鳴潮リリースを踏まえて: 原神に未来はあるのか
結論から言えば、現状を見る限りはもう原神に未来はないと考えています。
先月(2024/05)に鳴潮というゲームが登場したので遊んでみたところ、なんと徹夜するほど面白かった。
そんな鳴潮は、ここ最近始めたゲームの中では一番期待値が大きいです。
そういう訳で、新規ゲーム開拓に伴い原神を引退するか迷う自分なりに原神の現状を一度纏めてみようと、そう考えました。
原神に関してはもう4年も前のゲームですから、所々ガタが来ているものの仕方ないという事で騙し騙し続けてきました。
しかし、鳴潮のプレイによってようやく目が覚め引退を検討する流れとなりました。今回はそんな話をします。
注意) 実資料の引用を伴わない主観的な表現を含みます。
我々は共に"ARPG"というカテゴリに分類されるそうだ 鳴潮と… 原神がだぞ?
原神と鳴潮はともにARPG(Action RPG)というカテゴリに属します。要するにアクションゲームかつRPGというわけです。簡単ですね。
ざっくりこの2つのゲームの情報を出すと以下のようなものになります。
・原神 - 2020/9 リリース、 エンジン: Unity
現在著名な崩壊スターレイル(UE4, 2023)と開発を同じとする。
・鳴潮 - 2024/5 リリース、エンジン: UE4
同社開発のゲームで有名なものはバニシング:グレイレイヴンなど
しかしこれら2つのゲームにはクオリティ面で天地ほどの差があると僕は考えています。
4年も間が空いているので当然とは言えますが、それでもどうしようもない差があります。
しかし2つを比べるだけでは単なるネガキャンになってしまうのでそれぞれの長所短所という点で比べてみようかと思いました。
原神
Pros/ ダイナミックな高低差を持つ広大なマップ
グラフィックに関しては一見するとゼルダの伝説: ブレスオブザワイルドに近いように思える。
巨大な山岳や大海原などダイナミックな地形には圧倒される。
世界全体の大きさは海外プレイヤーが考察し示唆したように非常に広大で、どのような広さになるかは想像もつかない。実装待ちマップに思いを馳せるプレイヤーも多いことだろう。
最新のマップでは、地を駆け、海中を泳ぎ、空を飛ぶなど広大なマップを活かした3次元的な動きを最大限活用した探索が可能。
Pros/ 鮮やかで美しいVFX
アクションといえばド派手なエフェクト(≒視覚効果、VFX)が見ものであるが、この作品では各属性の色に基づくカラフルかつキャラクター毎に違う印象を受けるような美しいVFXが用意されている。必殺技とも言える「元素爆発」に関していえば特に目を見張るようなエフェクトが用意されているものもあり、見ていて飽きない。
Pros/ 魅力的なキャラクターデザイン
バージョンアップ毎に小出しにされているキャラクター達は続々とプレイアブル化されており、ストーリーで登場しただけのキャラクターでさえデザインはかなり凝っていることが伺える。見た目が出た段階でプレイアブル化が待望されているキャラクターも多い。
個別のキャラクターにも出自や固有のストーリーから人物像を垣間見る事も可能で、作り込みの細かさを感じる。
Pros/ 拘られた世界観
ゲーム細部のフレーバーテキストにまで世界観の一部や考察に使える情報が散りばめられており、一見普通に見えるサイドクエストのNPCが語る内容ですらその世界の核心に迫る内容が紛れ込んでいる事があり、深く考察したリできる等、拘られた世界観の存在が伺える。
また、同社開発の崩壊シリーズとの繋がりも考えれば難解だが同時に面白さも感じられ、そのような事情からメインストーリーの続編を待ち望む声もある。
実際に筆者は更新を待ち望んでいるプレイヤーの一人であった。
Pros/ 手の込んだイベント
多彩なミニゲームやマルチプレイを前提としたイベントが定期的にやってくる。世界観の一部として用意されたイベント(海灯祭)等もあり、単なるイベント以上の意味を持つものも多い(※逆に、期間限定でのみ展開されるストーリーは如何なものかという意見も存在する)。
本筋で語られなかったストーリーが明かされることもあるため、これらイベントのストーリーは無視できないほどに惹きつけられるだろう。
また、イベント画面でも凝ったバナーを目にすることができ、力の入れようが伺える。
Cons/ 大きすぎる容量 ※
容量が多すぎる。今(v4.7)では約80GBもある。似たジャンルのオープンワールドであればこれより美しく微細なグラフィックを持つデス・ストランディングでさえ総容量が凡そ80GBである事を考えると、非常に大きいと言えるのではないだろうか。
