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「ギャンブル依存症から抜け出す本」を読んで(読書感想文#56)

なんだかこの四角い本のシリーズに、なじみが出てきた気がします(笑)

依存症の中でも、私はあまり接点なく過ごしてきたのがギャンブル。
食べ物とかアルコールは人並みに嗜んだけれど、ギャンブルはあまりしたことがありません。
どんなメカニズムなのか?知りたいと思いました。

▼ギャンブル依存症から抜け出す本/樋口進監修

脳機能の異常なので、意思では対応しきれない

一番びっくりしたのが、気持ちは切り替えられても脳機能の異常は残るという言葉。脳は可塑性があるとは言うけれど、深刻な問題だなと思いました。

依存症全般で言えると思いますが、報酬系の異常はやっぱりあります。それから、依存症が長く続くと前頭前野の機能低下に繋がり、意思決定力の低下や、ギャンブルのみに反応し、他の娯楽には反応しにくくなっていきますす。

負けると分かっていながら、ギャンブルにはまるのは何故なのかな?と思っていたのですが、判断力の低下・衝動性が強くなる・抵抗感が薄れる等は、脳機能に影響が出ているからだと分かりました。1回はまってしまうと、抜けるのは大変そうです。

ギャンブル依存症になったら、どうするか?

ギャンブル依存症に対応できる医療機関も限られていることから、公的機関(精神保健福祉センターや保健所)に問い合わせて、地域で適切な支援先に繋いでもらう方法が紹介されていました。また、久里浜医療センターで医療機関・回復施設のリストが掲載されているそうです。(依存症全般)

治療はカウンセリングや認知行動療法が中心となる

集団認知行動療法で、医師や心理士と取り組んでいくことが紹介されていました。ワークショップみたいな感じかな。自助グループのような雰囲気もありそう。1人ではなく、みんなで取り組むことが、継続のコツなのかもしれません。

具体的には、メリット・デメリットを考える、使った額の計算、状況の検証、気分転換を探す、思考ストップ法、認知の偏りチェック、リラクゼーション法・・・。

地道ですね。ギャンブルで強化されてきたのと別の回路を、少しずつ繋ぎなおす感じかな。実際どのくらいの人が回復されているのだろう。結構努力がいりそうというか、覚悟がないと取り組むのが難しそうなので、大変そうだなと思いました。

<おわりに>

ギャンブル依存症は、ある調査では約92%が男性だったそうです(2013年 久里浜医療センター)。同じ依存症でも、摂食障害は女性の割合が多い印象です。このあたりはなぜなのでしょうか?摂食障害では、愛着の問題と絡めて話されることが多いけれど、ギャンブル依存症ではそのような話は出てきませんでした。なんだか奥が深いですね・・・

ここまでお読みいただきまして、今日もありがとうございました。

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