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「本気でトラウマを解消したいあなたへ」を読んで(読書感想文#22)

幼少期の家庭環境におけるトラウマが、大人になっても生きづらさを何となく抱えて生きている元になっているという話。これまでの本でよく出てきていたので、トラウマの本を読んでみました。

▼本気でトラウマを解消したいあなたへ/藤原ちえこ著

トラウマがどのようなものかや、どんな姿勢で取り組めばいいかが分かりました。当事者の方に向けて優しい語り口で書かれているので、読みやすかったです。そして、具体的な解消方法というのは、やはり専門のセラピストにかかるのがおすすめということかなとも思いました(セルフで取り組む方法も記載されています)。

トラウマは時間が解決しない。

トラウマは、エネルギー・神経系の身体反応が解消されずそのまま留まってしまっている状態なので、過去の出来事ではなくて今の状態ということ。冒頭からびっくりしました。特に凍り付き:交感神経が最大限に活性化し、副交感神経がシャットダウン→アクセルとブレーキの同時踏み状態。エネルギーが行き場をなくす。というのが、知らなった観点で勉強になりました。

ストレスに対する行動として、闘争か逃走。このnoteでも書いたことがありましたが、これに加え、凍り付きがあるんですね。そしてそのエネルギーは、動物であればぶるぶるっと身震いして解消したりするけれど、人間は押し込めてしまうことがある。それがトラウマに繋がるとは。。

逆に言えば、トラウマは身体反応であり、そのエネルギーを外に出せれば解消する。この辺って常識なんですかね?私は驚きばかりでした。

トラウマの原因探しはいらない。

・原因はひとつではない。
 納得です。特に発達トラウマだと、何年も続いたら一つではないと。
・原因は、覚えていなくて当たり前。
 解離のお話が出てきました。解離は「いまここにいない戦略」とも。
・医療トラウマなどの場合もある。
 必ずしも家庭での虐待などが原因ではなく、交通事故や落下、医療トラウマなどが原因の可能性もあるということ。そうなのか。
・原因がわかっても解決しない。
 身体の感覚だから、結局頭で分かってもそれで終わりではないから。

医療トラウマなどが原因の場合もあるというのも知らなかった。私はトラウマがないと思っていますが、新生児期に入院したことがあります。もしかしたら解離しているだけで、何かしらあるのかもしれませんね。周産期の感情的な母子分離によるボンディングが生まれなかったことが、愛着形成に影響するお話もあったので、そういう可能性もあるのかと。

トラウマ解放のサイン

・震え、しびれ、熱、涙・あくび・咳、悪夢、フラッシュバック
 →嫌がらない、そのままにする。出口を感じるイメージをする。

全然知らなかった。なんだか過去のことを人に話したりすると、胸が震えるような感覚になることがあって、そうすると怖いから押し込めちゃっていた・・・。それを外に解放しないと、癒されないのですか。

身体感覚に働きかけるセラピーとは?

・SEプラクティショナー
 トラウマを専門的に扱う訓練を受けたセラピストの方。

・ボディワーク(ロルフィング、クラニオセイクラル、フェルデンクライス、整体)、エサレン、鍼灸もおすすめ

SE療法が気になるけれど、身近に受けられる観点なら鍼灸もおすすめとのことだったので、受けてみたいなぁと思いました。他のボディワークも全然知らなかったので、機会があったら調べてみたいです。

・同じ体験をした人と話す、共有することも大事→自助グループもおすすめ。下記の他に、IFFコミュニティーも紹介されていましたが、うまく見つかりませんでした。

 ●JUST

トラウマに取り組むことは、勇気のあること

「助けを求められる人が本当に強い人で、そんな人達を尊敬している」という著者の言葉が、本当にそうだなぁと思いました。

ゆっくり進めることが大事。癒しの主導権はその人であること。それから、自身の課題にしっかりと取り組んでいるのが良いセラピスト。優しい中に芯のある話に、大切なことが詰まっていました。著者の真摯な姿勢が素敵だなと思いました。触れてみていただきたいです。

ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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