つまり、今まで求められてきた能力・スキルと、今後求められる能力・スキルは必ずしも一致しないということが分かりました。このテスト結果を踏まえて、求める人材像を再定義したり、現所属部署で必ずしも活躍できていなかった人をDX組織に移動させるなど、人材戦略に活用しました。
答えの無い時代において、「自ら本質的な課題を発見し、解決策を考え出す力」である「デザイン思考力」は、社会人の必須スキルになったと言えます。余談ではありますが、総合商社でこのテストを導入したのは、実は私が一番最初でした。それだけこのテストに強い思い入れを持っています。これらが、今回私がこのコンテンツを作成した動機となります。
皆さんも「デザイン思考力」の重要性を認識し、ぜひ「デザイン思考テスト」に挑戦し、「SSランク」を獲得して欲しいと思います。
なお、このコンテンツの作成にあたっては、「25卒商社就活カレッジ」のメンバーで、「デザイン思考フェス2023」にて全国Top10に入った2人に協力してもらいました。SSランク獲得者の経験に基づくコンテンツは、これからテストを受ける人の役に立つと確信しています。
それでは、まず第一部「デザイン思考とは?」について説明します。
第一部 デザイン思考とは?
(1)「デザイン思考」の概要
「デザイン思考」の本来的な意味は、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉となります。デザイナーは、「目的」を持ち、それを世の中に伝えるための「手段」として様々な作品を創っているため、この思考法は「目的からの逆算思考」と言い換えることができます。
この逆算思考をビジネスやビジネスアイデア創出に転用していこうという考え方が、今回説明する「デザイン思考」です。ビジネスにおける「目的」は、「社会やユーザーのニーズを満たすこと」であり、「手段」は、「ニーズを満たす新たなソリューションを提供すること」です。
「デザイン思考」は、ニーズとソリューションの両方の探索を行うことから、「創造的問題解決のための思考法」と言われることがあります。「創造的」とついているのは、「ニーズや課題の抽出」から始めるからです。
また、デザイン思考は、「0 → 1のビジネスを生み出すための思考法」とも言えます。これは、従来型の課題解決プロセスが、課題という「負」を解決する意味で「-1 → 0」と表されるのに対し、「ニーズや課題の抽出」から始まり、それに対する新規ソリューション創出を行うという意味で「0→1」と表すことができるためです。
「デザイン思考」のステップは、「共感 → 問題定義 → 創造 → プロトタイプ → テスト」となります。ポイントは、「共感」から始まる点です。「デザイン思考は創造的問題解決のための思考法」であるため、自分で問題を定義しなければなりません。問題を定義する際に重要となるのが「共感力」です。ペルソナ(商品やサービスの架空のユーザー像)とシーンを解像度高くイメージし、ペルソナの気持ちになりきり、深く共感することで初めて「潜在ニーズ」に気づくことができます。
また、街を歩く際にも、実際にペルソナとなるユーザーの行動を観察し、観察を通じてペルソナの気持ちに共感していくことも有効です。このように、ペルソナへの共感を通じて解くべき問題を定義し、その問題を解決するソリューションを創造するというステップで進めていきます。
「デザイン思考」は、0→1のビジネスを作ること、つまり「新しい市場を創る」ことです。市場が存在するのは、「人々がサービスを利用するから」です。人々がサービスを利用するのは、「そのサービスを使うことで、人々の心が動くから」です。人々の心が動くのは、「そのサービスの創る世界観や提供する体験に対して共感・感動するから」です。つまり、人々が共感する世界観や感動する体験を創れば、人々の心が動き、利用され、新しい市場が生まれることになります。他者への共感により、サービスの作り手がユーザーの共感・感動体験を解像度高く、自分ごととしてイメージできれば、ユーザーの心を掴むサービスをデザインできるようになります。デザイン思考で新しい市場を生み出すことができるのは、徹底的に「共感」にこだわっているからこそなのです。
ここまで「共感」というキーワードが多く登場したように、「デザイン思考」を行う上で「共感力」を高めることが重要なステップになります。
この「共感力」を高める方法として「観察型アプローチ」と「5W1Hフレームワーク」の二つの方法が存在します。
前者のアプローチはその名の通り、街行く人々を観察して自分がその人の身になったつもりで「今の自分ならこういうニーズを抱くだろうな」と思考を張り巡らせる方法のことを指します。確かにこの観察型アプローチは、実際に近くまで行って人の表情や行動から「共感」を予想するため、「共感力」を高める一つの方法にはなり得ます。しかし、このアプローチで観察できる人間やシーンはごく一部に限られるため、さらに多くのニーズを探すのには限界があります。例えば、会社員の会社内でのニーズを考えるためにはその会社に入らなければ観察できないため、ニーズを直接捉えることは不可能です。
この問題を解決するのが後者の「5W1Hフレームワーク」です。このフレームワークは自ら仮想体験をイメージすることで共感体験を作り出すアプローチになります。「who、where、when」のペルソナやシーンのキーワードを組み合わせることで「観察できない世の中の困りごと全体」に対して思考を張り巡らせることになり、より多くの「共感」を考えられるようになります。「デザイン思考」ではこの「5W1Hフレームワーク」を使って「共感力」を高めていきます。
(2)「デザイン思考テスト」とは?
