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「自分で治す女性の自律神経失調症」を読んで(読書感想文#32)

神経系と疾患の関連性などのヒントになるかなと思い、自律神経失調症の本を読んでみました。

▼自分で治す女性の自律神経失調症/大森啓吉監修

私自身、約10年前に仕事が忙しくて病院に行っても何の病気か分からず、自律神経失調症と言われたことはありました。その時は、なんだかよく分からないままなんとなく症状がなくなった経験があります。

でも最近は、自律神経失調症という言葉をあまり聞かないような?気がします。この本を読んでみて、より細分化されたというか、抑うつなら抑うつ、ストレスならストレスと、それぞれのアプローチが個別化されてきたからかなと感じました(実際の臨床のことは全く分かりません、読書の感想です)。

自律神経失調症のメカニズム

大脳辺縁系が司る本能的な欲求は、視床下部を通じ自律神経系に伝わり、消化器・循環器・呼吸器などに伝わっていきます。

視床下部がコントロールセンターとして、自律神経を調整します。しかし、このコントロールがうまくいかず、交感神経と副交感神経のバランスがうまくとれないようになると、自律神経失調症となり不定愁訴が見られるようになります。

自律神経失調症の5つのタイプ

・本態性(生まれつき。めまい、だるさ、肩こり、虚弱、低血圧など)
 →自律神経調整薬での対処療法
・神経症的(ストレス)
 →抗不安薬、心理療法(自律訓練法、認知行動療法)
・心身症型(過剰適応)
 →心理療法
・抑うつ型(几帳面、完璧主義、執着心強め、気分沈みがち)
 →抗うつ薬、心理療法(性格・生活習慣へのアプローチ)
・生活習慣性(昼夜逆転、不規則生活等)
 →睡眠改善、休息の取り方改善

なんだか、今と分類が違いそうな予感がする。

ストレスに影響されやすい性格パターン5つ

①過剰適応(人に合わせすぎて自分の気持ちや感情を抑えてしまいストレスがたまる)
②依存心が強い(過干渉・過保護な親に育てられた場合、周囲に頼りやすい傾向。相手が取り合ってくれないと大きなストレスになる。会社等の所属先が依存対象の場合もある)
③性格が未熟で自己中心的(自分で自分の感情を把握できずにイライラし、情緒不安定になりやすい。他人を思いやらないためトラブルになりやすい)
④人との人間関係が築けない(対人関係がうまく結べないストレス)
⑤心理的に常に駆り立てられている(競争心、キャリア志向で常に緊張状態)

・・・これ、みんなどれかしら当てはまるんじゃないかなぁ。

ちなみに私が昔この自律神経失調症と言われた時は、①の過剰適応と⑤の焦燥感がぴったり当てはまっていました。あの頃に知っていれば。。この本では、対応方法も症状に応じたくさん書かれているんです(リラックス法など)

その他印象的だった部分

・不定愁訴は漢方での対応も多く試みられます。最近はより一般的かもしれないですね。
・また、症状には女性ホルモンとの関連性もあります。女性ホルモンも視床下部のコントロールを受けるからです。
・天気との関連も記載されていました。低気圧時に不調になったりは私も感じますが、これも自律神経が影響を受けてうまく体をコントロールできていないということなんですね。なるほど。

私が最近、自律神経というものをあまり意識していなかったなぁと感じたのは、例えば引き金がストレスだと思ったら、ストレスコーピングに行くわけで。不定愁訴に悩むなぁと思えば漢方に行ったりするということではないかなぁいうことです。

でも「なんだか分からないけれど調子が悪い」となったときに、自律神経のコントロールが押さえどころなんだと意識できていると、色々と応用がききそうなんですよね。この本は1999年に初版が出ているみたいなので、最新の自律神経に関する本も読んだら勉強になりそうだなと思いました。

ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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