新興宗教の集会に参加した話(後編)

最終回。集会が終わったと思ったら、受付のおばさんに別室へ案内された。ナニがあるんやろ?


喜び組あらわる

案内された部屋に入ると、そこには同世代とおぼしき若い女性たちが顔を揃えていた。しかも、ルックスのランク帯がみんな中の上を超えている。えー何コレ!!ひょっとしてバールのような、もとい喜び組のようなアレか??オラわくわくしてきたぞ!©︎孫悟空

どうやらこれから車座で座談会をするらしい。我々を案内した受付のおばさんは「この後は若い人たちでごゆっくり…ウフフ」と言って去っていった。ごゆっくり…?なんや、喜び組と粘膜こすり合わせて前後上下運動してもええってか?おう?いかんいかん、つい団地育ちの邪気がにじみ出て…

ここで、ふと思った。もしかすると、最初に受付で家族構成や仕事や趣味について事細かに聞いてきたのは、喜び組の人選をどうするかの材料にするためではないか?だとしたら、全て計算ずくということ…こわっ!上岡龍太郎にはダマされないぞ!

座談会スタート

座談会では清楚でおしとやか風な女性たちが1人ずつ、法主さまの教えに従うことでどれだけ生活が改善されたかを熱心に語っていく。大枠はみんな同じで、家族を大事にすれば社会での活動にも良い影響が表れ、全てがうまく循環していく、というもの。

内容はさもありなんという感じだが、綺麗どころの女性が触媒となって、すさまじいブーストがかかる。これははっきり言ってヤバい。デビルチョップなみのパンチ力である。人生何となくうまくいっていない、常に何か満たされない思いがある、日照り続きのカラッカラで非モテ道まっしぐら、みたいな男どもはイチコロだろう。参加者が女性であれば、シュッとしたイケメン男性を用意するんだろうし、よくできた仕組みだ。

熱弁の合間に、松田さんは普段の生活やお仕事で何か困っていること、悩んでいることはありませんか?と話を振られるのだが、「や、特にないっスね!」「うまいもん食って、一晩寝たらモーマンタイっス!」「人生ハッピーアワー、18時まで生ビール280万円!」などとふざけた答えを繰り返すうち、何も聞かれなくなった。ごめん、ちょっと盛ってる。

不幸中の幸い?

個人的に幸運?だったのは、美人局がみんな清楚系だったことだ。いやぁ、なんか清楚系ってムラムラ来ないんよね…ってどの口が言うとんねん!上から目線でスマンの。あと、どうも所作がウソくさいというか、ひざの上にハンカチ置いてる感じがあざとくてノレなかった。

これがもし、夏川結衣、森口瑤子、若村麻由美、鈴木京香など、好みドンズバの妖艶な女性だったならば、あるいは若干無防備で谷間ちょっと見えてます、みたいな子だったなら、動かざること山のフドウと呼ばれた自分であっても少しは…いや、大いに心が揺らいだかもしれない。男という生き物はそれほどまでに単純なのである。

そうしてしばし歓談したのち、今度こそ解散となった。残念ながら、股間が熱くなる要素は全くなかった。

後日談

数日後、ジャギともども仲が良かった同期のFくんにこの集会の話をしたところ、何と彼は断り切れなくて入信してしまったのだとか。マジかよ!月会費が数千円だから、付き合いだと思って我慢しているとのこと。いかにも入りそうな奴をチョイスして声をかけるジャギ…黒すぎる。というか、月会費が思いのほか安くて驚いた。まあいいかと思わせる絶妙な価格設定である。

一橋さんもその後たびたび誘われたようだが、断固として拒否したらしい。あまりにしつこいので、仏の一橋さんもさすがに堪忍袋の緒が切れ、もうこの話はするな!と釘をさしたところ、ジャギも一瞬は引き下がったそうだ。一瞬だけ。

最後は、もう全部水に流して前みたいに飲みに行きましょうよ!というジャギの言葉を信じた結果、どこぞの居酒屋でまたも執拗に勧誘されて大喧嘩し、金輪際お前とは会わん!と絶縁に至った模様。新人歓迎会で小便まき散らしてもフラットに接してくれた一橋さんを裏切るとは…この恩知らずめ!

ネズミ講のフトシ

そう言えば、Fくんとは別の同期でネズミ講にハマって身を滅ぼしたKくんもいた。Kくんは騎手の小牧太に似ていたので、以後フトシとする。フトシは家庭の事情で早々に退職していたが、ある時、久しぶりに会いたいと喫茶店に呼び出され、無限の利益を生み出すという謎の粉を紹介された。効能は全く記憶にないが、1粒300m!とかソレ系のアレだったと思う。

この場にはフトシの先輩格の男性も同席していたのだが、彼がここの支払いは私が!と言ってレジへ向かうも、持ち合わせがコーヒー代にすら満たず、慌ててフトシが立て替えるという事件があった。あのー、無限の利益はどちらへ…?その姿を見て、人生において感じたことのない憐れみの情が湧いたことを覚えている。

フトシはずっと家族のことで悩んでいたようで、そのスキマを喪黒福造あるいは喜び組の面々に突かれたのだろう。他の同期にも片っ端から声をかけていたらしい。もしどこかで偶然会うことがあったら、ことの顛末を聞いてみたい。

まとめ

んで、結局のところどうだったの?と言うと、押しつけがましさのない雰囲気、もっともらしい教え、若いチャンネーとの交流、お手頃な月会費と、ビギナーにとってはヌルッと入りやすい要素が詰まっており、面妖な宗教団体というフィルターを外せば、さして問題がないように見える。だが、それが罠なのだ。そう思ってしまった時点で、教団の術中にハマっている。

いやだって、仰々しく法主さま!とか言ってるけど、もとはそこらへんのおっさんやしね。霊能力(笑)なんかより、室伏広治の身体能力の方がよっぽどすごい。まあ百歩譲って、微課金のライトユーザーで収まっているうちはいいとしよう。それがジャギのように重課金、廃課金のヘビーユーザーになって勧誘まで始めると手に負えない。

とは言え、何が幸せかは本人次第。教団の教義が心の支え、よりどころになるのであれば、それを外野がどうこう言う筋合いはない。言わば、一種の推し活みたいなものだ。けど、しつこい勧誘はダメよ~、ダメダメ。びゅうううううおおおおおああああああああああ(吹きすさぶ寒風)

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