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ミルクコーヒー☕

■全文2250字


ミルクコーヒー

という音を聞いて、貴方は
どんな飲み物を想像するでしょう。


ミルクとコーヒーが混ざった市販品?
それとも家族が淹れてくれた
珈琲に、ミルクを入れたもの?

どれも正解だ。
あなたにとってのミルクコーヒー。
それがあるなら。

どれだって正しい。


実を言うと、ミルクコーヒーの定義は
とても難しい。

コーヒー類にミルクが入ったもの、
としてしまえば広義は造れる
かも, 知れないが。


でもちょっと待って?
そもそもコーヒーって何? コーヒー豆を抽出した液体の事?

エスプレッソなんて類いの飲み物も人気がある。彼もコーヒーの中に入るだろうか。

だいたいミルクという言葉もアバウトだ。牛乳? 生クリーム? はたまたそのどちらでも無いモノ?

??
乳製品、とした方が広義には向いていそうだ。

考え出すと切りがない。こういう話は。


今日の本題は此処です。
「考えても答が出ない領域の話題」。

そういうものが、この世には存在する。


*******


少し私の話をさせて欲しい。
私はコーヒーが好きだ。

ずっとブラックが好き。
初めて飲んだ時の味を憶えている。ひどく、苦かった。小学生だったと思う。やはり、子供には受け付けがたい味だった。


何時からだろう。ブラックを常飲する様に成ったのは。大学生の間だろうか。こうした時系列の決定的な頃合いというのは、覚えていない。意外と。



ところで、街中でコーヒーを頼むと、私に運ばれない事がある。

どういう事かと言うと、複数人で食事をした時などだ。相手がオレンジジュースといったフレッシュな飲み物を同時に頼むと、そうした物が私に運ばれて来たりする。店員がいるうちに相手と阿吽の呼吸で互いの飲み物をすり返ると、こう言われる。

「決めつけては、いけないですね。大変失礼致しました」


そんな事が、一度や二度以上、有る。

三十年も生きていれば回数もふえるか。



さて、そんな経験を文字によって此処で供養出来満足なのだが。


表題に戻ってみましょう。

人って、どうして、定義したがるのでしょうか。


実は私も定義に煩い方だ。何かを語る時、内容の精度を保つのに必要だからだ。ルールが、必要だったり、する。


でも、じゃあ、攻撃しても良いのでしょうか。

相手を。


『定義からすると、君のいま言っている事は、間違っているよ。それは正しくないんだ、定義から外れているから。』


こんな風に。
ここで止まれば良い、未だ。

その先が、問題だ。

『君は間違っていて、恥ずかしくないの?』『これだから無知は困るよ。』『こんなことも知らないなんて、所詮君もその程度か。』『こうして話す価値も無いね。』


こうした言葉に、おぼえはあるだろう。
誰もが経験あるのではないだろうか。


持ち合う知識の差異を突く、侮辱だ。
知識が多い人に有りがちなケース。


自分を相手より優位な存在だと思いたいのだろう。
その根本には、コンプレックスが存在する。

誰だってコンプレックスまみれだ。
私も何時も苦労する。


誰だって自信が無い。
私も無い。


此処からが、私の主題だ。
コンプレックスを、他人に攻撃する
口実にしては、いけない。


コンプレックス。劣等感。
必ず、原因がある筈だ。


糸がからみに絡んでしまったそのロジックを、紐解く必要がある。

貴方自身が、だ。
だってあなたの抱える物だもの。

貴方が、なんとかせねばならぬ。
あなたを救うのは、貴方だ。
あなたの解決策は、貴方の中に在るのだ。


そう、自問している。



そう、だから
ミルクコーヒーを、決めつけては、いけない。

誰しもが有るのだ。
正解のミルクコーヒーが。


ミルクコーヒーは家で飲むもの、という人もいるだろう。安心する家、家族団欒が起こりやすいダイニング。誰かが居て、その気配の中、貴方は珈琲を淹れる。自分で。或いは家族が容れてくれた其れに、ミルクを入れる。今日は多めにしようかな、外は雨が降っていて、ひんやりした気温を感じる。たっぷりと温かいミルクコーヒーをつくるのもいいなあ。ミルクも温めた方が良さそうだ。そんなことを無意識に考えながら、貴方は小鍋を手にガス台の前に立つ。家族がどいてくれた頃合いに。あるいは、電子レンジの前に。マグカップを別に用意して、冷蔵庫から出したばかりのミルクを注ぎ、パネルを睨み専用ボタンを探す。久しぶりだから、まごつくな。そんなことを頭の隅に描きながら。



ミルクコーヒーは市販品という人もいらっしゃるだろう。そうそう、あれあれ。何時も通りかかるあのお店の、そう、あそこに置いてるんだ。俺は常連だからな、目を瞑っても手に取れる程にだぞ、頻く買うんだ。さてストローをいつものごとく刺して飲む。嗚呼、これこれ。このガツンと来る甘さが良いんだよ、脳が覚める!眠い頭には良く効くんだよな、心なしかかすんでいた目の前も雲が晴れた様によく見える!やっぱりコレだな、これじゃないとダメなんだよ、さて行こう。


人それぞれ、ですね。😊
貴方にとっての、ミルクコーヒー。

あなたを救う鍵になるもの。
そういうものが、見つかります様に。🌠



******


因みに、私が初めて口にした珈琲は、ミルクコーヒーだ。ブラックでは無い。


母が飲み終わったミルク入りの珈琲を、黙って飲んだのだ。母が席を立ち、家族の目を盗んで。

あの乳白色。
なんだこれ。苦い。

カップの底に僅かに残ったそれは、
ブラックの黒ではなかった。ミルクチョコレートの様な、乳白色だった。


そんな事を思い出して、書きました。


最近、ブラックに乳製品を入れて飲むミルクコーヒー、に、嵌まりはじめている。




#貴方とあなた
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#ブラック
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