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「自分らしさ」を育てるための本を読んで(読書感想文#7)
「自分を大切に思う力(≒自尊心)を高めることが、幸せに生きるポイントでは」ということ。ここ数週間で感じています。そこで「自分らしさを大切にする」ということを学びたいと思い、この本を選びました。
1998年の本なので出版されてから時は経っていますが、内容は今でも変わらず通用する、優しさが詰まった本でした。新品はもう売っていないのかも。
▼「自分らしさ」を育てるための本/中村延江
数ページずつの平たい言葉で書かれたエッセイのような内容で構成されていて、とても読みやすいです。でも大事なことがたくさん述べられていて、お茶とお菓子をお供に、じっくり味わって読みたい感じ。
「いい子」でいると、抑え込む気持ちが「心地よさ」を阻む
「きらわれたくない」「自分を否定されたくない」という思いが先に立って、自分らしさを出せずにいる状態。
いい子のふりをしてきたけど、本当はもっとちがった気持ちがあって、それをうまく表現できたらどんなにすっきりするだろうと思っているのです。
押さえ込むことの繰り返しだったとしたら、たとえ人に嫌われることがなくても、心地よい生き方は望めません。
嫌われたくないから、否定されると怖いから「いい子」にしちゃう。自分もついついそうしてきてしまった気がします。おかげで周囲と関係が悪くなることはほとんどないけれど、なんだかいつも気を遣ってしまいます。それでは確かに「心地よく」はない。
いい子になろうとする自分は、困った感情が苦手です。
きらいな人の前で「きらいです」という必要はないけれど、無理に好きだと思うこともないはずです。それでいいはずなのに、好きにならなくちゃと思ってしまうのが、「いい子になろうとする自分」なのです。
困った感情に目をつぶっていると、もう一人の自分がいい子ぶっている自分を責め始めます。それではつらくなるばかりなので、困った感情ともきちんと向き合うことが必要です。
好きではない人・ものを、無理に好きになることはない。だからといって、面と向かって「嫌い!」と言い放つ必要もないということ。
自分は好きじゃないなぁと認めたうえで、さて、どんな行動にしようかな。これでいいということなんですね。確かにそれでいいなと素直に思う。
「見捨てられる不安を助ける」親として、育て直すのは自分
「いい子でないと見捨てますよ」というメッセージがおくられてきたとしたら、あなたはずっと見捨てられる不安を抱えながら、生きてきたことになります。
幼いあなたは、自分の気持ちを伝えたくても、できなかった。
子どもの自分は助けを欲しがっています。それは自分を認めてくれる親という存在です。
といっても、もう一度子どもに戻って親に育ててもらうという意味ではありません。傷ついた自分を育てるのは、そう、自分。自分が自分の親になって、自分自身が重ねてきたつらさと向き合って、自分を育て直すことこそが、自分らしさを取り戻すただひとつの方法なのです。
このお話が、「そういうことか」とかなり腑に落ちて、この本で一番衝撃だった。今から親に「いい子にしなくてもいいって雰囲気で、育ててほしかった」と、言っても「は?」となりそうですもんね。。親も無自覚かもしれないし、いまさらだし。
それを「自分が育て直しすればいい」。なるほど。インナーチャイルドのワークとかって、私は幼い自分をイメージすら全然できないし、難しいなと思っていたんですよね。でも、自分が親となって育てる、伴走するイメージならなんとなくできそう。
<他に覚えておきたいトピック>
・完璧主義は「完全じゃないと見捨てられる」と思うから。少しでもうまくいかないとすべて投げ出したくなる。でも完璧な人はいない。
・無理はせず努力はする。
・Noという練習をする。
・なんでもしてあげる人は、やってもらうことが苦手。その根本は相手を信頼していない。「みんなのことを信頼しよう」と言ってみる。
「自分を認める」ということ、やっと分かってきた
自己啓発書や心に関する実用書などで、散々聞いてきた「自分を認める」という言葉。分かるけれど、それどうしたらできるの?と思ってきました。
やっとなんだかだんだん分かってきた気がします。「いい子」をしてきた自覚はあるけれど、「進んでやっていて誰にも強要されていなかったし」と思っていた。でも「いい子」をしている時点で、誰かに嫌われないようにとか、否定を恐れたりという気持ちがあったことは確かなんです。
だから、「なかった」と思っていることが一番問題。「あった」という前提で、「あったね」と自分が言ってみるだけで、育て直し一歩完了なんだと思う。これならやっていけそう、感謝です。
つくづく、本って受け入れる自分側の状態やタイミングだったりで、受け取れるものが変わるんだなぁと思います。
ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。
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