おおよそ美しさとして成り立つギリギリで絞り出した歌声が好き

ビンゴ記事です。詳細はこちらに。


今回は「オイ!性的な歌い方をやめろ」です。ここだけはツッコませてもらいたんだけど、

いや、タイトル。何とかならんかったんかい。

もはや欲望しかないじゃん、このお題。人の醜い部分しか見えそうにないよ。

基本的におしとやかな紳士淑女が嗜む文字を目指している本ブログの趣旨とは大きくズレてしまうことになりますが、これもひとつの異文化交流です。

至高のビンゴを完成させるため、一肌脱いで渾身のお上品な記事に仕上げてみせますわ。

記事を書き進めるにあたって、まず言っておきたいことがありますわ。








私はドエラい声フェチです。しかも限界まで絞り出した声がこの世で1番好き。





くっ…結局自分の性癖に嘘をつくことができなかった、恐るべしビンゴの魔力…。

そうです、人間は誰しもフェチズムを持ち合わせており、私の場合はそれが声だったのです。


お上品?そんなのさっき犬が咥えてどっかに持ってっちゃったよ?


人間なんて一皮剥けば欲望の塊ですよ。それを直視できない紳士淑女は黙っておしとやかな音楽でも聴いておいてください。来世でわかり合おう。

音楽のルーツにアニメをあげることも多いんですが、当然その世界には七色の声を操る声優さんの存在が欠かせません。

老若男女の様々な良い声に幼少期から触れ続けた結果、耳に良い声しか受け付けない、わがまま声フェチ野郎が誕生してしまったわけですね。

出会いは小3の頃でしょうか…祖母の家に里帰りで来ていた大阪で朝にアニメの再放送があり、そこで放送していたのが「幻想魔伝 最遊記」でした。

主人公の死ぬほどセクシーな三蔵法師の声が、忍たま乱太郎の土井先生と同じ声優さんと知ったときに声の計り知れない魅力に取り憑かれてしまったのかもしれません。

あるいは幼少期に少女アニメと知らずにハマった「カードキャプターさくら」の影響でしょうか。さくらちゃんはもちろん小狼くんが推しでした。

もしくは小学校高学年時、土曜の夜に見ていた「機動戦士ガンダムSEED」の中性的な主人公の声優が男性と知ったときでしょうか。ライバルの声もカッケェんだ。

美声であれば男性女性問わず良いもの…その概念はすでに子どもの頃から完成していました。

あれ、大丈夫?もしかして、俺の子供時代けっこう業深くね?


ちなみに好きな声優さんは吉野裕行さんです。(代表作:ガンダム00/アレルヤ・ハプティズム、イナズマイレブン/鬼道有人など)

それ以来私の脳内レコーダーには良い声以外に人権がないので、他の方の記憶はもれなく画面録画となっています。(実話)

美しい声の人間がもっと優遇されるための運動を2022年ごろから始めるべきだと高説しているのも、何を隠そうこの私です。

わかっちゃうんだよね…やはり人類に足りないのは癒しということに。

美しい声に触れたおかげで寿命が10年延びました(90代女性)

ひたすらキレイな歌声を目指して練習していたら彼女ができました!(20代男性)

美声が流れる音楽を流していたら、元気のなかったペットが元気になりました。(40代女性)


このように美しい声は世の中の様々な面で効力を発揮することがお分かりいただけただろうか。



あとここまでの茶番は全部ウソです。(嗜好の話は残念ながら本当)


そんな私が1番好きな歌声は、最初に伝えた通り、声として成り立つギリギリまでを攻めた美しい声です。

普通に歌って良い声っていうのは、もはや自分にとってはありきたりすぎて。

ちょっと面白みがなかったりします。

それよりも美声の持ち主が限界まで振り絞った声になるかならないかの綱渡りの状態の歌に魅力を感じてしまうのです。

人は限界に挑戦しているときが1番輝く、当たり前すぎる理論ですね。

でも、そういうときの声って何だかとても美しくてね…。

誰しもが出せない危険な魅力と唯一無二の存在感が際立って聴こえてきてしまいます。

ちなみに絞り出した部分もいいんですが、そこ以外であえて抑え気味の声だと、ギャップを感じてなおグッと来ますね。そこも美しいと120点満点でテンション鬼上がりです。ホクホクしちゃう。

