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遺書その8~半月板断裂~
私は、小学生の頃からサッカーをしていた。小・中・高とサッカーをしていたが、足も遅く、パワーもなく競り合いも弱く、全然上手ではなかった。大学生になり、部活としてサッカー部に入るか、サークルに所属するかの選択肢があったが、楽しくわいわいちゃらちゃら続けられれば良いや、と私はフットサルサークルに所属した。ちゃらちゃらと金曜の5時間目が終わった後に体育館を借りて活動していただけだったので、ある日そのサークルは大会実績がまったくないからと、大学の事務局から活動停止をくらってしまった。
まあしょうがないか・・・とその後は、たまたま声がかかったフットサルやサッカーに参加する程度で、サッカー熱・フットサル熱はどんどん冷めていった。
ある日、私は仕事がうまくいかず、鬱になり1日4回ぐらいお風呂に入り、1日5回ぐらいベランダで煙草を吸い、何も食べない・・・みたいな最悪な生活をしていた。
抗うつ剤や睡眠薬を服用し、少しずつ外に出られるようになり、私は、個人参加フットサル「個サル」に参加することにした。部活で一緒にサッカーをやっていた友達に「サッカーやらない?」など誘われたりすると、鬱でコミュニケーションなんて誰ともとりたくなかった私にとっては都合が悪かったが、個サルは、その日にその場に集まった人とランダムでチームを組んで、終わったら「はいさよなら」。コミュニケーションをとる必要もなく、コミュニケーションをとりたくない私には非常に都合が良かった。
はじめはついていくので精一杯で、自己嫌悪や悔しさでいっぱい。しかし、続けていくと次第に身体がキレてきて、鬱の私にも楽しいと思える瞬間があった。
私はコミュニケーションの必要がない個サルの手軽さにのめり込み、毎週のように通った。そして、鬱が軽減し復職をしても、週末は個サルに行くことでストレスを解消することが多かった。
そして、今年のこと。
私は、フットサルの後、右膝が痛くてどうしようもなくなり、その日の午後予約していた歯医者の後、たまたま近くにあった整骨院に駆け込む。鵞足炎と診断され、姿勢の悪さも指摘される。
私は骨の状態も知りたく、整形外科も受診。膝のクッションの機能が衰え、骨の先端がささくれのように尖ってしまっていることをレントゲン写真から知る。これはもうどうしようもなく、炎症が起きやすいのは仕方がない。炎症が起きにくい身体をつくっていくしかない、という結論が出る。その後、整骨院にも通い、また整形外科で炎症止めの注射を打ち、薬をもらい、約2ヶ月。
行けそう!
私は、個サルに行く。久々なのですぐにバテるが動ける。次の日も痛くない。一番にして唯一の趣味であるフットサルができず、もやもやしていた気持ちが久々に晴れた。
仕事でのストレスはどんどんたまる。私は次の週も個サルに行く。
楽しかった。
その日の午後・・・あれ、左膝が痛い。
次の日私は、整形外科に行く。レントゲンをとってもらうと、「右膝と違って左は骨はきれいですよ。炎症が治まるまで様子を見ましょう」と言われる。毎日炎症止めを飲み、湿布を貼ってサポーターをしていたのだが、痛みは引かず、私の左膝は1歩1歩歩く度にポキポキとなるようになった。とんでもない違和感。歩く度にポキポキとなる。仕事がある日は10000歩以上は歩いているので、5000回は自分の膝が鳴るのを聞いているのである。
次の週、結局痛みは引かなかったので私はまた整形外科に行く。ポキポキのことを伝えると、骨はきれいなので、考えられるのは半月板。半月板はレントゲンでは分からないので、とMRIが受診できる病院を紹介される。そこに行き、MRIを受け、1週間後、整形外科に結果を聞きに行く。
半月板断裂2ヶ所
その3週間後、私は仕事に行けなくなる。
1番の原因は私と仕事との関係なのだが、膝の件も追い打ちとなったように思う。
私は現在鬱で休職をしているが、1番の趣味・暇潰しを奪われてしまった。楽しいと思えること、何だろう・・・。
最後まで読んでいただきありがとうございます!