未登場の国から考えるにまだ容量が増えることは明らかで、その度容量が増え続ける事となればスペックによって置いていかれてしまうプレイヤーもいるだろう。
また、言わずと知れた話であると思われるが使用しない中華言語の言語パックがデフォルトでインストールされており数GB(≦10GB程)の容量を食っている。
筆者の検証時は82.9GB程であったが、その未使用ファイルを除いてこの容量となっており、事前にアンインストールしていなければ90GBを越えたと思われる。
Cons/ 改修が入らない既存マップが阻む探索の難しさ
既存マップにはこれまでの傾向から改修が一切は入らないというのがほぼ確定しているため、Prosにて挙げたダイナミックな高低差は移動に使用するスタミナに乏しい初心者、ひいては上級者でさえにおいては大きな障壁となるだろう。
それに、"移動人権"とまで言われるようなスタミナを消費せず乱発可能な高速移動や通常不可能な挙動を実現するアイテム、及びそのような環境に頼らない移動手段を持つ限定キャラクターの存在も問題である。
それに関してはスメール以降のマップで高速移動手段が用意されていることから改善の兆しは見える。
(ただ、最初に述べたように既存マップはそのままである)
これに関しては初期リリース時から存在し高低差が厳しい璃月が槍玉に上がることが多い。
Cons/ 希薄なアクション要素 ※
(※これに関しては公式が「オープンワールドRPG」とだけ表記しているためアクション面はそれ程拘っていない、と明言しているともとれる。)
ダッシュの出始めには無敵判定があるため回避に使用できる。しかし、敵のモーションが高速かつ多段ヒットしやすく、立て直しはほぼ効かない。
アクションRPGではあるもののその実態はソーシャルゲームに近い。技量ではなく、キャラパワーで押すのが主体となってしまっている。
ガチャが存在する以上避けられないという意見もあるかもしれないが、異常なほどに弱いと言われる主人公の調整がその現状をよく表しているといえる。
同社開発の「崩壊: スターレイル」では主人公は平均か、平均以上の性能をもつアタッカーであると当該ゲームのユーザーから語られることが多く、原神においてもそれが実現されることを望む声は後を絶たない。
Cons/ 手抜きに見えてしまうイベントシーン
このゲームがリリースされたのは4年前であるため技術的問題として仕方ない可能性はある。それを考えた上で思うのは、ストーリー上でモデルが動く、所謂”紙芝居”状態において、キャラクターのモーションがチープということ。
バージョンアップに伴い表現技法は少しずつ増えてきているが、やはりぎこちなさがどうしても目立ってしまう。
特に目立つのは、複数部位が同時に動かないため逐一”軸合わせ”が入る所であると考えている。連続した動きであるはずが、一切繋がっていないという問題がぎこちなさとして現れている。
ゲームの核となる双子の存在を語るストーリー中ですら軸合わせやぎこちないモーションが目立ち、折角のストーリーに入り込むに至らない。今俺は2024年にもなってPS2でゲームをしているのか?とまで思う。
一方ムービーで華麗に動くキャラクターを見ることが出来るクエストもあり、メインストーリーのうち主人公が国を巡る方では大抵数本程ムービーが用意されている。
こうした問題はゲームエンジンを変えるという大幅な改変を伴わないアップデートでは不可能ということだろうか?
余談ではあるが、技術的に困難という点についてはANTHEMに近しいものがある。当ゲームも使用エンジンをFROSTBITEという高難易度のエンジンに固定したまま開発してしまった負債として未だに進行不可能を含む致命的なバグが多数残っている。
皮肉にも元素反応システムに関してはANTHEMに存在するそれによく似たシステムである。
原神もいずれはANTHEMの二の舞と言っても過言ではなくなるのかもしれない。
Cons/ 賽の河原とも言える厳選作業
ゲーム中盤以降~終盤は基本的に聖遺物厳選という、キャラクターに装備させられるアクセサリーの厳選作業しかやることがないのだが、端的に言えば"天井が存在しないガチャを時間経過で貯まるスタミナを代償に回し続ける"という、拷問である。
この項に関してはそれ以上に表現する術を僕は持たない。以上。
注) 同社開発の崩壊: スターレイルではこの問題を緩和する要素が実装された.
