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トレーディングカードをトレードしてみた【後編】

さて、いよいよここから本題に入るわけだが。

前編はこちら

トレーディングについての記事を書こうと思った理由は2つ。1つは己の反省のため。もう一つは、世の中にトレーディングをどうやるのか具体的な方法についての情報があまり公開されていないから。(もしかしたら、実戦で学べということなのかもしれない。)

カードゲームではもちろん、何事も反省が重要である。ましてや、人生初めての体験なら尚更だ。

今回のトレーディング、自分的には70点ぐらいの満足度だった。合格点ではあるものの手放しで喜べるというほどの結果ではないので、今後のために、記録を書き残しておく。


まず良かった点
・timetwister が手に入った
・トレーディングを実際に行うことができた
・状態を高く評価してくれた
・持っていったカードのほとんどに値段がついた
・FINE PLAYができた(ダブルマスターズのトップレア 意思の力の拡張foilをトレードから取り下げた)
・結果として、2人目のトレードにつながり、the abyssとwheel of fortuneを手に入った

悪かった点

・timetwisterの状態が今一歩
・1枚を手に入れるのに、こちらの出した枚数が多かった
・mox pearlが手に入らなかった
・最も値段の高いmox sapphireの値付けを後回しにした
・timetwister, mox sapphireの状態の差にあまり言及しなかった
・トレーディングになれていなかった(買い取りと混同していた)
・カードの値段の知識が相手に比べて足りていなかった
・相手の欲しいカードを正確に把握していなかった(特に、日本語のカードの価値の見積もりに差があった)

とまあ、おおむね、初めてだったから失敗してしまった部分も大きい。次回以降は、知っていれば、防げることも多いので、みなさんもぜひ参考にしてもらえると嬉しい。

ここからは実際の体験について書いていく。まず、今回のトレーディングの目的だが、そこは、はっきりしていて、再録禁止ではない自分では使わないカードをtimetwisterとmox pearlの2枚に交換することである。なので、それ相応のカードを用意していく必要性があった。

ただ、power9、しかも2枚と交換できる再録禁止ではないカードは、はっきり言ってこの世にない。いきなり本末転倒ではあるが、ダブっているmox sapphireのうち片方は、交換に出すつもりで持っていくことにした。状態は、カードの上の辺にやや欠けが見られるSP相当のカードと、裏面に少しスレが見られるMP相当(表面がきれいなのでどちらかというとSPよりだとは思う)。できれば、SP相当の方はとっておきたいが、一応2枚とも用意して出かけた。

その他の主力の交換材料として用意したのは、拡張foilだったり、マスターピースだったり、テクスチャーフォイルだったり、希少価値が高く値段が高いわりに、ほしい人があまり多くないので売りづらい、トレードであれば価値がつくだろうカードをできる限り集めた。主なラインナップをあげると、ダブルマスターズの意思の力拡張foil、意思の力のマスターピース版や、ダブルマスターズ2022のテクスチャーフォイル版、リリアナ、ウラモグ、ファイレクシア語版ヴォリンクレックスなど。とりあえず、思い出せるだけリストにしてみた。〇が実際にトレードしたカード。×は持っていったけどトレードしなかったカード。

