Mod産核融合と現実とのちょっとした差異について。
まえがき
最近大学の課題の方で核融合について粗方調べて纏める等しており、折角調べたので…ということで此方へ纏めることにしました
記事タイトルにもある通り今回はMekanismより「レーザー核融合炉」とGregTechより「Tokamak炉」の2つに絞って話をします。
核融合についての基礎知識
核融合について大事な基礎知識が幾つかあるのでちょっと紹介しておきます。特に大事なのは燃料・生成物・反応 でしょうか。
・燃料
Mekanismの核融合炉を構築したことのある方にはお馴染みでしょう。D-T燃料は2重水素と3重水素の混合物です。2重水素原子は1陽子/1中性子/1電子からなり、3重水素はそれに中性子を加えたものになります。
D-T燃料以外にもHeを用いるものもありますが…今回は無視します。理解しやすい例としてこれを用いるだけで、他にも4種ほどあったかと。
・生成物
此方はGregTechの核融合炉を構築した方が詳しいと思いますが、ヘリウムが生成されます。その他の生成物もありますがそれは次の項で扱います。
・反応
D-T燃料を用いるため当然ですが…D-T反応と呼ばれます。核融合炉反応でも良いでしょう。
D原子核とT原子核を(どうにかして)ぶつけるとHe原子核と中性子が生成されます。
特に重要なのは中性子で、コイツは凄まじいエネルギーを持っています。量にすると14メガ電子ボルト。1原子単位での反応で出るエネルギーのためしょぼく見えますが、燃焼反応と比べるまでもなくこのエネルギーはかなりぶっ飛んでいます。
このエネルギーは中性子に運動エネルギーとして蓄えられているため、この中性子をどこかに吸収させるなどしてこれを熱エネルギーに変換して取り出します。後は水蒸気作る→タービン回転…といった形で、熱を発生させてからは他の発電と大差ありません。
・ちょっとした補足
常温核融合という単語がこの世に存在しますが、こいつはかなり無謀です。原子の状態の燃料から核融合に持っていくまでには2つ障壁があり、ひとつが電子、もうひとつは陽子。この粒子は正と負の電荷にそれぞれ帯電しており、クーロン力で反発しています。
電子は燃料をプラズマ化させることで原子核から引き剥がす事が出来るので無視出来ますが、陽子は原子核の構成要素なので無視できません。
この障壁は力技で無理やり突破するのですが…これをどうするかは炉の方式によって異なるので次以降の項で扱いますが、大抵は高エネルギーでどうにかしています。
・Mekanism : レーザー核融合
・レーザー核融合について
レーザー核融合は燃料としてD-T燃料を超低温で固形にしたペレットを用いる方法が主流です。このペレットを炉に投入し高出力レーザーでプラズマ化・爆縮を行います。
一般にレーザーへ投入したエネルギーより回収できるエネルギーの方が多いとされており、実際に実験には成功しているようです。
ただ、ペレット生産が消費に追いつかないため現実的では無いでしょう…
・差異
原子炉の耐久性・気密性はこの際考えなくとも良いでしょう。
ただ、燃料をガスのまま投入するのにはかなり違和感があります。レーザーのみで1億℃に達するのは無理ですし、ガスでは爆縮が起こらないのでこのままでは核融合は起きません。これぐらいでしょうか。
・総評
炉の構造は概ねゲーム内のものと一致しています。ただ燃料の投入方式などちょっとした差異があるのが少し残念でした。まだ論文が発表されていない内に開発が進んでしまったのでしょうか…?
・GregTech : トカマク炉
・トカマク炉について
あちらとは違い爆縮により高温のプラズマが拡散しない内に反応を起こしてしまうのに対し、こちらはコイルによる磁場でプラズマを炉に留めるといった炉の構築/設計難度が高い方式ですが、これが一番現実的で有名です。ドーナツ型の核融合炉イラストなどはよく見たのではないでしょうか…?
・差異
Heのアウトプットがあるので差異はほぼ無いように見えますが、実際は構造に少し疑問が残ります。Minechemの融合炉が一番近い構造をしているでしょう。この際はそれは置いておきます。
一番気になったのは3重水素のアウトプットが無かったことと、気密性についてです。
コイルにより磁場を生み出しそれでプラズマを留めるというのは先程述べましたが、炉の構造が単純なドーナツ型であるため磁場のコントロ―ルは非常に難しく…その為に制御コンピュータが要求されるのは理解できました。ただ…そこまで再現しておいて気密性についてと炉の不純物、副生産物が無視されていたのでその点がとても気になりました。
・総評
非常に精巧に作られていますが、形状が粒子加速器の様な細長い形に収まっているので非常に違和感があります。混同しているのでしょうか?
やはり、Minechemの方で形状はほぼ完璧に再現されているのにも関わらず細部まで追求したmodであるのに抜けがあるのが少し気掛かりです。いつか修正されると良いのですが…
・あとがき…と参照
これがメインで参考にした文献です。
今回これを書くにあたって参照した文献は幾つかありますが、論文では無いのですべて書く必要も無いでしょう…実際は書くのが面倒なだけですが。
ここまで読んで下さりありがとうございました。大学はそろそろ期末が終わり夏休みとなりますが、後期も前期とおおよそ同じ授業を取るつもりなので、後期もやるレポート用の日本語練習も励もうかと。
では、またいつか。