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THE STACKING STOOLの自由研究

こんにちは、石栗です。

今日はだいぶ趣向が違います。
私が暇な日に商品を色々いじった記録です。
皆さんもたまーに”今日の夕飯に凄く丁寧にカレーを作ってみよう”とか気が向く日があったりしませんか?あれです。あれの矛先が料理じゃなかっただけです。
たまにはこんな日もありますよ。

今回標的になったのはTHE STACKING STOOLです。
このシンプルで木材ままのスツールにDIYで色を変えてみました。

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元々は東京店で働いていた当初から倉庫に壊れたスツールがあったのでそれを元通りに復活させようと思ったのがきっかけでした。
その際に調べたのは”接着剤界で最強なものは何なのか”という事でした。アメリカ製のスゴイやつなど色々見る中で金継ぎに使われる”麦漆”という漆に小麦粉を混ぜた物が良いというページを見つけました。麦漆は器を金継ぎする際に接着剤として用いられるもので、その接着力は金継ぎした器を落として割ってしまっても同じ割れ方をしないほど接着強度があるとのことで、なんか天然成分に寄った素材でとっても素敵ということでこちらでトライすることにしました。(↓鳩屋さんを参考にさせて頂きました)


早速4枚の木の板になったスツールを家に持ち帰り、画材屋で漆を購入し段ボールで簡単な乾燥場所を作り接着を試みました。接着開始から1ヶ月。某瞬間接着剤では数日でぐらつきましたが、今回はグラつきもなく頼もしい感じになりました。
ですが、そこで1つ問題が発生しました。それは接着した部分からはみ出た漆がとても目立ってしまうという事。摩耗して凹んでしまっていた所まで漆が入り込んでしまい如何にも何か塗った感じがあらわになってしまったんです。


そこで閃きました。


椅子全部を漆で塗って隠せばいいじゃん。


そこから紙やすりで#80→#120→#240と表面を削りならし表面のオイルを剥がします。
続いて刷毛、追加の漆を購入した私は薄めた漆を何度も塗り重ねる日々が始まりました。


そしてそこで私は塗料としての漆の仕組みを初めて知る事とになりました。(↓記事の漆が乾燥するしくみ(雨天の日ほど早く乾く)から参照)

漆は塗料としては工程がとても面白く、塗って乾燥して終わりというものではありません。”漆が乾く”というものは寧ろ湿度が必要だからです。
”漆が乾く”というのは塗料のイメージにありがちな水分が蒸発することではなくて、酵素と酸素が反応して性質が変化することを言うんです。乾くまでに1塗りにつきおおよそ2週間程度硬化を待つ必要があります。(もっと短くてもよかったっぽいですが、失敗したくない素人なので調べた中でも長めの期間で大事を取りました)
そして4回の塗りを終えた頃にはこうなりました。


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いい感じの飴色です。ちょっとした感動ですね。
その後調子に乗った私は、試作品や私物を黒漆、弁柄漆に透き漆と色々カスタムを重ねて三色の別カラーが完成しました。

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壮観ですね。もう半年くらい経ってしまいました。。。


しかし、ここで大きな発見を1つしてしまいます。
ここまでやってきてなんですが、全て木材に漆が染み込んでないということです。
これは違う無垢材に塗っていた時に気づいたんですが漆が木材に染み込む感じがスツールの時は全然しなかったんです。
"密度が高い木材だからだな"とか思っていたんですが、このTHE STACKING STOOLはオイルを”染み込ませて”あるようなんです。
拭き漆は最初に生地固めと呼ばれる"素地の木材に"漆を塗り込むことから始まるのに、ただ表面を塗っただけになってしまいました。。。

どうしてくれるんですか?

そうとも知らずこっちは3台も塗っちゃったんですけど!?(半ギレ)

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結構手間がかかったのにどうやら詰めが甘かった感じが否めないですが、それでも売り物になる訳でも無いのでこれから家で使っていこうと思います。
キッチンに置くとふと休憩できたりして良いですし、コーヒーテーブルとしてもやはり良いですね。
中でも弁柄と透き漆の組み合わせも垂れた感じが寧ろ味になっていてかっこいいです。(本来均一な色を目指してたんすけどね)

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拭き漆は密度の高いところと低いところで漆のシミ具合が違うので雉っぽい模様になるのがとてもかっこいいです。
最近は外に置いてるとたまに野良猫と一緒にいるのが微笑ましいです。(乗れよ)

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またできたらこういうの上げていきますね。


石栗はTHE OFFICE DX部門にいます。
ショップ店員やら催事設営/撤去やら生産/売上管理やら色々やって今年4月からDX部門へ異動に。
主にECサイトの整備や動画撮影等の補助など、そもそもDXが何の略なのかということから勉強中。
https://twitter.com/Kurirukishihsi




◆THE STACKING STOOLってどんなもの?

・積み重ねできるコンパクトなスツール
・釘を一切使用していないあられ組
・JIS規格適合で160kgまでの耐荷重

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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時々(半年に一回くらい?)アップデート予定です。

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