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万年筆の沼。
万年筆。
達筆な人が持つ文房具。
めちゃくちゃ高い文房具。
一生ものの文房具。
私が万年筆に対し、最初に思っていたことだ。
ところが2013年。PILOT社が「カクノ」という万年筆を発売した。
(画像はPILOT社公式サイトのカクノ製品ページから引用しています)
この万年筆らしくない可愛い見た目、そして何より値段が¥1000〜。
衝撃だった。
欲しいと思いながらも、当時高校生の私はすぐには買えなかった。
「万年筆って、文字が上手い人しか使っちゃいけないんだろうな…」と。
うだうだすること、1年。
意を決し、小遣いでカクノを買った。
「日記を書くため」と称して。
日記帳は未だ1ページしか埋まっていない。
そう、カクノは私に対し、万年筆へのイメージを変えて敷居こそ低くしてくれたものの、沼の奥底まで誘うものにはならなかったのだ。
あれから月日は流れ2021年。
コロナウイルスの影響で、世間は自粛続きで色々なことが制限され、不本意ながらも慣れてしまってきている。
私の周囲でもやれ色々とあったが、暇を持て余した私は、行きつけの文房具屋で新たな万年筆と出会った。
同じくPILOT社が出している万年筆
【Plumix(プルミックス)】だ。
どうも限定品らしく、今やメーカーの製品ページにも載っていない品だ。
調べれば2019年には発売されていたようだが、行きつけの文房具屋には2021年にも関わらず在庫がたんまりとあった。
カクノをほぼ全く使うことが出来なかった私は、此奴への一目惚れを理性で振り切ろうとした。
無理だった。
結局買った。
コンバーター付きで、好きな色のインクを使って文字が書けるという部分に、どうしても勝てなかった。
「カクノ」はカートリッジ式なのでボトルインクを買っても使えないが、プルミックスはそれが使えるのだ。
買った後、私は悩んだ。
「何に使おう」と。
再び持て余すこと2ヶ月。幸いなのは、この万年筆のキャップがねじ切り式でインクが乾きにくいところだ。
自分が書いている小説のキャラクターに、万年筆を使う男がいる。
そいつの万年筆について考えを巡らせていたところ、万年筆について考えるならば自らも万年筆を手にして、書きながら考えた方が楽しいのではと思った。
めっちゃ楽しかった。
楽しすぎてB5のノートを丸々2ページ埋めた。
万年筆で文字を書くのが楽しくなって、次の日も万年筆で小説について考えたことを書き連ねた。
その日は3ページも使った。
ひとことに万年筆と言っても、多種多様だ。値段もピンからキリまである。
最安値はプラチナ万年筆の「プレピー」か。お値段は¥330。
万年筆の金額の上を見ようとしたら何十万の世界なのでやめよう。
どうやら私は、自分に合う万年筆を探し当てたらしい。
その事実が嬉しかった。
惜しむらくは、これが限定品で既に廃番ということだが、まあ他にも万年筆の種類はたくさんあるのだ。私も他のを使っていくうちに、他にも楽しいと思える一本に出会えるかもしれない。
そう考えたら楽しくなった。
この後私は神戸インクについて調べ始め、新たにもう一本買おうかどうしようかと悩んでいるのであった。
ちなみにガラスペンも欲しい。
万年筆、一度お手に取って見てほしい。
それは貴方の人生に「書くのが楽しい」という、新たな喜びをもたらしてくれるものになってくれるかもしれないから。