通り過ぎていったメンヘラたち②(前編)
ガチの不良に続く2人目はエロの権化である。純粋なメンヘラ度ではこちらの方が上かもしれない。18禁につき、閲覧にはくれぐれも注意されたし。5000字超の大作となったため、3回に分ける。
2. エロの権化
プロフィール
【出会い】ローカル掲示板
【年齢】1コ下
【性格】エロい、依存体質
【属性】オタサーの姫
【特技】性技
峰不二子を思わせるセクシーダイナマイトバディだったので、以後便宜的に「不二子」と呼ぶことにする。
なれそめ
不二子とは某ローカル掲示板のオフ会で出会った。明るく、可愛く、愛想がよく、気配りができ、おまけにボンキュッボン(死語)で覇王色の色気を振りまいており、周囲の騎士たちから姫として崇め奉られていた。
仲良くなったきっかけは二次会のカラオケだった。CDを完コピし、脳にしかと刻まれたフレーズをトレースして声に出す歌唱法でオリコン上位曲を歌いまくっていたところ、どうやら不二子も同じ手法を用いていたらしく、思わぬ形で意気投合した。
ただ、取り巻きの騎士たちに恨まれるのが億劫で、あまり積極的には距離を詰めようとしなかった。すると、逆にそれが不二子を刺激したのか?向こうから近づいてきて、あれよあれよという間にしっぽりと…まったく、ちょろい男である。
床上手
不二子はあっちの経験がとりわけ豊富で、ひたすらエロかった。控えめに言って、ベストオブベストである。研究熱心でエロんな性技を習得しており、数々の新しい扉を開いてくれた。アレの奥深さを知ることができた。彼女のおかげで筆者の熟練度も飛躍的に向上したと言えよう。
しかしながら不二子は性をアイデンティティとしているフシがあり、エロの承認欲求と執着が並はずれていたため、徐々に持て余すようになっていく。というのも、筆者はこう見えて(どう見えて?)エロだけでなく恋人として過ごす時間、いわゆる密な連絡や対話、デートなども全般的に楽しむタイプなのだ。一方、不二子はあっちが第一優先なため、そこで摩擦が起こる。
そもそも会ってホテル行ってコトを致して帰るだけ、ってつまらんくない?ワンナイトは刹那的な昂揚感があるからまだいいとして、ナニするだけの関係にはあまり食指が動かない。気持ちがない単純な行為としてのアレって、めんどくさいんよね。終わってみたらすっきり、という点では風呂や散髪に似ている。
性獣との日々
当時は筆者が学生、不二子がフリーターで2人とも実家住みだったので、おせっせはもっぱらラブホか学生ローンで買ったクルマ(消臭スプレー常備)だった。ラブホは休憩2hで2000円台、宿泊5000円台の格安店を狙い撃ちしていたが、行く回数が多すぎて、バイト代の大部分をもっていかれた。
不二子は性に一切の妥協を許さず、会うと必ず上下の口で一発ずつ発射することを義務づけられた。これは最低限のノルマで、実際はムスコのエナジーが尽きるまで延々と続く。なお、泊まりの場合は翌朝の一発も必須である。何なら丑三つ時に起こされて求められることもあった。どんだけスんねん!
休憩2hで連射するのは心身の負担が大きいため、本来なら3hはほしいところだったが、休憩3hはコスパの悪い店が多かった。よって、クルマで一発こなしてから休憩2hにシフトするというルーチンができあがった。何でわざわざそこまでして…
不二子は昼間のフリータイムを好んで利用したがったが、体…もとい、股間がもたないので、あの手この手で回避していた。いやだから他にスることあるやろ!映画とかゲーセンとかカラオケとか行こうや!
と言いつつ、カラオケは極力避けていた。2人とも歌うのが好きで、付き合うきっかけにもなったはずなのになぜ…まあ察しのとおり、どこかのタイミングで確実に行為が始まるからである。というか、カラオケボックスって歌うとこやからね。ナニするとこちゃうからね?
同じ理由で満喫の個室もアウト。とにかく密室に入ると、またたく間にそっちの方向へ誘導されてしまうのだ。すべての道はおせっせに通ず。この頃、筆者のキャンタマはつねにスッカラカンだったと思う。
中編へ続く。