ヤフトピ5本掲載、大物を独自取材… メジャーリーグ記者のシゴトの裏側
THE ANSWER編集部のnote担当のヨコタです。
今回は、先月MLBを現地取材した編集部員Hさんの1日のスケジュールを紹介していきます。
プレーオフ進出争い真っ只中のドジャースに18日間密着。大谷翔平投手の「50-50(50本塁打-50盗塁)」など歴史に残る瞬間を数々目撃し、Yahoo!ニュースのトピックスを5本生み出したHさんの取材の裏側を公開します。
■1日のスケジュール
8:00~9:00 起床
スーパーで仕入れた朝ごはんを食べつつ、まずは配信されている自社の原稿を確認しています
その後は他媒体が出しているドジャースの記事を検索し、どんな内容の記事が出ているか確認しています。
13:00 昼食
物価が高いので日本から持っていた食品で昼食を済ませます。
14:00 ホテル出発
基本的に球場までの移動時間が10分程度のホテルに泊まっていて、試合の5時間前には到着できるように移動します。
14:10 球場入り
練習などを見ています。パドレス戦では大谷選手が相手のダルビッシュ選手や松井裕樹選手と交流するなど、球場内のさまざまな動きに目をこらします。
16:00 監督の試合前会見
大体この時間ぐらいになると監督の会見が始まるので準備します。
17:00 スタンド取材
観客が入場するタイミングでスタンドを回り、独自原稿を出せるように取材をします。
18:30 夕食
メディアダイニングで日替わりメニューを購入し夕食をとります。バイキング形式が多かったので、夜中までお腹が空かないようにしこたま食べます。ちなみにドジャースタジアムはアイス食べ放題でした。
19:10 試合開始
22:00 試合終了
試合終了後、囲み取材へ。追い出されることはないので、基本は球場内で原稿を書き上げてました。
00:00 ホテル到着
01:00 就寝
ここからは実際note担当ヨコタがHさんに直撃取材!
ぶっちゃけどうなの?こういうところ不安じゃない?などを色々聞いてみました。
note担当ヨコタ:
「帰国早々、お呼び立てしてすみません。お土産もたくさんありがとうございました。本物のボブルヘッド、興奮しました……」
編集部員H:
「いえいえ、ボブルヘッドは誰でも貰えるんですけどね(笑)。折角なのでなんでも聞いてください」
note担当ヨコタ:
「ありがとうございます! ではどんどん質問させていただきます」
■現地取材で感じたwebメディアの強みって?
note担当ヨコタ:
「早速ですが、MLB取材を経験して、THE ANSWERだからできたことは何でしたか?」
編集部員H:
「自由な取材ですね。自分がこんな取材をしようと考えていたものはありましたが、実際に行ってみて面白いなと思ったことを取材できました」
note担当ヨコタ:
「たしかに独自取材を多くされていましたよね。ちなみに一番印象に残ったものは?」
編集部員H:
「ファンエリアにいた半身麻痺で車いす生活を送っているアメリカの大学生を取材した原稿ですかね。ロバーツ監督やベッツ選手が立ち止まって話していて『なにかあの子は特別扱いされているな』と気づいたんです。取材しようと追いかけて一度は見失ったんですが、なんとか発見し話を聞くことができました。これは日本で取材してきたことが生きたことでもありました」
note担当ヨコタ:
「と言いますと?」
編集部員H:
「スポーツ紙では、若手の登竜門として“スタンド取材”をするんです。その時には、上司に言われた狙い通りのネタだけでなく、それが外れた時のために面白い話を聞いてくるというのを必ずやっていました。こういったお客さんからエピソードを引き出すというのは日本で取材したのが生きたかなと思います。独自性を出したくて、敢えて大谷選手のホームランボールを逃した人も取材しました」
note担当ヨコタ:
「Yahoo!ニュースのトピックスにも記事が取り上げられ、その中にはドジャースの試合を観戦に訪れていた車いすテニスの国枝慎吾さんへの独自取材記事もありましたね」
編集部員H:
「Webメディアには行数制限がありません。国枝さんが良いお話をたくさんしてくださり、すべて伝えられたことで、ヤフトピに行ったのかもしれませんね。試合後のタイミングですぐに掲載できたことも要因の一つかもしれません」
note担当ヨコタ:
「Webメディアならではのスピード感なんですね」
編集部員H:
「面白ければなんでもありな媒体だからこそです」
note担当ヨコタ:
「なるほど。逆に、現地で感じた課題は?」
編集部員H:
「圧倒的に足りないのは継続取材ですかね。これまでもMLBに記者を派遣していますが、実績はまだまだ。でも、これは今後作っていくものなので、THE ANSWERに新しく入って来る人が悲観することではないですし、その実績が欲しければ自分で手に入れられる環境だと思います」
■MLB取材は英語がないと無理なんじゃ…
note担当ヨコタ:
「そういえば、Hさんは英語が大得意、というわけではないと思うのですが、現地で取材する際はどうしていたんですか?」
編集部員H:
「事前に考えた質問を英語でノートに書いておいて、それをひたすら聞いていました。聞きとるのは正直あまりできなかったんですが、重複してもいいのでとにかく考えた質問をしていました」
note担当ヨコタ:
「ちなみに英語の資格は……?」
編集部員H:
「高校1年生のときに、英検準2級に落ちました! なので、持ってもいません(笑)。ただ、大学生の時にバックパッカーで海外を回っていたので、意思はなんとか伝えることはできるレベルだと思います」
note担当ヨコタ:
「なるほど。ちなみに日本とアメリカのお客さんの違いはありましたか?」
編集部員H:
「アメリカでは、お客さんの警戒心は低いと感じました。日本のメディアと伝えると気分よく答えてくれたんです。アメリカの方の取材はしやすかったと思います」
note担当ヨコタ:
「選手はどうでしたか?」
編集部員H:
「スーパースターでもしっかり話してくれました! 日本では親密な関係にないとなかなか話してもらえない選手もいると思うんですが、MLBだと一見さんに対してもちゃんと対応してくれます。メディアの取材に応じることも契約に入っていると聞きますよね」
note担当ヨコタ:
「そうなんですね! MLBは全体的に取材しやすい環境があるということですね」
■番外編
note担当ヨコタ:
「ここからはこぼれ話も聞きたいのですが……。取材のマストアイテムってありますか?」
編集部員H:
「ペン、ノート、パソコン、カメラ。これは日本の時と変わりません。でも持っていけば良かったと思うものはあったんです。1つは自撮り棒。大谷選手の囲みの人数が多すぎて……(笑)。音声を録音するために手を伸ばすのが大変なんです。あとは、スマホがもう1台あっても良かったですね。録音用と写真撮影用に2台あったほうが便利だと思いました」
note担当ヨコタ:
「まさかの自撮り棒! たしかに記者たちが自撮り棒を必死に伸ばしている画像を見たことがあります。大谷選手を取材した印象はどうでしたか?」
編集部員H:
「聞かれたことにしっかり答え、無駄なことは言わない印象でした。そしてデカい。自分の3倍ぐらいある気がしました」
note担当ヨコタ:
「実際に見ると、より大きいんですね。ちなみに、アメリカで取材する日々で何かアクシデント的なものはありましたか?」
編集部員H:
「ありましたよ! 日本からアトランタに到着した日の夜、ホテルでチェックインをして鍵を受け取ったんです。そして部屋へ向かいドアを開けた瞬間……ラブラドールレトリーバーが飛び出してきたんです!! 女の人が出てきて『私の部屋よ!』と叫ばれ驚きました。ホテル側のミスだったんですが、初日からヘトヘトでした(笑)」
note担当ヨコタ:
「大変でしたね……」
編集部員H:
「残りの滞在期間が不安になりました」
note担当ヨコタ:
「無事帰国されてなによりです。本日も赤裸々に語ってくださってありがとうございました」
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