鳴潮
プレイして数日なのであまり多くは書けない事を申し訳なく思う。
Pros/ 緻密で美麗なグラフィック
上記に記した通り鳴潮はUE4で開発されており、エンジンの機能をフル活用した美麗なグラフィックを堪能できる。また、キャラクターの表情も豊かでモーションもかなり滑らかに動くため、世界観に引き込まれる。
また、自然の表現に関しても目を見張る物がある。
現状の感想で言えばワールドの一部にニーア:オートマタに近いイメージをもつ場所がある。だが、それ以外の様々な都市や場所はまた違った印象を受けるため新鮮な感覚を覚える。見ていて飽きない、広大な世界。
メカニクスや武器関連のグラフィックスは同じくUE開発のデス・ストランディングに見られるような、重厚で、金属感があり、また輝く光のラインがシャープな印象を与える、洗練されたデザインであるといえる。
要するにカッコいいということである。
Pros/ 静かな、世界の雰囲気を感じるようなbgm ※
これには個人の問題もあるため説明は省くが個人的には好みである。
Pros/ ウォールランを始めとした、爽快感溢れる探索
まず、鳴潮はMHWのようなスタミナシステムであり、
(非戦闘時の)ダッシュ継続でスタミナを消費しない。神ゲーである。
加えて、壁に向かってダッシュすると壁を駆け上がることが出来、横移動キーで壁を走ることも可能。
そして、空中ジャンプや空中に大きく飛び上がる移動方法も使用可能で、機動力は非常に高い。キャラクター操作に爽快感や楽しさが溢れている。
ファストトラベルが可能なポイントが少し少なめのように感じるが、そのような前提がある以上移動時間も楽しみのひとつであると言える。
先述の美しいワールドグラフィックにあてられて野外採取や野戦に耽ってしまいクエストは全く進まないが、そんな時こそオープンワールドを堪能していると感じる。非常に楽しい。
地形に関しては少しだけ引っかかることもある。
まあリリースしてようやく1ヶ月経つかどうかであることを考えれば改善は望めるだろうと思う。
Pros/ パリィやカウンターに派生可能な回避などの派手なアクション
同社が開発していたゲームで培われたと思われるアクション方面での調整が遺憾無く発揮されており、パリィや回避を主体としたボス戦闘のバランスも今の所取れているように感じる。
レベルという要素がある以上育成により強敵を簡単に倒すことも出来るのだが、あえてレベルを標準より少し下にしたままプレイするという楽しみ方もあるだろう。
靭性などのアクションゲームとしての体裁がかなり整っており、大型の敵の行動を見極め、回避を駆使し、強力なカウンターとしての一撃を放つなど、敵との戦闘を大いに楽しむことが出来る。
シールドも存在するがHPダメージを肩代わりしてくれるだけで吹き飛ばしは普通に受けるため一部アクションを除いてゴリ押しは一切できない。
吹き飛び無効のモーションを持つ攻撃はあるが、敵側にも掴み等の攻撃が存在するためしっかりと考えて動く必要があり、緊張感溢れる戦闘となっている。
Pros/ 共闘を楽しめるマルチプレイ※
現在鳴潮には適正レベルを大幅に上回った強敵が各地に配置されており、彼らの攻撃は苛烈な物となっている。具体的に言えば大抵一撃で倒される程。
そんな強敵との戦闘もフレンドと一緒に戦えば楽しさ倍増(個人差あり)。
一撃で倒されても、一緒に何度も復活し、遂に倒した時には高難易度アクションゲームのボス討伐に成功した時のような喜びを享受出来るだろう。
フレンドはインストール時に付属しないのが難点ですが。
Cons/ 難解な固有名称 ※
ゲーム制作者目線になれば理解できないものの、ユーザー目線では全く以て迷惑なゲームの悪い癖がある。
鳴潮もその例に漏れず迷惑な仕様を持つ。
スタック可能なバフを固有名称にしたがり、
また、その固有名称を用いてスキル説明文を長々と記す。
ストーリー内の固有名称はそれまでを読んでいれば理解できるため別に問題はない。あくまで特定の地点あるいは人物を指す記号としての固有名称であるためである。
ただスキル周辺の固有名称においてはその限りではない。
終奏やら変奏やらで行動と結びつかない意味不明な名称が多い。スキル別の説明文から理解するのも難しい。
固有名称はそのキャラクターと結びついた物が多く個性を感じる部分もあるため一様に廃すのは少々勿体ない。
したがって、固有名称を交えない簡素な説明との切替機能を設けるなどの早急な改善が望ましいと考える。
※2024/6/30 追記
この問題に関しては最新キャラクター(今汐)でも殆ど変わらないので改善が望ましいです。理解のためにユーザー個人個人で攻撃行動の派生フローチャートを作らねばならないのでしょうか?