■「デザイン思考テスト」の概要
「デザイン思考テスト」とはどのようなテストでしょうか?このテストを開発したVISITS Technologies社の説明は以下の通りです。
なお、VISITS Technologies社の会社概要は以下となります。
これまで「デザイン思考力」とはどのような思考法なのかを紹介してきましたが、その「デザイン思考力」を測定するのが「デザイン思考テスト」です。テストでは前述した「5W1Hフレームワーク」を基本とした「創造セッション」と「評価セッション」の二部構成となっています。
「創造セッション」では、ランダムに表示されるWho、Where、Whenの選択肢から自由にキーワードを組み合わせてペルソナとシーンを設定し、そこからペルソナが抱くであろうニーズ(Why)を文章にして入力します。その上で、ランダムに与えられるシーズ(What = 技術やアセット)の選択肢を組み合わせてソリューション(How)を文章にして入力します。これを30分続けていきます。
「評価セッション」では、受検者が出したアイデアを相互評価します。評価の基準はニーズとソリューションでそれぞれ分かれています。ニーズに関しては「共感できるか」「まだ未解決のものか」、ソリューションに関しては「新規性の高いものか」「実現性の高いものか」の計4つの観点で評価していきます。このテストを通じて、自らの立ち位置を理解することができます。また、結果を今後の「デザイン思考力」の向上に繋げていくことができます。こちらの所要時間も30分です。
■ スコアの構成
スコアは、「創造力スコア(計200点)」「評価力スコア(計200点)」、そしてそれらを合計した「デザイン思考スコア(合計400点)」の3つから構成されています。
「創造力スコア(計200点)」はさらに、「ニーズ発見力スコア(100点)」「ソリューション創出力スコア(100点)」に分かれます。
「評価力スコア(計200点)」は同様に、「ニーズ評価力スコア(100点)」「ソリューション評価力スコア(100点)」に分かれます。
■テスト結果
結果については、以下のように、7段階ランクとなっています。SSランク(上位1%以内)、Sランク(上位5%以内)を目指していくと良いでしょう。
結果は、以下のような形でフィードバックされます。
■ 受験方法
「デザイン思考テスト」は、頻繁に公開テストが実施されています。時間は90分でオンラインでの受検となります。費用は4,950円です。
また、無料で受検できる機会もあります。例えば以下です。情報は日々更新されていくので、自身でアンテナを張って情報収集して下さい。
https://job.career-tasu.jp/special/design-thinking-test/
具体的な受検方法については、オフィシャルのチュートリアルがありますので、そちらをご覧ください。
■ 学習方法
「デザイン思考テスト」を開発したVisits Technologies社は、オフィシャルなトレーニーングツール「5d」を無料で開放していました。投稿数や評価によってポイントが付与され、ランキングが公開されていましたので、毎日楽しみながらコツコツと学習することが可能でした。
しかし、残念ながら2024年4月に本サービスが終了しました。その代わりとして、本コンテンツにてトレーニングツールを皆さんに提供します。第五部を参照ください。
(3)「デザイン思考」が企業に注目されるようになったきっかけ
では、なぜこの「デザイン思考」が企業の注目を集めているのでしょうか。
実際、「デザイン思考テスト」は2019年7月にサービスを開始しましたが、2023年6月に累計受験者が30万人を突破しました。右肩あがりに受検者が増加しており、将来に亘って増加し続けることが予想されます。
VISITS Techonogies社は、受検者増加の背景として以下の通り説明しています。
また、企業もこのテストの価値に注目しており、さまざまな業界のリーディングカンパニーが、「Supporting Parter」として、この「デザイン思考テスト」の価値に共感し、支援しています。
さらに、毎年「デザイン思考フェス」が開催され、新卒採用のプロセスに、このテストを取り入れている企業も増加しています。
では、なぜこれだけ「デザイン思考」が注目され、なぜこれだけ「デザイン思考テスト」の受検者数が増加しているのでしょうか?
