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「子どもを愛せなくなる母親の心がわかる本」を読んで(読書感想文#59)
タイトルから「愛着の話かな」と思い、手にとりました。
もはや心理・精神関連書でこの正方形の本を見ると、読みやすいのもあってすぐ気になってしまう。
▼子どもを愛せなくなる母親の心がわかる本/大日向雅美監修
この本は、2007年の発行になります。
なんと今から16年前になりますね・・・
「普通の母親」の前提が、今と全然違う
正直、家族というものの捉え方について、時代によってこんなにも違うのか、ということが衝撃でした。前提が違いすぎる。
本来の本書の主旨とは外れますが。
「母親を支援するのは甘えなのか」「がんばりが足りないと言われたら」「開かれはじめた社会に出ていこう」「説教はいらない、サポートがほしい」・・・甘えと言われていたということですよね。がんばりが足りないと言われていたということ。開かれていなかったということ。説教されていたということなんだ。
そんなのひどい、と現代の私は思う・・・。
約15年前というのは、そんなに昔じゃない感覚だったのだけれど(いや、冷静に考えれば確かに10年ひと昔と言うんだけれど)、こんなに母親にとって大変な状況だったのかと、驚いてしまいます。
どの時代の母親にも「お疲れさま」を言いたい
愛着形成など、母子関係の話の想定で読み始めたんだけれど、得られたのは正直その知識ではなかった。
この時代の子育て環境の厳しさや、やっと支援が確立されてきた過渡期の苦しさを知った本になりました。
(子育て支援センターなども、この頃に一気に整備された様子でした)
この頃に幼児だった方たちは今頃20歳前後、母親は45~55歳位でしょうか。
いま幸せに過ごされているかな・・・と、思いを馳せてしまいます。
どの時代の母親にも苦労はあると思いますが、悩みながら皆さん頑張ってこられたんだなと思う。お疲れさま、と言いたいなぁ。
子育て、子どもの心理的発達、母子関係には社会的背景も強く影響しているということを、強く感じる本でした。
ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。
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