前置きが長くなりましたが、今回はそんなギリギリを攻めた美声の曲たちを紹介していこうと思います。







KISS OF LIFE/平井堅


多分この曲が1番最初に声に対する忘れられない衝撃を与えてくれたんじゃないかと思います。平井堅の「KISS OF LIFE」です。

この曲が発売されたのは小学生のときなので、もちろん意味なんてわかっていません。

ただ、たまたま自宅でついていたドラマの主題歌となっていたこの曲が大人になってからも耳から離れませんでした。

セクシーな歌声が特徴の平井堅ですが、そんな彼が絞り出した高音はえもいわん魅力を備えています。

具体的な部分でいうと、"口づけから始めよう"の"づーけ"のところですね。いい高音です。

これだけでご飯10杯は固いですよ。ご馳走様です。

その後のときおり見せる限界ギリギリの高音はありますが、特に良いのがラスサビ前の"くちびるは全てを語る"ですね。

最後の力を振り絞ってる感じが fantasticですね。すいませーん!ご飯のおかわりください。

小学生すら魅了する(特殊な訓練を受けています)曲の魔力…ぜひ余すことなく味わって欲しいですね。






ゲッタバンバン/佐古智久


続きましては佐古智久の「ゲッタバンバン」です。7年ほど前になりますが、アニメ「ポケットモンスターXY」の主題歌でした。

おそらく読者のなかには、ドンピシャの世代という人もいると思いますが、そうじゃない人間も昔なつかしで見てしまうこともあったりするんですよね。

特に放送時間が夜7時ごろである時代も多いので、ご飯どきにテレビのチャンネルを思わず合わせてしまう日も多いなかで、この曲と出会いました。

ちなみにXYは世代以外で1番ハマったシリーズで、作画もハンパねえので、機会があれば見てほしいですね。

まず耳をひくのは、佐古くんの自然かつ爽やかな歌声だと思うんですが、そもそも男性として出せる声だとかなり高い部分に聴こえるんですよね。

個人的にはそれだけでも十分ポイント高いんですが、ときおり聴こえる伸ばす高音が何とも心地よく耳をくすぐってくれるので、終始気持ちの良い時間が続きます。

"ひーとりじゃないから"や"まーだ見ぬ未来へ"などの部分が特にお気に入りですね。

ですが1番好きなのは、ラスサビ前の"夢は夢のまんま  終わらせはしなーいからー"の最後のひと伸びですね。ビューティフォー。

爽やかさを失わない範囲で攻め切った歌声に心奪われること間違いなしです。






カワキヲアメク/美波


次は趣向も変わって、女性アーティストとなります。美波の「カワキヲアメク」です。

やはり声に焦点を当てると、ソロアーティストが多くなるような気がしますね。

この曲はどこか独白めいた歌い方や鬱屈とした雰囲気もあわさって、曲としてもかなり好きなんですが、声に目を向けても様々な魅力があります。

まずは冒頭部分の"美しくあれ"のもがき苦しむような歌声が、まさに搾り出したような声に様変わりしていて、グッと胸を掴まれてしまいます。

特に気に入っているのが、各サビ前やサビの途中に変貌する力強い高音。怒りと絶望感を表現しているこの歌声は、ネガティブな雰囲気を一切感じさせず、聴く者の心を不思議な高揚感へと導いていきます。すいませーん、ご飯のおかわりいいすか?2杯ください。

思い通りにならない世界でもがき続ける姿は美しい。
それを歌声でも体現している曲になります。

"それでもいいからさ 此処にいたいよ"

そんな悩み抜いて出た本音も、

"傘を閉じて 濡れて帰ろうよ"

