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「発達障害がよくわかる本」を読んで(読書感想文#16)
女性の発達障害、ADHDの本を読んで、そもそも発達障害全般の本を読まないといけないなと思っていました。そうしたら、「そもそも発達障害とはなに?」と書かれた本があったので、思わず手に取りました。
▼発達障害がよくわかる本/監修:本田秀夫
雰囲気は「女性の発達障害」などと似た感じで、イラスト多めの入門書。
子どもの発達障害を中心に、成長を経て成人してからまでが書かれていて、分かりやすかったです。
発達障害は「発達の病気」「発達の遅れ」ではない。
私は精神疾患の関連から発達障害に興味を持ったので、このあたりの区別がきちんとついていませんでした。でも発達障害は、病気ではなく特性。ここの基本的な理解ができてよかったです。
じゃあ発達の特性とは何なのかというと、認知・行動の特性。「発達の違い」「一種の多様性」と捉えれば良いということ。
その人の得意と苦手を把握し、「得意を活かす・苦手を補う」ことで発達スタイルを支援していく。苦手なことの解消に走ろうとせず、まずは理解に努めることが大事。そういうことか。
最大の目標は二次障害を防ぐこと。
疲れやすいことも発達障害の特性のひとつ。確かに、周囲に合わせていたらきっと疲れますよね。。
できないと自分を責めてしまって、うつなどの二次障害になることを避けるために見守っていくが大事なのだなぁと感じました。得意をのばして、自尊心を育てていく。
複雑に見える行動は、特性の出方による。
この本で一番勉強になったのは、発達障害は重複例が多いということ。
前に「ひとりで行動するのが好きなのに、衝動的に話しかけるのはなぜなんだ?」「考えすぎなくらい考えすぎるのに、気配りはできないのはなぜなんだ?」と疑問に思っていたところ。
例えば、ASD+ADHDだと、ASDのこだわりとADHDの気が散りやすい特性が重なるとこだわりが弱くなる。集中力と落ち着きのない様子どちらも見られて、親や先生は混乱しがちです。
臨機応変な対人関係が苦手な子は、無理に大勢と付き合わないようにすることが重要です。しかしASDにADHDが重複すると、対人関係が苦手な割には、色々なところに顔を出したがるタイプになるのです。少人数で、活動できる場への参加を促すことが重要です。
なるほど。特性どうしが複雑に絡み合って、その場面での出方に影響するということが理解できました。
自律スキルとソーシャルスキルを育てる。
●自律スキルとは:自分の得意なことは意欲的に、苦手なことは無理をせずに取り組む力、その判断力。
●ソーシャルスキルとは:自分に出来ないと思ったら、周囲に相談できる力。そのための最低限のルールを守る力。
なんでしょう、前にも思った気がするのですが、こういったことは発達障害の方に限らないと思うんです。原則は、自分のいいところを伸ばすこと。そして、苦手で難しいところは自分で理解した上で、誰かに助けを求める(相手を尊重した上で)。
これ、誰でもみんな出来たら生きやすくなる気がする。なんか詳しく知りたい。SSTとか勉強したらいいのかな、と次にまた繋がっていきそうです。
ここまで読んでいただきまして、どうもありがとうございました。
▼「女性のADHD」を読んで
▼「ASD、ADHD、LD 女性の発達障害:女性の悩みと問題行動をサポートする本」を読んで
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