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ワルになり切れないの。

 その後「王様ランキング」は見ています。
 
 なんだか、物語の最初に悪役か?と思われた人たちがことごとく「いい人」っぽい感じになっています。これが「今風」ってことなのかな。
 まあ、確かに人には2面性があって、良いところもあれば悪いところもあるってなもんかもしれませんけど、ある種の「エクスキューズ」みたいに見えて若干モヤっとします。

 随分前にですけど、昼ドラの再放送にはまったことがあって。ひたすら週刊予約で録画して毎日見ていました。それは花登筺シリーズで、あんまりにも話の引っ張り方が巧みで、面白すぎたんですが。

 それが、悪いやつはホントにトコトン悪くて意地悪で人でなしなんです。

 そこらへん、なんか突き抜けてて容赦ないっていうか。やっぱ戦中戦後を生き抜いてきた人は違うな、って…なんだかつくづく思いました。

 先だって「日本沈没」とかテレビでやってて、久々にドラマを地上波で見たんですけど。けっこう中途半端な終わり方で、最悪の事態は免れる。って話でした。
 そんなわけなので、昭和版の藤岡弘とか出てる「日本沈没」が傑作であった的な感想がネットであふれたりしています。ちなみに昭和版の方はアマプラで普通に見れます。私も見ることは見たんですけど。

 ぶっちゃけ、ドラマ的にはどうなの?っていうか、いしだあゆみ何考えてるかわからない変な女の人でした。映画っていう時間的な制約もあるのかもですけど、これを良いって言ってる人は昭和バイアスの「昔は良かった」感がひどすぎです(笑)

 ただ、ここにも昭和の人の容赦ない感はありました。 

 コレの最たるものが「日本の一番長い日」って映画です。これは、昭和版と平成版のがあって、昭和版は三船敏郎とか出てるやつで、平成版が松坂桃李とかが出ています。

 もう、平成版のへなちょこが最たる感じです。もう軍人が軍人に見えない。昭和版の方は軍人と文官のキャラがそれぞれに際立ってて、どちらもものすごくリアルでした。
 当然内容も容赦なくリアルです。三船敏郎の腹を掻っ切る場面って言うのはもう、鬼気迫って凄いとしか言いようがない。

 悪い奴は徹底的に信念でワルを貫いてほしいし、自分のした悪事に責任を持ってほしいって気がします。こんな「事情」があるから「情状酌量」してほしい、って感じのストーリーって言うのは、なんだか脱力してしまう。

 なのにその割には、世の中で起きる実際の「悪事」には極刑を願う人が多いってんですから、なんだかおかしい気がするなあ…。

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