諦めにも似た気持ちで運命を受け入れた姿勢も、

どんな気持ちもボーカルの思いを掻き出した声で表現できる稀有な作品だと思います。






Vivid Noise/XIIX


ソロの方ばかりが続きましたが、ようやくバンドからも紹介できます。XIIXの「Vivid Noise」です。

とはいえ、斎藤宏介のやりたい音楽をベースにしているので、実質ソロみたいなところは多分に含まれるかもしれませんが。

そもそもXIIXは性的な歌(言い方)が多すぎるので、なかなか選びにくかったりするんですが、そのなかでも特に万人に触れやすいものを選びました。要はサブスクにあったり、コラボしてなかったりしている曲ってことですね。

「Vivid Noise」の良さは、もれなく伸ばしきった高音の箇所が存在していることだと思います。

"時は金成"や"まだまだ欲しがりたいね"など、隙あらば斎藤さんの美声を堪能できます。

"今夢を見ていた"の後の高音も驚きの透き通りで何度でも聴きたくなりますね。

特にサビの"少し正常なフリしただけさ"の破壊力が凄まじい。追加のご飯炊きに行ってもいいですか?

タイトルとは関係ないですが、ラスサビ前の吹き消す吐息もとってもセクシー。まさにセクシーを愛し、セクシーに愛された男。

個人的には、一場面の高音よりも派手じゃなくても至る所にある高音の方が好きなので、こういう曲も大好きです。

いや、至る所にある高音って何だよ。

ちなみにギリギリまで迷った候補は「あれ」です。

こちらはどちらかといえば一点突破型セクシー。サブスクにないという理由が決定的で外しました。






Lily/myco


最後に紹介する曲はmycoの「Lily」です。

多分大多数の人が知らないと思いますが、それも無理ないことだと思います。

この曲はとあるアニメの挿入歌として使用された曲なんですが、そもそもかなりのマイナーアニメなので、多分見ていた人もかなり限られるんじゃないかな。

「Get Ride!アムドライバー」っていうんですけど。

思い返すと約20年前…九州のど田舎に住んでいた僕のひそかな楽しみは毎週放送されるアニメを見ることでした。

しかし、田舎には特有の事情がありました。そう、放送局が少ないという。

当時最もアニメが放送されていたテレビ東京系が含まれていない僕の地元は、見たくてたまらないアニメが見れないというどうしようもない悩みがありました。

とはいえ、時々何週か遅れで他局で放送されることもありましたが、「NARUTO」が日曜朝6時に放送されたり、「ポケットモンスター」が平日の夕方4時に放送されたり…まああまり小学生には優しくない時間帯に放送されてたんですね。

それでも朝の7時台の良心的な時間に放送してくれる作品もあり、このアニメともそんななかで偶然の出会いを果たしました。

それまで弟が好きで見ていた戦隊モノを差し置いて、我が家の日曜朝7時半は「Get Ride!アムドライバー」を視聴することが習慣化していました。

既存のアニメでは、現在続編が配信中の「Tiger &Bunny」が近いと思います。スーツに身を包んだヒーローという点も含めて。こちらはバディヒーロー物ですが、アムドライバーはどちらかといえば、チームヒーロー物です。

とはいえ、ヒーローの活躍が市民の人気に直結しており、そのなかでヒーローらしさを貫く主人公…といった共通点も多くあります。

最大の違いは犯罪者ではなく、バグシーンという正体不明の機械生命体が敵だということ。そこにも様々な陰謀が絡んでおり、少年向けアニメとは思えない重厚なストーリーが展開していきます。

ちょっとだけアニメの話をさせて欲しいんだけど、このストーリーが本当に魅力的で。少年たちの群像劇…という側面も残しつつ、大人でも鑑賞に耐えうる物語となっていて、特に中盤からの怒涛の展開は当時のファンからも非常に評価が高いです。

