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愛着障害~子ども時代を引きずる人々~を読んで(読書感想文#2)

またまた重いテーマに挑戦です

摂食障害の本に続きまして、クリスマスの夜に愛着障害の感想文を書きます・・・

愛着障害に興味を持ったのは、摂食障害などの依存症の原因として幼少期の愛着形成が影響しているというのが、本当なの?と思ったことからでした。

愛着障害には、なるほどだらけ

そうしてこの「愛着障害」という岡田尊司先生の本を読んでみた訳なのですが、心の世界の初心者には、内容の濃度がすごく高かったです。

要約できないくらい、どのページもそうなんだ、と驚きがいっぱいです。

人の顔色をすごく気にしてしまい、気疲れしやすい。「お前なんかいらない」と言われないか、いつも不安に思う。対立したくないので、つい相手に合わせてしまう。 そういった対人関係に過敏な人は少なくないだろう。

愛着障害~子ども時代を引きずる人々~(岡田尊司)

そういった対人関係のパターンは、母親を出発点とした他者との関係の中で、長年かけて形成された愛着スタイルが影響しているというのです。

大人の愛着スタイルは、大ざっぱに言って、安定型(自律型)、不安型(とらわれ型)、回避型(愛着軽視型)の三つに分けられる。

愛着障害~子ども時代を引きずる人々~(岡田尊司)

安定型と回避型は文字の通りで、不安型が少しややこしいのですが、親を求めつつ、同時に恐れるという相反した感情を同時に持つといった説明がされています。

どちらかというと、安定型のことが信じられない(自分が不安定型の証拠)

基本的信頼感や、基本的安心感というのは、幼少期に愛着形成が上手くいき、安定した愛着スタイルを持っていると自然と信じられるもののようです。これを持っているのが3分の2の人々。
すんなり人を頼ったり、信じたりできるということ、羨ましいな。

そして実に3分の1の人が不安定型の愛着を示すらしい。(研究内容は出典が分からなかったけれど、一般の児童に対象を広げた研究とのこと)

愛着スタイルによって色々なことが説明されていて、それってこういうことだったんだ、なるほど・・・と吸収しきれない情報量。

愛着障害を克服していくためには

その中でも私が関心を持ったのは、「愛着障害の克服」の方法です。

・不安定な人を支える経験を通じ、自らの愛着の傷を癒すことになる。
・安全基地を持つ。ブログやチャットで自分を表現し、応答してもらえる
 ことも、仮の安全基地になりうる。
・語ることにより、断片的だったものが統合され、傷や歪みが修正される
 プロセスが始まる。

愛着障害~子ども時代を引きずる人々~(岡田尊司)抜粋

あぁ、そうか。私もこういったことを無意識で自発的に行おうとしていたんだな、と。自己表現にこれだけこだわっていたのは、安全基地を求めているのかもしれませんね。ちなみに、数々の文筆者の方たちが、不安定な愛着スタイルを持っていたという事も、新鮮なお話でした。

自分を受け入れ、他人に受け入れてもらい、愛着形成のプロセスをやり直す。原始的だけれど、大切な愛着の世界。奥が深い・・・

心理の勉強をした上で、また読み返したい

この先何度でも、戻って読み返すことになりそうな本です。
認知とか発達などの、心に関する基礎知識があった上で読む方が良さそうだなと思ったので、来年は心理系の基本的な学びを何かしら挑戦してみようと思いました。

行動を変えたいならば、過去のスタイルを見る必要もある

原因を過去に求めてそこを注視すると、暗い気持ちになるし、あまり良いこともないと思っていました。だから、明るい未来を描き、そちらに進むことに注力してきた。

でも、たどり着いたその場所で、自分がどうありたいか?分かっていないと、空虚になるだけかもな、とここ数年で思ったりしています。

記憶がないくらい過去の自分も、目的があって行動を積み上げてきた。それがスタイルになるくらい定着していて、変えたい部分があるならば。自分の行動原理を理解した上で受け入れ、別のプロセスを積み上げることの必要性があることを知りました。

まだ、「どんな自分でありたいか」は正直漠然としているけれど、のびのびと人と関り、安定した愛着をつくっていきたいんだなぁとは思いました。

あたたかい未来に向け、進んでいきたいです。

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