現代は、科学技術の発達やマーケットにおける競争の激化により、ただ単に商品・サービスをつくるだけでは、ビジネスで成功することができません。そのため、顧客の視点に立ち、顧客が必要としているものを提供することが求められます。この過程で、「デザイン思考」が必要とされているのです。
また、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー策定)の観点からもデザイン思考の考え方が求められています。下の図は企業におけるMVV策定のプロセスを表した図になります。
この図からもわかるように、企業はまず社員やその先にいる顧客の共感を呼ぶようなビジョン(Why)を決めなければなりません。もし明確なビジョン(企業のありたい姿)を決めないまま企業活動が進んでしまうと、社員は「自分は今何のために動いているのか」という疑問を抱くようになり、高いモチベーションを持って行動することができなくなります。逆に、ビジョンが明確で、そのビジョンが社員や顧客の共感を呼ぶようなものであれば、それを実現するためのミッション(WhatやHow)に対しても共感して動いてくれるようになります。このような思考プロセスはまさにデザイン思考の考え方と重なっているため、多くの企業がデザイン思考テストの導入に乗り出しているのです。
以上の理由から、デザイン思考について理解し、その力を身に付けることは、就活の選考対策としてだけでなく、入社後に活躍するためにも役立つと言えます。
それでは、「第二部 デザイン思考テストのSSランクの取り方」の説明に移っていきましょう。
第二部 デザイン思考テストのSSランクの取り方
第一章 創造セッション
(1)創造セッションの概要
「デザイン思考テスト」は、「創造セッション」と「評価セッション」の2つのセッションに分かれています。テスト全体のスコアは、「デザイン思考スコア」と呼ばれ、合計400点満点です。「デザイン思考スコア」は「創造力スコア」と「評価力スコア」で構成されており、各200点満点です。そのうち、「創造力スコア」は、「ニーズ発見力スコア」と「ソリューション創出力スコア」の2つで構成され、各100点満点です。
(2)ニーズ発見力
まず、「創造セッション」の一つ目である「ニーズ発見力」について説明します。「ニーズ発見力」は2つのフェーズに分かれます。
① シチュエーションの選択(Who / Where / When の選択)
第1フェーズは、シチュエーションを選択するフェーズです。「Who 誰が」「Where どこで」「When いつ」の3つの項目において、各項目5つの選択肢が与えられます。計125個の組み合わせの中から自分の好きなシチュエーションを選択します。
下図の通り、各項目の選択肢の前には必ず、「承認欲求の高い」「息苦しい」「静かに」といった修飾語がつきます。修飾語は、「Who」の中で一つ、「Where」の中で一つ、「When」の中で一つ与えられ、固定された状態でテストに登場します。つまり修飾語は選択肢に入らず、受検者が選択するのは、その修飾語の先の名詞になります。
② Why(Whoの叶えたい願望)の入力
第2フェーズは、選択肢したシチュエーションをもとに、Why(Whoの叶えたい願望)を、自分で考えて文章を打ち込むフェーズです。
第1フェーズで選択したシチュエーション(Who / Where / When)が以下の内容だった場合、Whoである「病人」のニーズを汲み取り、そのニーズを「〇〇したい、〇〇が欲しい」という書き方で入力します。字数は、20〜120字です。
ちなみに、Whyは「なぜするのか?」という意味なので、願望やニーズとの関係性が分かりにくいかもしれません。「デザイン思考テスト」では、Whyとニーズを「なぜするのか?(Why)」→「なぜなら〜したいから(ニーズ)」という表裏一体の関係と整理し、Whyとニーズを同義語として扱っています。このコンテンツでは、「Why」「願望」「ニーズ」を同じ意味で使います。
(3)ソリューション創出力
次にこれらのニーズを解決する方法を考えていきます。「ソリューション創出力」も2つのフェーズに分かれます。
① シーズ(技術やデータ)の選択(Whatの選択)
