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「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #5「タリ族の衣服へ~現在」

「タリ族の衣服へ~現在」

 丹波の自然豊かな土地で、畑仕事をしたり植物を採集して布づくりをしたりという生活にこれまでにない喜びを感じていたタリは、ようやく自分が「タリ族」を目指しているのだということに気が付いた。(詳細はnote『tari textile BOOK 後編』https://note.com/the_taris/m/m4a62894c80f6参照)
 
 これまでの自身の服にまつわるあれこれも、タリ族の衣文化の歴史だったのだ。
 
 現代に生きる少数民族である「タリ族」は、衣生活においても独自の文化を持っている。それはいわゆる世間の流行やトレンド、美の価値観とは少し違うかもしれないが、そんなことはタリ族にとっては問題ではない。むしろもともとそのような概念がないのかもしれない。自然の中で、毎日の生活を自分なりに充実させることに喜びを感じるタリ族は、衣文化においても日々探求を重ねていたのだ。
 
 そう自覚してから、ますます独自の服作りに夢中になっていったタリ。
 
 その後は自作の草木染めTシャツに独特の刺繡を施したり、手紡ぎ手織りの自身の布作品を服飾に取り入れてみたり、また隣の地域で生産されている生地(播州織)でシャツを作り始めたり、感性の赴くままに着たい服を作り続けている。
 
 さらに最近では、自分が着たいと思う服を作り自分が着るということに加えて、自分が作った服を着たいと思ってくれる人、その服がぴったりくる人との出会いにも期待している。作った服がほかの人々と出会い、自分の頭の中のイメージを超えるような働きをしてくれることも服作りの楽しみになっている。
 
 タリは今後も、様々な人や多文化との交流を続けつつ、服に対する自身の価値観やこだわりを大切にし、着心地の良い、繰り返し着ることで何か安心感やわくわくを感じられるような衣服を探求していくことだろう。
 


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