☆mox sapphire SP(再録禁止) 〇
☆mox sapphire MP(再録禁止) ×
*transmute artifact(再録禁止) 〇
*transmute artifact(再録禁止) ×
*トレイリアのアカデミー(再録禁止)(EN) 〇
*無限を廻るものウラモグ テクスチャーフォイル 〇
*最後の望み、リリアナ テクスチャーフォイル 〇
*レンと六番 ダブルマスターズ2022拡張foil 〇
*モックスパール ダブルマスターズ2022拡張foil 〇
*真鍮の都 ダブルマスターズ2022拡張foil 〇
*意思の力 ダブルマスターズ拡張foil ×
*思考囲い ダブルマスターズ拡張foil 〇
*毒の濁流 ダブルマスターズ拡張foil 〇
*闇の腹心 ダブルマスターズ拡張foil × 
*オパールのモックス ダブルマスターズ拡張foil 〇
*金属モックス ダブルマスターズ拡張foil 〇
*金属モックス 30周年シークレットレイア― foil ○
*伝国の玉璽 簡体字 ポータル三国志 〇
・巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス ファイ語 フォイル 〇
☆意思の力 マスターピース ×
☆意思の力 マスターピース ×
☆Chalice of the Void マスタ―ピース 〇
☆Entomb マスタ―ピース 〇
☆Sculpting Steel マスタ―ピース 〇
☆Dark Ritual マスタ―ピース 〇
☆No Mercy マスタ―ピース 〇
*アトラクサ オイルスティックフォイル ×
・鉱路と前線の剣 オイルスティックフォイル 〇
・鉱路と前線の剣 〇
・鏡割りの寓話 絵違い foil 〇
・鏡割りの寓話 絵違い 〇
・永遠神バントゥ SDCC 〇
・神秘を操る者、ジェイス 〇
・タルモゴイフ 6枚 〇
・再活性 テンペスト 〇
・巻物棚 テンペスト 〇
・魔力変 4枚 〇
・自然の秩序 ミスティカルアーカイブ 〇
・告別 日本人イラスト拡張foil 〇
・銅線の地溝 ゼンディカーエクスペディション foil 〇
・古えの墳墓 ゼンディカーエクスペディション foil 〇
・新緑の地下墓地 モダホラ2 複数 〇
・干潟の浅瀬 モダホラ2 複数 〇
・虎の影、百合子 プロモ1枚 エッチングfoil 2枚 〇
・俗世の教示者 ドミナリアリマスター 〇
・ワームとグロエンジン プレリリース 〇
・グレートヘンジ プロモパック 〇
・サメ台風 〇
・河童の砲手 4枚 ○
・ゴブリンの先達 旧枠プロモfoil 4枚 ○
・神聖なる評決 ○
・年老いた骨齧り 3枚 ○
・極楽鳥 ドミナリアリマスター 拡張 ○
・神聖なる泉 ○
・天井都市、大田原 ○
・ファイレクシアの抹消者 ○
・マイコシンスの格子 ○
・冥途灯りの行進 ○
・旧枠foil 複数 〇

いや、こうしてみるとやはり出しすぎている感もあるが、、、悔やんでもしょうがない。すでに読者のみなさんには、結末が見えてはいるものの、とりあえず、私としては、これだけ持っていけば、いくらパワー9といえど、timetwisterとmox pearlの2枚と交換できるのではないかと期待して、リュックに詰めて持って行った。

あずまやさんは、お店の前を通ったことは何度かあるが、中に入るのは初めてだった。入ってみると、デュエルスペースの周りにショーケースがある一般的な形式のカードゲームショップで、正面の気前のいい野良猫の原画が印象的な店内だった。入り口を入って右手の窓際の席で、トレードの交渉を行っているっぽい雰囲気の人たちがいたので、それが終わるのをショーケースを眺めながら待っていた。

前の人の順番が終わり、私からトレード会の主に声をかけた。

twitterでアナウンスしていた女性の他に、もう一人白人の男性が並んで座っていて、女性の方は、日本語がそれなりではあるものの、男性の方が、日本語が全くできないので、基本、英語で、交渉することにした。

手順としては、
まず、こちらが、相手のバインダーの中から欲しいカードを指定し、その状態と、売値を確認する。timetwisterは1枚、mox pearlは状態の違うものが2枚あったので、それを指定した。

次にこちらがトレードしても良いカードを見せて、確認をしてもらい、値段をつけてもらう。という流れになった。

ここで、カードショップという場所もあり、トレーディングの値付けを、買取査定と同じシステムだと錯覚するという大きな勘違いを起こしてしまった。つまり、査定金額が気に入らなければ、のちのち、容易に取り下げられると思っていて、やや軽い気持ちで甘めに判断していた。これは間違いではないのだが、その手順はトレーディングではイレギュラーで、おそらくそれをすると話がまとまりづらくなる。

手順としては、こちらは交換してもいいカードを指定して、相手が、その中から欲しいカードを選び、値段をつける。その時点で、納得するかしないか決めて、気に入らなければ、その場で取り下げる方がおそらく正しい。もし相手が本当に欲しいカードなら、その場で、その1枚に対して交渉をすることになるだろう。もちろん、後々、全て値付けし終わってから、交換したくなければ取り下げるということをしてもいいとは思うが、トレーディングはお互いの立場が対等なのが、買取と大きく違う。カードを買い取りに出す場合、売り手と買い手という立場の違う2人の人間がいて、所有権のある売り手が売るか売らないか、最終的な決定権があり、ある意味、一度買い手が査定したものを売り手が売ると言えば買い手は必ず買い取るわけだが、トレードはお互いが対等な立場なので、あげる側ともらう側で都合が合わないとトレードが成立しない。そのため、まとめて、最後にあげる側が決めるのではなく、もらう側にも交渉する余地があるということ。なので、1枚ずつ決着をつけて、最後に差分を埋める方が、最もまとまりやすい方法なんだと思われる。