第1フェーズは、シーズ(技術やデータ)の選択です。まず、「How 願望を解決するアイデア」を入力する前に、「Whatの選択肢」の画面が登場します。その画面では、願望を解決するアイデアに使用する技術・データを選択します。具体的には以下のような選択肢(「何を」と「どうする技術・データ」の選択肢がそれぞれ5つ)が登場し、自分の解決方法に一番近い技術・データを選択することになります。のちほど説明しますが、この「What」の画面は「How」を入力する画面と同画面であるため、「How」を入力した後からでも再び選択し直すことが可能です。
② 願望を解決するアイデアの入力(Howの入力)
次に、What(何を)を選択した上で、最後にHow(ニーズを解決する方法やアイデア)を具体的に入力します。字数は、20〜120字です。このコンテンツでは、「How」と「ソリューション」を同じ意味で使います。
「What」と「How」は、同じ画面の中での操作になるため、選択や入力の順番が前後しても問題ありません。順番通り(What → How)に回答してしまうと、選択肢に縛られて良いアイデアが思い浮かばず、時間ばかりが過ぎてしまうこともあります。そこでつまずいて時間がかかってしまうぐらいなら、まずは「How」を入力して、その後に自分が書いたアイデアに最も近い「what」を選択するというプロセスをおすすめします。
「ニーズ発見力」と「ソリューション創出力」のそれぞれ2つのフェーズ(計4つのフェーズ)を終えて、ようやく一問を解答したことになります。
一つの解答が終わると、次も先ほどと同様に「Who 誰が」「Where どこで」「When いつ」の選択肢の中から自分の好きなシチュエーションを選択する画面に移ります。ただ、選択肢の内容は先ほどとは変わり、新たな選択肢の中から選択することになります。
つまり、「創造セッション」では、1問ごとに【5×5×5 = 125通り】のシチュエーションを見極め、「Why(Whoの叶えたい願望)を入力し、【5×5 = 25通り】の「What(シーズ:技術・データ)」を見極め、「How(願望を解決するアイデア)」を入力するという作業を延々と続けることになります。解答時間30分の中で頭をフルに回転させて答え続けることになるため、非常にスピーディーに回答する必要があります。
さらに、これらの回答は次の「評価セッション」で他の受検者に評価されるため、質の高い解答も求められます。テストのインストラクションにも「アイデアの質と量の両方が大事」との記載があります。
のちの「評価セッション」で詳しく説明しますが、「評価セッション」では、他のテスト受検者が「創造セッション」で作成したアイデアを評価することになります。
以下の4つの質問がワンセットとなっており、これを40問繰り返します。
「評価セッション」にて、他の受検者から高い評価を得られるよう、上記4つの質問を念頭におき、できるだけ質の高い回答を数多く行うことが高スコア獲得につながっていきます。
(4)質の高い回答を数多くする秘訣
「デザイン思考テスト」の「創造セッション」では、アイデア(「ニーズ」と「ソリューション」)において「質」と「量」の両方が求められます。アイデアを創出する方法に正解はありませんが、SSランクを獲得した複数の受検者の秘訣を以下の通り整理しました。ニーズに関するものが3つ、ソリューションに関するものが3つ、共通するものが1つあります。ぜひ実践し、自分に合う方法を見つけて下さい。
【ポイント①】Whoのニーズをリスト化する
ニーズを考える際、「Who」「Where」「When」 の中で一番大事なのは「Who」です。したがって、あらかじめ代表的な「Who」を想定し、「Who」ごとに代表的なニーズをリスト化しておくことをおすすめします。
例えば「保育士」であれば「子供の安全を見守りたい」「自分自身も休憩したい」「給料を上げたい」「子供の生活や行動を正確に親に伝えたい」といったニーズが想定されます。これらのニーズを事前にリスト化しておき、本番では状況に合わせてそのストックの引き出しを適切に繋げていくという作業を行うと効率的に回答することができます。
想定される「Who」の一覧を以下に記しますので、ぜひ活用して下さい。テスト本番に向けて、これをベースに自分自身のリストを作っていきましょう。
【ポイント②】 Whoに共感する