ちなみにキャスティングとしても、福山潤や遊佐浩二、豊永利行や松風雅也など…今をときめく人気声優が若手時代に重要キャラとして出演います。

あと主人公のジェナス・ディラを演じたのは、今作がデビューとなった鯨井康介です。声優としての活躍は控えめですが、昨今は舞台俳優として活躍しており、名前を知っている人も少なくないのではないでしょうか。

個人的には今作の演技が成長度も含めて非常に素晴らしく、もっと声優としても活動して欲しい欲がありますね。

キャラとしての記号もわかりやすく、「Get Ride!」や「やっちゃるぜ!」などの小気味よい決め台詞なんかも、物語の世界観へと入り込みやすくしてくれています。

スーツや武器のデザインも秀逸で、乗り物である"バイザー"と合体した姿が非常にかっこいいんですよ。

残念ながら玩具関連の売上は出来も含めて芳しくなかったようですが(同時期にガンダムSEED Destinyが放送されていた不運も相まった様です)、後半にクオリティの持ち直したこともあり、後にKONAMIより発売された「武装神姫」に一部が流用されたそうです。

商業的には成功と言えなかった本作ですが、今もなお隠れた名作として、20〜30代を中心に熱烈なファンも一定数存在している様です。

何と今ならU-NEXTで全話配信されているそうなので、興味があればぜひ視聴して欲しいですね。


話がだいぶ逸れてしまいましたが、そんな今アニメの挿入歌でもある「Lily」について紹介をしていきます。

歌っているmycoは歌手と並行して、当時声優としても活動しており、アムドライバーにもヒロインの1人であるシャシャ役として出演していました。

僕はあまり詳しくないのですが、少女漫画が原作の「満月を探して」で主人公の声を担当しており、そちらでは主題歌を歌っていたと聞いています。

そもそも声質がとても高く、アニメでは可愛らしい声で演じているのですが…歌手としてはかなりクールで大人っぽい歌い方をしており、そのギャップが凄まじいんですよね。

加えて、アニメでは悲しみや感動を呼ぶシリアスなシーンで使用されており、際立った歌声が場面と非常にマッチして、鮮烈な印象を与えています。


さすがに小学生のときはこの曲の魅力に気づくことができず、10年ほど前に動画サイトで無料配信したときに再認識することができました。

特筆すべき点としては、決意や強い覚悟を表現しきった美しく震えた高音でしょうか。

ふと垣間見せる儚い歌声が、希望と絶望が織り混ざった人間のギリギリの感情を表現しているようで、掴んだら消えてしまうような尊い美しさを感じてしまいます。

ときおり聴こえる伸びやかな高音も決して品を失わず、ギリギリまで声を保ったままに表現としての美しさも感じ取ることができました。

曲の性質上、アニメの紹介も多分にさせてもらいましたが、単体の曲としても非常にグッとくるポイントが多いので、ぜひ耳を傾けていただければと思います。






紹介する曲は以上となります。

しっかし、改めて思い返しても気持ち悪い記事になったなぁ。

普段真面目やつが気持ち悪いことすると、余計にキモく見えちゃう理屈ってあると思うんですが、今回がまさにそれでしょう。

あれだね、やっぱ振り切ろうとしても変なところで真面目さ出ちゃうよね。結果オモロさよりも気持ち悪さが前面に出てる気がする。

まあお題に沿った結果なので、これも仕方なしと思うことにします。精一杯尻尾は振り切った。


でも、まあ最後の曲で半分以上アニメの説明で尺取ったのはやりすぎだと自覚しているので、そこはもう読み飛ばしてもらってかまいません。


ただ、耳心地の良さは保証するので、興味が湧いたらぜひプレイリストでも作って聴いてみてください。全曲どこかのサブスクなら聴けるので。

みなさんの性癖に刺さるプレイリストも教えてください。みんなで曝け出していきましょう。道連れしようとしてるとか言わないで。

とりあえずご飯がなくなったので、追加分を炊飯器で炊いてこようと思います。

では、今日はここまで。

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