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夢占い好きな人、読んでみて。「ユング心理学入門」を読んで(読書感想文#78)

有名な本って、なんでこう読むのを後回しにしちゃうんだろう?
河合隼雄先生の本、難しいんだろうなぁと思っていたんですよね。

でも、そんなことなかった!もっと早く読めばよかった。
心理学に興味をもっている人には、本当におすすめ。

流行りの本を読むのもいいんだけれど、基礎はやっぱり大事だなと思いました。

(当たり前のこと過ぎるんですけれど、実感したのでしょうがない)

▼ユング心理学入門/河合隼雄著

文庫本だし、そんなに厚くないし、1章の分量も少ないし、文章も分かりやすい。外出先で読むのにちょうどよかったです。

夢って一体なんなんだろう。

さて、内容。

私はやっぱり「夢の扱い」がなんとなく分かったことが、面白く感じた。

夜見るほうの「夢」に元々興味はあった。

1日のうちの一定割合を占める夢。身体の回復という機能は分かるけれど、夢を見るのはなぜか。夢を見たことがない人はいないと思います。そうであれば、何らかの「意味はある」と思うのだけれど、どうやら現象の全てが科学的に解明されている訳ではなさそう。

私は特徴的な夢を見ると、ストーリーに出てきたものをネット検索して、「これってどういう意味なのかな」って見るのがちょっと好きでした。

すると、夢占いサイトに行き着いて。だいたい、同じモチーフでも良い意味も悪い意味もあるんですよね(笑)で、よくわかんないや~って終わる。

でもこの本を読んでみたら、夢をどう捉えたらよいか、ヒントを得られた感じがします。

一部抜粋。

「夢から得た心的内容を、自我は統合して発展していく」「夢から得た知見やプランをもとに、意識的努力を積み、そのような意識の態度に対して、また無意識の動きも補償的になる」「なぜ(why?)ではなく、何のために(So what?)」

わー、面白い。

「無意識を意識できるのが夢」ということかなと感じました。夢での経験や考えも取り込んで、日中の意識との共同作業で、次の道が見えていくんだなぁと。

なぜ?ではなくて、何のために。
突拍子もないもの・ことが出てくると、その印象が強くて、「なんでそんな夢を見たのかな」とつい思うけれど。

その夢を見て、どんな感じがしたのか?
それは、どんな経験に近いのか?
何のために見たのか(過去の経験を消化するため?補償のため?)?

そういう視点で眺めてみると、全然違う答えに向かっていく。
占いサイトを検索することから、「この感じって、なんだったっけ?」とか「〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが1人の人物として出てきた。真似ばっかりしてくる子で嫌だったなぁ。共通しているイメージが組み合わさって出てきたんだな」とか、思いを馳せることに変わりました。

教科書に出てくるような言葉について、理解が深まるよ

ユングの基本的テーマについても、教科書的な内容についていまいちよく分からなかったところが、ストーリー的に読めて面白いです。

例えば、「アニマ・アニムス」がね。

女性の中の男性像とか、男性の中の女性像とか、意味がよく分からないと思っていたんだけど。

女性が自分の自己実現の道を歩もうとする限り、このアニムスを生きてみて、統合してゆく困難な道を選択してゆかなければならない。

これを読んで、「そういうことか」とやっと腑に落ちた。

男性性とか女性性という言葉が、ピンときていなかっただけで、論理性とか強さとかを男性性と表現しているということなんですね。

すごく、自己理解の幅が拡がった感じがする。

この本はぎゅっと大事なところが詰まっているので、また読み返すときが楽しみです。

ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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