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「よくわかる強迫症」を読んで(読書感想文#29)

精神医学について興味のままに読書を広げていった結果、女性の精神疾患や発達障害の方向性に進んでいったので、このあたりで精神疾患一般を知っていきたいと思いました。
そこで読んでみたのが、強迫症の本です。

▼こころのクスリBOOKS よくわかる強迫症

強迫症とは?

強迫症には、強迫観念と強迫行為という2つの症状があります。
強迫観念:自分の意志に反して何度も繰り返し思い浮かぶ考え、イメージ、衝動
強迫行為:強迫観念から予想される恐ろしい出来事を防いだり、精神的な苦痛や不安を減らすために、しないではいられない行為

◆主なとらわれ
汚染、確認、加害、望まない考え、物・情報、数・色・位置・身体・病気

世界的に0.5~2%、障害で経験する人は1~3%と、かかる人の多い病気なんですね。知らなかった。強迫観念:強迫行為がどの程度生活を圧迫しているか、困り感やコントロール不全などが治療の必要有無に影響してくるようです。

汚染や確認はイメージしやすかったのですが、加害強迫というものもメジャーだそうで、驚きました。「自分の不注意のために、他人に危害を与えているのでは」という強迫観念。どれも、心配が強くて生活がつらいだろうなと思います。

発症原因

不明で、複数要因が関与すると考えられているとのこと。(精神疾患ではこういうものが、多いんですね・・・)
生物的要因(脳の働き、神経系、遺伝、女性ホルモンの変化、他の病気・障害)
心理的要因(ストレス、考え方の癖、性格・気質)
環境的要因(家庭、学校職場、いじめ等、社会的孤立等)

◆脳神経の仕組み
前頭眼窩面、前部帯状回、線条体が強く働きすぎることが分かっているそうです。この説明を読んでいて、変な例えですが、花粉症みたいだなぁと思いました。誤認識で自分が辛くなるというのが。人間の体、心はとても精密で、とても繊細で不思議です。

薬物療法と認知行動療法

・薬物療法はSSRI(抗うつ剤の一種)が使われる。
・精神療法として、認知行動療法では暴露反応妨害(ものすごくざっくり言うと、強迫観念の対象に、少しずつ挑戦していくこと。専門家と取り組んだ方がいい。)を行うことが主。

◆森田療法での考え方
不快な感覚を自分で考えた「はからい事」で解消しようとすると、余計に捉われる。不快な感覚を抱えたままで、本来すべき行動に取り組む「目的本位」の行動をしていく。そうすると、気持ちの充実度が変わっていく。これを日記に記録する。

強迫症について、大まかに理解することができました。

行動療法的なアプローチが、特に大切になってくる疾患だと思いました。思い切って挑戦することに勇気がいると思うので、理解のある専門機関がたくさんあると、当事者の人は安心だろうなと感じます。

私は発達障害や、うつ等の不安障害の方とお話しすることはありますが、強迫症の方と実生活でお会いしたことがなかった気がします。発病率から考えると、身近にいらっしゃってもおかしくないと思うので、本人の中で押し込めて悩んでいる人も多いのかもしれないなと思います。

認知行動療法等は、自分で取り組むことができるものもあるようです。疾患の場合は医療機関での対応になりますが、受診までは至らない方のセルフケアの参考などになるように、私もまた学んでまとめてみたいと思います。

ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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