結果として、mox sapphire以外の部分で、30万円ぐらいの査定になった。基本売値ベースで話しているので、これならば、mox sapphire1枚と残りのカードで、予定通り、mox pearlとtimetwister 2枚と交換できるだろうと割と安心していたのだが。mox sapphireの値付けをしてもらったところ、MP相当の方では、全然足りない。まあ、ここまでは、想定内だったので、SP相当の方も見てもらったところ、結果として、相手のtimetwister SP?相当に対して、20万円ビハインドであるという判定になった。timetwisterを見る限り、こっちの方が状態いいまでありそうなので、いくらtimetwisterがblack lotusの次に高いとはいえど、mox sapphireも、その次に高いカードではあるし、状態を考慮すれば、こちらのmox sapphireとトントンか、そこまでは差がつかないだろうと思っていた。しかし、売値で20万円ビハインドという結果になり、ちょっと絶望的だった。2枚交換するという話とはだいぶかけ離れている。

ここで、おそらく、状態の議論をして、交渉の余地がないなら、交渉決裂まで考えなければいけないところだったと思われるが(結局、相場はあるようでないので、お互いが納得できるかどうかだから)、「2枚交換したいがどうにかならないか?」という提案しかできなかったのが、よくなかった。相手の立場からすれば、「もっと売れるカードはないか?」か、「現金で払ってくれ。」ということになる。ここで、状態の議論をしようという具体的な提案をできなかったのが、最大のミス。

そこで、さすがに、長年集めたカードが期待値以下の成果になるのも嫌だったので、mox pearlは諦めて、timetwisterに絞って、向こうが値付けしたもののうち期待値以下のものを10万円分、取り下げた方がいいと判断し、その提案をしたところ、向こうが取り下げるカードの提案をしてきた。(ここがトレードの怖いところ。何を取り下げるのかも、最終的には所有者に決定権はあるだろうが、それまでの過程はあくまで交渉なのである。)なので、結構、ここで強気にいかないと、お互いの期待感に差が開いてしまう。ただ、ここから、再度交渉をするのも、大変な労力なので(なので、最初の値付けの段階で納得いかないものは取り下げた方がいい。その方が交渉材料が増えるし。)、とにかく、お互いの期待感が大分異なる、意志の力に関しては、取り下げる側に入れてもらうように交渉した。これはFINE PLAY。ただ、相手が、日本語のカードに対して、値段をあまりつけていないことに気づいていれば、もっと簡単に、やりとりできていたかもしれない。そこは、反省点。

結局、上記リストの○のついたカードと、timetwister1枚を交換することになった。まあ、現金で買うよりは、現実的な入手方法ではあったし、そこまで、ひどく損をしたという話でもないとは思うのだが、1枚に対して、交換した枚数が、かなり多く、それぞれ、いろんな経緯で入手したカードなので、喪失感的には、かなり大きいものがあった。

ということで、1時間ほどにわたるトレードが終了し、パワー9まであとmox pearl1枚となったところで、家路に着こうとしたのだが、そこで、後ろからやりとりを見ていた別の人が、トレードをしたいと声をかけてきた。

もうほとんどカードを渡した後なので、何をトレードしたいのか話を聞いてみると、先ほど、キープした意志の力が欲しいとのことである(自分FINE PLAY!)。そこで交換しても良いカードの入っているバインダーを見せてもらった。基本的には、旧枠foilカードばかりだったので、そこまで興味はなかったが、状態が悪いもののthe abyssとwheel of fortuneの2枚の再録禁止カードが入っており、その2枚が欲しいということを伝え、こちらは、意志の力、ダブルマスターズ拡張foil1枚、マスターピース版2枚を交換することにした。この時点で、私としては、納得できる交換だったので、細かい差額についての交渉を延々と始めそうな雰囲気を、結構強気に交渉し、最終的に割と納得いくトレードができた。結局、欲しいカードがある方が、譲歩しがちではある。この2度目のトレードがあったこともあり、この日のトレードの感想としては、トータル合格点と言ったところで落ち着いた。

結論としては、悪気はないんだろうけど、言ったもん勝ちではあるので、日本人向きではないのかもしれない。客観的な妥当性も判断材料にはなるが、最終的には交渉によって決着するという方法なので、そこも楽しめるんであれば、トレーディングは、なかなか良い方法だと思える。次回、また機会があったら、そのあたりまで含めて、心の準備をして臨んでみたい。

注:左上のtimetwisterを持ってピースしているのが私

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