出会いは人生を変える(TT登場)【21】
人生に出会いと別れはつきものだ。人生を時間の経過と捉えると若い時の出会いはその以降の人生を大きく左右するものだったりもする。この出会いにより今の僕があることも否定できない。そして物事を記憶として思い出すたび時間とは経過として過ぎていくものではなくレイヤーとして重なっているものなんじゃないかなと思う。過去が未来をまた未来が過去に影響している感覚。SF映画の見過ぎか。
今はほとんどと言うか学校を卒業してから数回しか会ってはいないが思い出したかのように連絡を取ったり思い出したりする友人がいる。それは僕に取って親友と言うものなのかそうでないのかは定かではないが久しぶりに会ってもまるで昨日も会ったかのようにそしてその時に引き戻してくれる。この前のnoteにも記したKくんやMもその中の一人だ。
そしてもう一人。彼の名前は「T」苗字と名前が同じTで始まることからTTなんて呼ぶこともある(泣いてなんかいないよw)ここではイニシャルで出すが後で名前も紹介しよう。
彼のとの出会いは大学二回生の時。僕は一年間の寮生活を終え念願の完全なる一人暮らしを始めた頃だった。一人暮らしをするにあたって親の仕送りだけではやっていけなくなりアルバイトを始めた。それまではお金がいる時にライブの警備員(このバイトでマイケルジャクソンやマドンナを見れたのはまだバブル経済のなごりがあったからか?バイトではないがポールウェラー、スティング、ラモーンズ、レニークラビッツがツアーで福岡まで来ていて観たのは今でも僕の宝。んーなんてバブリー?)やチラシ配りの単発のバイトをしていた。それではいけないと言うことで一人暮らしのアパート近くのレンタルビデオ屋で働き出した(理由はビデオやCDがタダで借りられると言うなんともせこい理由で)そこで出会ったのがTだった。最初はただの音楽好きなお兄ちゃんと言う印象。彼は実家から大学に通っておりたまに一人暮らしの私の家に遊びに来ていた。まぁちょっとしたバイト仲間の溜まり場になっていた感じ。
彼は最近ギターを始めたばかりでギターを教えて欲しいとかどんな音楽を聞くのかとかこのCDいいよーとかまぁ趣味が合う友達だった。ただ聞く音楽のジャンルは全く違ったが年が同じで同じ趣味だと言うだけでなんだか嬉しかった。
レニークラビッツの新譜Are You Gonna Go My Way(1993)がどこも売り切れでいろんなCD屋を一緒に探し回ったり、スタジオに入ってセッションしたり、近所の美味しいラーメン屋にバイト終わりに週3回行ったり、山の湧き水が美味しいと言う理由で出かけ雪の降る山に行き遭難しかけたり(笑)学校は違ったが何かと遊んだ覚えがある。
そんな彼がギターを始めてからほどなくしてタスカムのMTRとヤマハのシーケンサー(QY10)を買った。そして何とオリジナル曲を作ったと言う。その時の僕はギターを持ってはいたが少しバンドや音楽をやる事から遠のいていた時期だったので何だこいつすげーと思ったのを覚えている。しかもその曲を聞くと初めて作ったデモとは思えない完成度だった。そう言えばカラオケとか行っても歌めちゃめちゃうまかったなー。
彼の名前は「谷口崇」知ってる人は知っている知らない人は知らない(当たり前かw)1995年「MUSIC QUEST JAPAN」という所謂ヤマハポプコンの後の音楽コンテストで優秀賞を受賞した彼である。後で知ったことだがaikoや椎名林檎と抑えての優秀賞だと言うから驚き。一応テレビ番組のテーマソングにもなりお茶の間でも彼を見ることがあった。
大学を卒業し程なくして彼から手紙と共にデモテープが送られてきた。メジャーデビューする為に今色々と動いてるよ言う素敵な便りだった。それからは関西方面にライブに来たりする時に会ったりするくらいでその後の彼とは疎遠になってしまったが今でも連絡を取ることがありその時はやはり大学生時代のあの時の空気が蘇る。そしてヤマハを離れ一度はミュージシャンの道を外れた彼だが今また歌い始め歌い続けている。
**そんな彼を見ると今の僕の勇気になる。
ありがとうタニ。**
谷口崇のまとめがあったのです貼り付けときます。