Cons/ 粗が目立つ、雑なローカライズ ※追記あり
注記) 以下は 2024/6/24 までの内容
ストーリーを遊んでいてよく思うのだが、ローカライズが終わっており、多重人格かと思えるほど口調が転々とすることがある。セリフの文章が話し言葉から急に書き言葉に変わってしまう事も多々あり、これに関してはストーリーをよりのめり込みづらいものとし、既に希薄なストーリーを更に希釈する要素でしかないため、なるべく早くの解決が望ましい。
ローカライズに関しては本当に擁護するつもりは一切ありませんし、時間が解決する要素であるとも思っていません。本当に早い所直してほしいです。
他に解決すべき技術的課題や新しいマップの開発をする必要等はあるかもしれませんが、しかしユーザーが最終的に目にするのは文章でしょう。文章(セリフ)はボイス付きの場合声優の方に読んで頂く訳ですから後になっての修正は困難かと思われます。仮にやるとしてもリテイクはそう易易とすべきではないでしょう。
実際にクソローカライズの文章が主人公のボイスで読み上げられたシーンでは少し失望しました。
まあ恐らくリリースされたのが初期段階であるため翻訳が余り上手く行っていないのかなと捉えてもいいですが、そう甘いことは言っていられません。
何故なら新規参入層が最初に体験するのはそういった初期段階にリリースされたストーリーだからです。そういう面を加味するにコミュニティによる修正に頼るのではなく自社でチームを構えて違和感のないレベルまで練ってからリリースすることが必要でしょう。
少なくとも今後のメインストーリーに関しては手を抜くべきでは有りません。ストーリーを楽しみにしているユーザーを無下にすることになってしまいます。
日本語でのリリースを行い日本での展開を望むのであればこの点については早急な修正が必要です。
※2024/6/30 追記
最新ストーリー(今汐追加分)を見る限り、ローカライズに関してはほぼ完璧といっても良い所まで来ています。多少の違和感を感じる場面もありますがそこはそういう言い回しなのだと思っています。
また、ただ文章が表示されるだけであったセリフや一部の敵にボイスがつき始めました。この項とは関係ないものの同時期のアプデ内容であるため一応記しておきます。
Cons/ 少し見づらいUI ※
少しUIに関しては言いたいところがある。
縦長タイル横スクロールから横長タイル縦スクロールに移行するのだけはやめて欲しい。これはフィードバックで送信するつもりなので改善されると良いのだが、慣れの問題もあるかもしれない。
おわりに (個人的感想, 少々のネタバレ注意)
原神はもう終わりですが課金額は多少あります(おそらく累計3万程)ので、なかなかやめられずズルズルと続けているのが現状です。
次のナタのアップデートまでに覚悟決めてアンインストールできたら良いなあ。もうデイリーを消化することすら苦痛になりつつある。
パイモンうざ。俺あいつ逐一うるさいんで本当に嫌いです。声聞くたびに知能下がるのを感じる。必要ない主人公の代弁をしてしまっているため2度同じ情報を認識することになり情報処理コストが単純に倍増します。最悪。
これに関しては鳴潮も現時点のメインストーリー最終地点でマスコットの存在が明らかになっており若干鬱。これがストーリーに絡んでくるようであれば中断もやむなしとは思う。
フレンドがやめていったら原神はもうやらないと思います。単に面白くないんですよ。