「創造セッション」は2つのフェーズに分かれています。第1フェーズでは「who」「when」「where」を5つの選択肢の中から1つずつ選択しますが、次のように考えていくと、Whoに共感したWhy(Whoの叶えたい願望=ニーズ)が思い浮かんできます。
まず、主語である「who」に意識を置きましょう。「デザイン思考テスト」で多くの受検者が最初に陥る穴として、「選択肢が多すぎてどれを選択すればよいか分からない」ということがあります。実際、第1フェーズでの選択肢は以下のように【5×5×5=125通り】もあります。
これらの選択肢に対し、一つひとつ組み合わせて考えてしまうと時間がかかりすぎてしまいます。そのため、まず最初に、自分にとってアイデアが浮かびやすそうな「Who」から決めていきましょう。
はじめに5つの主語を軽く眺めながら、主語ごとにどんなニーズがあるかを考えていきます。修飾語を踏まえた回答は、「評価セッション」で高い評価を得るために重要ではありますが、ここでは一旦無視してください。例題では、「他人より優位に立ちたい」という修飾語がついていますが、「他人より優位に立ちたい高齢者」や「他人より優位に立ちたい救急救命士」といった人たちが存在する場面などを最初から考えてしまうと、状況がかなり制限されてしまい、それだけで思考が狭くなってしまいます。ニーズを入力する段階で後から修飾語に沿った状況を作り出すことは可能です。そのため、その後の思考を楽にするためにも一旦、修飾語に関しては無視して主語のニーズを考えていきましょう。以降の「Where」「When」についても同様に一旦修飾語を無視して考えることをおすすめします。
軽く目を通して考える中で、多くのニーズが思いついた「Who」を2つに絞ります。ここで「Who」を1つに絞っても良いのですが、1つに絞ってしまうと他の選択肢である「Where」と「When」の中で主語に合いそうな選択肢が残っていない場合もあるため、余裕を持って2つで考えることをおすすめします。
次に、「Where」の選択肢の中で主語に合いそうな選択肢を照らし合わせます。例えば、先ほど2つに絞った主語が〈高齢者〉と〈救急救命士〉で、「Where」の選択肢が〈レストラン〉〈ビーチ〉〈温泉〉〈堤防〉〈居酒屋〉の場合、「Where」(よく使いそうな場所 or よく居そうな場所)は下図の通りとなります。
「Where」については、「堤防」が良さそうだと感じた場合、その堤防がどんな堤防なのかイメージを膨らませていきましょう。例えば、「多くの子供達が遊ぶ海の堤防」といった言葉を添えます。
ここで一回、以下のような仮のニーズを設定しました。
最後に「When」についてですが、「When」は仮のニーズに最もマッチする選択肢を選択しましょう。上の例題の場合、「When」の選択肢は、ずっと
〈操作している時〉〈会話している時〉〈売っている時〉〈買い物している時〉〈掃除している時〉であるため、パトロールに最も近い〈操作している時〉という選択肢を選択します。
また、先ほど修飾語を一旦無視して考えると良いとお伝えしましたが、このタイミングで、修飾語を文章の中にうまく組み込んでいきましょう。オフィシャルに発表されているインストラクションには、修飾語に関して以下の記述があります。
例えば「Where」の前に「味気ない」という修飾語がついているため、「人気の少ない」という言葉を組み込んでいきます。
同様に「Who」の修飾語「他人より優位に立ちたい」に対して「競争意識が高い」という言葉を、「When」の修飾語「ずっと」に対して「昼休憩も惜しんで」という言葉を組み込んでいきます。
修飾語に対して完璧な状況を作り上げる必要はありませんが(むしろ修飾語に合わせすぎると思考時間が多くかかってしまうのでおすすめしません)、上の文章のように組み込んでいくと多くの受検者から高評価を得る可能性が高くなります。
このような手順で考えた結果、最終的にこのシチュエーションにおけるWhy(Whoの叶えたい願望)は、以下の通りになりました。具体的な情景が浮かんできましたか?
ここまで考えてきた思考のプロセスを図に表すと、以下のフローチャートになります。この思考を無意識に出来るようになると、スムーズ且つ適切に選択肢を組み合わせることが可能となりますので、ぜひ活用してみてください。
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